Vintageを始めたい方に向けて

皆さん、おはようございます。冬宮みはるです。
今回はVintageを始めたいけどどんな環境なのか分からない、どういったデッキが強いのか知りたい、どんな動きをしてくるのか知りたいといった方に向けて解説していきます。

まず、ヴィンテージのデッキは大きく分けて4種類のデッキがあります。

①《Bazaar of Baghdad》を使って墓地で戦うデッキ
②《Mishra’s Workshop》を使ってアーティファクトで戦うデッキ
③1ターンに複数枚の呪文を用いてストームを稼いで戦うストーム系のコンボデッキ
④それ以外の青いデッキ

という上記の4種類です。
中でも上記2つは非常に強力なデッキであるため、ほぼ全てのデッキのサイドボードの10枚以上が、それら2つのデッキをメタるためのカードになっています。
また、ヴィンテージというフォーマットの特徴として、パワー9を筆頭に非常な強力なアーティファクトが多いためメインボードからアーティファクト対策が平然と投入される、《Mishra’s Workshop》を利用するデッキ以外のほぼ全てのデッキは青いため《紅蓮破》がメインボードから採用されるといったことが挙げられます。
このようにヴィンテージは、アーティファクト青いカード墓地利用に非常に偏ったフォーマットになっています。

ただ、勘違いしないでいただきたいのは『平然と1キルが横行するようなぶっ壊れた環境ではない』という一点です。ゲームスピードが他のフォーマットより速いのは間違いありませんが、むしろ1キルを狙うようなデッキは少なく、『安定して3〜4キル』もしくは『それらをメタる』のどちらかを狙うデッキばかりです。しかし、『安定して3〜4キル』を狙う過程でたまたま1キルが発生したりすることは稀にありますが、それはモダンや、レガシーでも同じことだと思います。
ゲームスピードが速くなる原因は主に《Mox》シリーズ等による過剰なマナ加速によるものです。
レガシーでは1ターン目に《秘密を掘り下げる者》を着地させ、《目くらまし》や《Force of Will》等のカウンターでそれらをバックアップしながら《不毛の大地》でマナを縛りつつ6回程度殴るのを目標にするデルバーデッキがそれなりに強力だと思いますが、これをそのままヴィンテージの世界に持ち込んでもおそらくはあまり勝つことはできないと思います。
その決定的な違いが《Mox》《Mishra’s Workshop》等のマナ加速が原因です。デルバーデッキは低マナ域とピッチスペルによるテンポアドバンテージでゲームを優位に進めるデッキですが、ヴィンテージのデッキは平然と1ターン目から2〜3マナの呪文を唱えられたり、マナが余りがちなので《目くらまし》もあまり信用できるカウンターにはなりません。
MTGは基本的に重いカードはその分強力なので、その強力なカードをより早いターンで唱えられるのは他のフォーマットではできない強力な動きですし、ヴィンテージの魅力でもあります。
また、他にも違いを挙げるとアドバンテージがいとも容易く稼げることです。これは単純に他のフォーマットでは禁止されているようなカードが使用できるからですね。
スタンダードでは3マナでプレインズウォーカーをプレイしたり、モダンでは《コラガンの命令》や《瞬唱の魔道士》を唱えたり、レガシーでは《氷牙のコアトル》等でアドバンテージを稼いでいると思いますが、どれも1が2になる程度で圧倒的なアドバンテージを急に稼ぐようなカードはどれも禁止になっている筈です。
一方ヴィンテージでは《Ancestral Recall》を筆頭に《宝船の巡航》《Timetwister》《ネクロポーテンス》《天秤》《ヨーグモスの意思》(これ書いた瞬間、他のフォーマットでも《死の国からの脱出》使えるじゃんって気づきました……)等の急激にアドバンテージを稼ぐカードが制限とはいえ使用できます。そのため《Ancestral Recall》で3ドローした返しに《逆説的な結果》が通って4ドローされて負けた、といった一発逆転もあったりします。
まあ、そのために1枚のカードを通すと一気にアドバンテージ差がついてしまうので、お互いに必死になってカウンターを合わせにいったりもします。《精神的つまづき》が4枚使えた頃は《Ancestral Recall》1枚を巡ってお互いに手札を3〜4枚注ぎ込んだりなんていうシーンもありました。

