一から学ぶOko Oath

皆さん、おはようございます。冬宮みはるです。
今回は冬宮がいつもヴィンテージで使ってるOko Oathについて紹介していこうと思います。

はじめに

ヴィンテージにおけるOathと呼ばれるデッキの中で、現在最も主流なタイプがOko Oathです。製作者である冬宮みはるの名前からFuyumiya OathMiharu Oathとも呼ばれています。
デッキが生まれた経緯等についてはこちらの記事を読んでいただけると分かると思います。

どんなデッキ?

その名の通り《王冠泥棒、オーコ》と《ドルイドの誓い》を使用したコンボ+コントロールのハイブリッドのようなデッキです。
《ドルイドの誓い》+《禁忌の果樹園》の2枚コンボを揃えて《グリセルブランド》や《パルン、ニヴ=ミゼット》のようなフィニッシャーを展開するのが主な勝ち筋ですが、それに拘らずとも《オーコ》で鹿を生み出してビートダウンしていくことも可能です。
一見、こちらの盤面を鹿で埋め尽くす《オーコ》と、相手よりもクリーチャー数が下回らなければならない《ドルイドの誓い》はアンチシナジーかのように見えますが、そうではありません。《オーコ》は《ドルイドの誓い》のメタカードである《墓掘りの檻》や《封じ込める僧侶》を軒並み鹿に変えることで、《ドルイドの誓い》の誘発を促します。また《禁忌の果樹園》を引いていない場合でも相手の《Mox》を鹿にすることで、《ドルイドの誓い》の誘発条件を満たせるので、実質的に《禁忌の果樹園》の代わりを担うこともできます。
これら以外のカードはほぼ全てカウンターとドロー呪文で埋め尽くされており、コンボを押し通しにいける時はコンボデッキとして、それ以外の場合はコントロールデッキとして振る舞います。

強み

このデッキの強みとしては、キーカードである《ドルイドの誓い》が比較的対処されにくいことがまず挙がります。ヴィンテージの環境では、《Force of Will》と《紅蓮破》が主なカウンターとして使用されています。
《Force of Negation》や《呪文貫き》、《狼狽の嵐》等も見かけますが、それらが4枚投入されることはほぼありません。この事実を踏まえて考えると、《ドルイドの誓い》は緑のエンチャントであるため、ほぼ《Will》でしか対処できません。さらには《ドルイドの誓い》+《紅蓮破》を構えていれば《Will》2枚で対処するしかなく、かなりの確率で《ドルイドの誓い》は通ることになります。
さらに、ヴィンテージにおいてアーティファクトは目の敵のように対策されています(メインボードから《破壊放題》が飛んでくるような環境です)が、エンチャントに関してはそこまで対策されていません。少なくとも「エンチャントだけを破壊する」ようなカードは採用されておらず、精々《解呪》のような「ついでにエンチャント破壊できる」程度のもので、メインボードからはほぼ飛んできません。(ただし《活性の力》は別ですが。)

次にこのデッキの強みとして挙げられるのは、コンボに依存していないことです。これはコンボデッキでよくある「コンボを止められると何もできない」という問題点を克服しているという点です。
《ドルイドの誓い》自体は《墓掘りの檻》や《封じ込める僧侶》といったメタカードが出てきてしまうと、全く機能しないただの置物と成り果ててしまいます。また《解呪》や《活性の力》といったエンチャント破壊に対しても無力で、さらには《ドルイドの誓い》から出てくるフィニッシャーに対しても《Karakas》が刺さってしまうため、これらのカードがある場合はコンボを決めることが不可能です。
しかし《オーコ》はそれらのカードを(《解呪》と《活性の力》は効かないこともないですけど)物ともせず鹿を延々と生み出すことができるため、対策カードを無視して勝利を目指すことができます。
これは無理に対策カードのための対策カードを採用する必要がないことを意味しているため、使用用途の狭いカードが過剰に手札にきて事故るといった確率を軽減することにも繋がっています。ただでさえ《グリセルブランド》や《ニヴ=ミゼット》のようなゴミが入っているので、事故率が低下するに越した事はありません。
また、さらに言うと《ドルイドの誓い》と《オーコ》を両方同時に対策することが困難であるという点も強みになります。
先程も説明した通り《ドルイドの誓い》は《墓掘りの檻》等の対策カードで対策が可能です。しかし《オーコ》に対してそれらのカードは有効ではなく、また《オーコ》を対策するための《紅蓮破》や《真髄の針》といったカード群は《ドルイドの誓い》に対して全くの無力です。両方を対策しようとするならば結局カウンターで対処するのが一番楽ですが、それに対してはこちらも《夏の帳》や《紅蓮破》等で対処できます。このように片方の対策カードだけで対策しようとしても、むしろこちらが対策に引っかかる方を引いていない場合は対策カードが無駄になり、実質的にその分のアドバンテージ差が生じるため、下手な対策はむしろこちらの優位になります。
ただし《オーコ》も《ドルイドの誓い》も除去できる上に打ち消されない《突然の衰微》は苦手で、《夏の帳》でしか対処できません。

