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鍼、花、ホットケーキ

 酒を飲んでコタツで寝てから10日間腰痛に悩まされています。人生初めての腰痛に耐えきれずすぐさま整体の予約を取り、結局今日までほとんど毎日通っています。
 
 調子がよかったり悪かったり。酷い日は寝返りもつらいし、座るのもきついから立って食事を済ませたり、前屈みになれないから洗面台で膝立ちになって顔を洗ったり。ここ数日は割といい感じ。

 整体というか整骨院なのですが、魔界でも大きめの整骨院で先生も多く、先生の数だけ得意も違うという感じ。電極パッドを貼られて電気を流したり、謎の機械に乗せられ大きな音を鳴らしながら上から下からプレスされたり、イメージ通りの指圧や整体など。

 今日は勧められるがままに鍼をやりました。
 注射は平気だけど、点滴や採血は苦手。点滴は肘の内側に針が刺さってる状態で「このまま思いっきり肘を曲げたらどうなってしまうんだろう」とか考えてしまうし、終わってから刺しっぱなしだと血液が逆流することもあるから心配で寝落ちできないし。採血はチューブの中を血が意志を持ったように流れていくのがちょっと気味悪くて嫌。案外自分の血って赤黒いんだなとか気づかされるし、普通に貧血持ちだし。マンガでよくある血が引いていく「サー…」みたいな擬音ってまさにその通りだと思います。

 例にも漏れず鍼も苦手な部類でした。両脚のすねの外側に刺すことになったんですが、明らかに今刺してるよね?みたいな「トントントン」という感触があった。発狂しそうになる頭で咄嗟に「素敵なもののことを考えよう!」と思い、浮かんだのが『お花』と『パンケーキ』でした。
 花って貰っても困るものランキングに上がりがちだし、小さい頃母様がガーデニングしてるのを見て何が楽しいんだと思ってたけど、お花を素敵と思う感性は養われていたようです。パンケーキもまあ普通に素敵だし。

 鍼が刺さってる間、パンケーキの動画を見ました。足首から先を動かそうとすると、鍼を刺したところを中心に痺れるような感覚がして、パニックになりながら「おしゃれなカフェのパンケーキじゃない!古い喫茶店で出るようなホットケーキの動画が見たい!」とまたパニックになりながら動画を漁る。

 こまめに様子を見に来てくれる先生たち。派手な見た目だけど落ち着いた雰囲気の美人な先生と、いつもかわいがってくれるママみたいな中国人の先生。優しいけど指圧は泣くほど痛いし、他人に鍼を刺す資格を持ちそれを生業にする恐ろしい人たち。
 2本だか4本だか刺されたんですが、終わったらその瞬間から驚くほど自然に歩行できるし調子もいい。すねに鍼刺して健康になるとか信じられない。結局何のツボだったのか。本当に怖い。

 今夜は特に調子がよくて、料理中立ちっぱなしでもつらくないし、ベッドに上がるのも楽。でも体の不調は無職がぐうたらするための免罪符だから、もうちょっとダラダラしてたい気持ちもある。でもそうこうしてたらいつまでも仕事に就けない。

 自律神経の不調やストレスを疑い「無理して働かなくていいよ」「考えすぎないで」「心配してるんだよ」と声をかけてくれ、激痛の指圧をしながら「泣いてないですか?」と微笑み、施術の終わりには「みひろちゃんがんばった♡」と必ず言ってくれるオタクの妄想みたいなお姉さん先生がいますが、この話はまたの機会に。


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