[人形作家Q&A] vol.4 森村ひとみ


クラフトアート人形コンクール実行委員会主催「HELLO DOLLS selection」 広告ビジュアル

クラフトアート人形コンクール実行委員会主催「HELLO DOLLS selection」広告ヴィジュアル作品作家 森村ひとみさんに作品のこと、制作に関することなどをお伺いしました。(2024年2月)


森村ひとみ「蒼い夢」

[Creater profile]

Name 森村ひとみ
Name kana モリムラヒトミ
Profile 2020年:独学で人形の創作を開始。粘土や布や木材など様々な素材を使い、クロスボディを中心に球体関節人形やレリーフ制作にチャレンジしている。物語を感じる人形を創りたい。 2022年:クラフトアート人形コンクール入賞。銀座人形館、タイムロマン、人形青山でのグループ展参加。 2023年:クラフトアート人形コンクール入賞。ギニョール、アラビク、タイムロマン、コルメキッサでのグループ展、うらら展、グリムの森展参加。
SNS/HP [X](旧Twitter)https://twitter.com/hiyomin2020 /      
      [Instagram] https://www.instagram.com/hiyomin_channel/

1.制作のテーマ、コンセプト、大事にしていることを教えてください

[活動全体を通して]
自分の記憶(モノや心情)を拾い集め、音楽をヒントに思い浮かんだものをカタチにしています。
粘土や布や木材など素材や技法は作りたいものに合わせて選び、手作業で形作り絵画のようにペイントして仕上げています。
動かせたり素材感の楽しいお人形なので、抱いたり撫でたりして愛でながら、絵本や映画の一場面のように物語を感じていただければと思います。
[今回の制作・作品について]
作品を発表し始めてから、動物作家と呼んでいただく事が多いのですが、昨年は逆にヒトガタでも心を捉えるお人形が作れたらと精を出し、手ごたえを得た一年でした。
今回はもう迷うことを止め、「ケモノとヒト、どちらでもなくどちらでもある」をテーマに、おばけや妖精など空想の世界の住人を自由にカタチにしてみました。
どんなお話の主人公なのか?想いを馳せてみて下さい。

2.主な素材と技法、その魅力を教えてください 

絵具で素朴な雰囲気にペイントした粘土の頭と手足で、綿(わた)の入った柔らかい布ボディの、昔ながらのお人形をよく作ります。
抱いた時や撫でた時に、温かみを感じる綿(めん)やウールや毛糸の素材感、ずっしりと程よい重みも可愛さの要素と思っています。 

3.取扱方法に注意事項や遊び方の提案がありましたら、教えてください。

ペイントや接合の糊が剥がれたり素材の風合いを損ねる為、洗濯しないで下さい。
強い衝撃で粘土などのパーツが破損する事があるので、注意して扱って下さい。
優しく撫でて大切に慈しんで下さい。

4.注目すべきチャームポイントなどありましたら、教えてください

何かよくわからないモノだけれど、くすっとユーモアがあったりキュンと切なかったり心に引っかかる魅力があります。
どうぞその子のお話を自由に作って、愛でていただけたらと思います。

5.作者自身についてお伺いいたします。作品を作り出したきっかけは?

コロナ禍で仕事が暇になり心と時間に余裕が出来、学生時代以来に何十年かぶりに絵を描き始めました。アニメオタクの娘の影響で、ねんどろいどやブライスのカスタマイズをしているうちに、全部作ってみたくなりました。

6.最初の作品を作ったのはいつですか?

絵は幼い頃からのライフワークで、仕事でデザイナーをしています。
テディベアキットの企画の仕事をした時に、作り方を学びました。
本格的な人形作りは3年ほど前から。
市販のドールを可動するボディにカスタムする事からスタートしたので、動く=楽しいが基本にあります。
ボタンのジョイントで手足が動く動物のぬいぐるみや、関節の少ない球体関節人形から作り始めました。

7.そのときから今まで制作をお休みした期間はありますか?

人生の長いスパンで見ると、仕事をしながら結婚子育てをしていた20年は心と時間に余裕が無く、作品と呼べる手作りは出来ませんでした。
子育てが落ち着きコロナ禍に突入した3年前の春は、正に最高の制作再開の好機でした。

8.最初の気持ちと今で、制作に対する姿勢の変化はありますか?

良くわからないけれど、作ってみよう作ってみたからのスタートでした。
独学なので素材も技法も知らない事が多く、作家さんや人形専門のお店の存在も知らないので実物の見本を見たことも無いので、ネットで写真を検索し、中古のキャストドールを見本に作りました。
でも、知らないからこそ怖いもの知らずで、クラフトアート創作人形マッチングコンクールに応募出来たのだと思います。
実物の作品を見たり、人様に愛でていただく事を意識し始めて、作ってみたで終わらずきちんと技術を身に着けようと思うようになりました。

9.作品のイメージはどのように浮かびますか?

頭に浮かんだイメージの落書きから方眼紙に図面を起こし作る時と、いきなり粘土で形作り始める時があります。でも、作っているうちにアイデアを閃いたり使いたい素材が出て来て、大きく変更することがしばしばあります。制作中に視聴する音楽の影響が強いです。

10.制作したい理想の作品(人形)とは、どういうものでしょう?

不特定多数の方にいいね!されるより、どなたかの心の奥深いところにある琴線に響く作品を作りたい。

11.最後にご覧くださるかたにメッセージを。

人形は愛でてなんぼ。愛で方はいろいろ。
抱っこしたり撫でたり喋りかけたり、お話を思い浮かべたり、一緒にごっこ遊びしたり、ひたすら眺めてため息をついたり・・・とにかく好きに愛でて下さい。

【展覧会情報】

クラフトアート人形コンクール実行委員会主催「HELLO! DOLLS selection」
2024年3月6日(水)~12日(火) 10:00~20:00(最終日17:00閉場)
阪神梅田本店8階ハローカルチャー2 入場無料
https://salon.craft-art-doll.com/event/3399/

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