弱み

じゃあデッキの弱みは何かと言われますと、一番はデッキ内に無駄なカードが入っていることです。
これは言わずもがな《グリセルブランド》《ニヴ=ミゼット》《ガイアの祝福》のことで、特に前者2枚は全くアドバンテージに関与せず、しかもこれらのカードを引いてしまうと《ドルイドの誓い》から出てくるフィニッシャーがなくなるといったさらなる悪循環を呼び起こします。一応《ニヴ=ミゼット》は《Black Lotus》さえ引ければ素キャストが現実的で《Will》のコストにもできるのと、《ガイアの祝福》はキャントリップが付いているためこれらはまだマシですが、《グリセルブランド》はどうしようもありません。(ごくごく稀に《Black Lotus》+《禁忌の果樹園》+4マナで唱えられることもありますが。)
いずれにせよ、これらの引くだけで不利になるといった謎のカード達を採用しなければならないといった点は明確にこのデッキの弱みと言えます。

次にマナ基盤が弱いことが挙げられます。
言わなくても分かると思いますが、これは《禁忌の果樹園》のことです。全色のマナが出るとはいえ、マナを出す度に相手に1/1のトークンを与えるといったデメリットはペインランドとは比べものにもならないくらいに強大なデメリットです。
さらにはこんな弱い土地を入れなければならないためフェッチランドをあまり採用できず、探査コストを確保するのも簡単ではありません。
また、それに伴ってまともな土地が少ないため3マナ以上のカードは必然的に《禁忌の果樹園》を使用して唱えなければならない場合が多く、高マナ域のカードを採用する場合は《禁忌の果樹園》を含んで唱えても問題ないという基準を満たさなければ採用できません。(冬宮のデッキに《ダク・フェイデン》が入っていない理由の一端)
ちなみに《オーコ》は最強なのでこちらの盤面に《Mox》が1枚でも存在していれば、相手の場に《タルモゴイフ》が居てなおかつ《禁忌の果樹園》を1枚含んで唱えても4ターン後には逆転しています。(+1《タルモゴイフ》、+1《Mox》、+2、+1食物で逆転)

また、コンボが揃ってから勝利するまでに時間がかかるといった点も弱みです。
《ドルイドの誓い》+《禁忌の果樹園》が揃っても、次の自分のターンのアップキープを迎えなければ何も起きず、さらにはそこからフィニッシャーが出てきて殴り勝つまで追加で1〜3ターンかかるので、コンボが揃っていながらその間に負けるといったことも多々あります。
さらに言えばコンボを決めたのに負けるといった不思議な現象が起きたりもします。これは、フィニッシャーがデッキの底の方に居た場合にライブラリアウトするといった現象です。《ガイアの祝福》を採用しているため、ある程度はそういった可能性も防げますが、《ガイアの祝福》を引いてしまった場合は陥る可能性が高いです。特にライブラリーボトムに《ニヴ=ミゼット》が居た場合は、《ガイアの祝福》の誘発にスタックして適当なインスタントを撃たれるだけで《ニヴ=ミゼット》が勝手にドローさせてきて負けるので、たまにこういう理不尽な負け方をします。
対策として「この盤面のまま勝てるといった状況では《ドルイドの誓い》の条件を満たしていても使用しない」といったものが挙げられます。《グリセルブランド》だけで十分なのに、調子に乗って《ニヴ=ミゼット》まで出そうとするのは負け筋です。

得意なデッキと苦手なデッキ

《ドルイドの誓い》自体がクリーチャー戦術を否定しているため、クリーチャーを多用してくる上に《ドルイドの誓い》への対処手段が非常に限られるデッキである「MUD」には明確に有利です。
そこそこクリーチャーを利用する「ジェスカイアルカニスト」には少し有利で、他には「ピッチホロウヴァイン」「ドレッジ」「ゴロススタックス」にも微有利〜五分くらいです。
総じて茶色系のデッキには比較的有利です。

逆に苦手なデッキは、自分よりも早い上にクリーチャーをほとんど利用しないコンボデッキである「逆説ストーム」「TPS」「Doomsday」です。これらは前述のコンボが揃っても勝つまでが遅いといった欠点が明確に響くので不利です。《オーコ》も遅いので。
それと《ドルイドの誓い》にも《オーコ》にもメインボードから無理なく対処してくる「BUG(墓荒らし)」に対しても不利です。
ただ、先程のデッキよりも速度はないのでそれらと比べるとまだマシです。
総じてコンボデッキが苦手な傾向にあります。
ちなみにミラーは冬宮が有利です。

結局強いの? 弱いの?

強いと思うんですけど、冬宮のデッキをコピーした方々から次々に爆死した結果が送られてくる傾向にあるので、もしかしたら弱いのかもしれないです。たまにプレイングが難しいとは聞きますけど、個人的にはパイオニアのディミーアインバーターの方が難しいと思ってるので、ディミーアインバーターを使いこなせる方は多分これも使いこなせます。ちなみに冬宮はパイオニアでディミーアインバーターを使ってます。(隙あらば自分語り)
ただ「プレイが複雑なデッキは、プレイが簡単なデッキよりもミスが多発するため、総合的に後者よりも弱い」という観点から見ると良くない気もしますね。

おわりに

Oko Oathを使ってみたくなった方も、使うどうか微妙な気持ちになった方も、冬宮は毎日YoutubeでOko Oathを使用した対戦動画を投稿しているので、実際にどういう動き方をするのか、どういったプレイングをしているのか、参考にしていただけると嬉しいです。
この記事だけでは伝わらないこととかもあるので。
それと、毎回のことですがチャンネル登録をよろしくお願いします。もう登録してくださってる方々がほとんどだとは思いますけど、まだの方は是非この機会にお願いします。
では、今回はこれで終わりにします。
それでは皆さん、おやすみなさい。冬宮みはるでした。

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