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緊急事態宣言による通園自粛期間が明けた時に思うこと〜現場の保育士より〜

4月に新しい保育園に転職してすぐ、新型コロナによる緊急事態宣言が出て、子ども達も通園自粛要請を園から出すこととなりました。それでも保護者の仕事柄、保育園に来続けた子ども(幼児)は、私の園では全体の2割〜3割程度でした。3歳児クラスから5歳児クラスまでの子ども達が、一つの部屋にまとまり合同保育を行っていました。

子ども達は、学年が上がったばかりで、担任の先生も変わり、環境が変わったところでの合同保育。異年齢の縦割りのような保育となりました。転職してすぐの私にとっては、元々慣れない職場だったので、子ども達の顔を名前を一から覚えるところから始まりましたが、気付いたらその環境が普通に思えるようになっていました。5歳児クラスの加配を中心とした担当になったので、4月中は、二人の発達障害の子どもとの信頼関係を築くことに重点を置いていましたが、日を追うに連れて、今のこの状況が与える子ども達への負担について考えるようになりました。

学年が上がったとは言え、クラスのお友達は同じです。仲の良い友達が保育園に来なくなったり、人数が減ったりして、淋しい思いをしていた子どもも、その状況に順応して楽しく過ごしたりもしていましたが、5月に入り、世の中のストレスが溜まるのと同じように、通園している子どもにも疲れが溜まっていたのでしょう。時々、「ママに逢いたい」とシクシクと泣いてしまう子どもが目につくようになりました。

昨日は、4月からずっと土曜保育にも来ていたMちゃんが、ちょっとした事がきっかけで大きく崩れてしまい、いつもしっかりと明るい笑顔のイメージでしたが、気だるく泣き崩れて、その時間がとても長引きました。午睡前、私はずっと抱き締めて背中をさすっていました。だいぶ無理してるな、と思い、「Mちゃん、いつも頑張ってるもんね。思いっ切り泣いてしまえばいいよ。」と言うと「わぁ〜〜〜〜〜ん。」と大泣き。泣き疲れて、いつもは寝られないMちゃんでしたが、その日はぐっすりと午睡しました。幸い、午睡後はおかえりの時間も見えて来て、泣かずに過ごせました。ラキューで作った手作りケーキを私に振舞ってくれました♪

そのような切ない気持ちを抱えながら過ごした子どもも多いです。表現出来る子も出来ない子も居ます。

新型コロナウィルス対策として、我が園では、アルコール消毒や保育士のマスク着用、換気、以外、細かい対策は特にありませんでした。私は時々、午睡の時の布団と布団の距離が近すぎる事(通常通りなのでもう少し離した方が良いのではないか?)、食事の時の一つのテーブルに座る子どもの距離が近すぎる事(通常通り一つのテーブルに4人なので、真正面に座らないように配置した方が良いのではないか?)、毎日のお散歩も通常通り。色々な公園に行って遊びました。子どもはマスクはしていません。手洗いも子どもに任せているので、きちんとしっかり洗えているか、もっと細かく見守った方が良いのではないか?と疑問に思ったり、ストレスを感じたりした事がありました。保育園に居ると、世の中で新型コロナのことを忘れてしまうかのような錯覚に陥り、帰宅すると三密を避けることについて、様々な情報が入って来ます。保育園では、三密そのものの状況なので、これで子ども達を守る事が出来ているのか?とも思いました。

けれど、あくまでも結果論なのですが、中規模保育園である都内(郊外)の我が保育園では、誰一人として感染することはなかった。子どもの人数が減っているだけでも、来ている子どもにとっては大きな環境の変化だったので、それ以上に神経質に対応して、子どもに不安な感情や心の負担を与えることにならなくて良かったと思います。

まだまだ予断は許せない状況が続きますが、子ども達の心の安心を確保すべく、しっかりと受け止めて加配の立場からもケアして行きたいと思います。

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