さて、ここからはヴィンテージ の各デッキの説明をしていこうと思います。
最初に説明した4種類のデッキから、さらに細かく分類していきます。

『《Bazaar of Baghdad》を使用するデッキ』

《Bazaar of Baghdad》
土地
T:2ドロー。その後手札を3枚捨てる。
※マナは一切出ません。

・ドレッジ
メインボード内の土地が《Bazaar of Baghdad》4枚だけ一切マナが出ない上に、それを初手に引くために《血清の粉末》まで採用しているMTG界全体で見てもかなり異質なデッキです。
主な動きとしては1ターン目に《Bazaar of Baghdad》で発掘持ちのカードを墓地に落とし、2ターン目からは《Bazaar of Baghdad》の2ドローと通常ドローを発掘に置換し、大量のカードを墓地に落として《ナルコメーバ》《イチョリッド》《秘蔵の縫合体》《黄泉からの橋》等で大量にクリーチャーを並べてビートダウンするといった動きになっています。
それだけであればまだモダンやレガシーのドレッジよりちょっと強いレベルなのですが、このデッキの一番恐ろしいところはそれらの動きに加えて《Force of Will》《活性の力》《暴露》等のピッチスペルで妨害も行えるということです。
さらに、それに加えてサブプランとして《Bazaar of Baghdad》で手札を3枚捨てられるので《虚ろな者》を0マナで唱えてそれでビートダウンすることも可能です。これが非常に曲者で、墓地対策だけでキープしても《虚ろな者》が突破できず、かといってそのためだけに除去をいっぱい残すわけにもいかないといったジレンマを生み出します。
ただ、非常に墓地に依存していることと、このデッキが非常に強力であることは確かなので、ヴィンテージ界のほぼ全てのデッキのサイドボードは、このドレッジのためだけに墓地対策が6〜8枚近く採用されています。それだけ対策されていてもマッチを通してこのデッキに有利をつけられるデッキは中々ないので、個人的にはこのデッキがヴィンテージ界最強のデッキだと思っています。
《Bazaar of Baghdad》を初手に引くまでマリガンするという前提で組まれたデッキなので、7枚でキープしてくるドレッジは犯罪です。
実はパワー9を1枚も使用しないので紙で組む際にはヴィンテージのデッキの中で一番安いデッキという噂があります。
MOだとパワー9がめちゃくちゃ安いのと、《Force of Negation》がめちゃくちゃ高いので普通の値段です。

・サバイバル
《Bazaar of Baghdad》を使用しますが本当は《適者生存》が中心のデッキです。

《適者生存/Survival of the Fittest》1緑
エンチャント
緑,手札のクリーチャーを1枚捨てる:デッキから好きなクリーチャーを1枚手札に加える。

《復讐蔦》を墓地に落として《日を浴びるルートワラ》《虚ろな者》のクリーチャーで《復讐蔦》が帰ってくる条件を満たして、《復讐蔦》もとい他のクリーチャー達でビートダウンするデッキです。
墓地を利用しますが、めちゃくちゃ墓地に依存しているというわけではないので、ドレッジと違ってそこまで墓地対策が効くわけではありません

動きの一例として、
①《適者生存》からクリーチャーを捨てて《復讐蔦》をサーチ
②《復讐蔦》を捨てて《日を浴びるルートワラ》をサーチ
③《日を浴びるルートワラ》を捨てて《虚ろな者》をサーチ
④マッドネスで《日を浴びるルートワラ》を唱える
⑤手札が3枚捨てられたので《虚ろな者》を0マナで唱える
⑥さらに墓地の《復讐蔦》誘発して出てくる

この動きは《適者生存》さえあれば、緑マナ3つと手札のクリーチャー1枚さえあれば可能なので、さらに緑マナがあればもっと強力な動きができますし、緑マナが2つしか無ければ2ターンに渡って《復讐蔦》を墓地に落とすターンと、《復讐蔦》を墓地から戻すターンに分けて動くといったことも可能です。
《Bazaar of Baghdad》でも同様の動きが可能ですが、こっちは《復讐蔦》《日を浴びるルートワラ》等を普通に引かないといけないのであくまでも補助として入っているだけです。また、緑を中心とした4色で構成されているものや、5色のもの、青緑を中心にして《Force of Will》まで採用したもの等の様々なタイプがあるので、カスタマイズ性は高いです。
また、《適者生存》から好きなクリーチャーを持ってこられるので、サイド後は《適者生存》さえ通ればサイドinしたクリーチャーを好きにサーチするといった動きもできます。
パワー9+《Bazaar of Baghdad》を使用するので紙だとヴィンテージ界で一番高いデッキという噂があります。

『《Mishra’s Workshop》を使用するデッキ』

《Mishra's Workshop》
土地
T:無色マナを3つ生み出す。このマナはアーティファクト呪文を唱えるためにしか使用できない。

・MUD
メインデッキ内の土地以外のカードは全てアーティファクトという《Mishra’s Workshop》を存分に活かす大胆な構築になっています。
《Mishra’s Workshop》から大量のマナが出るのをいいことに《抵抗の宝球》《アメジストのとげ》《三なる宝球》といったマナ拘束系のアーティファクト+《不毛の大地》《露天鉱床》で相手の行動を制限しつつ、その間に自分は平然と2〜3マナのアーティファクトクリーチャーを展開してビートダウンしていくといったのが主な動きです。
アーティファクトしかないなら《無のロッド》がめちゃくちゃ効くじゃんと思われるかもしれませんが、意外と起動型能力を使わないアーティファクトクリーチャーも多いのであんまり効きません。
重いアーティファクトを使用するというよりは、軽量アーティファクトクリーチャーをいっぱい並べるといった戦い方をするデッキですが、採用されているアーティファクトクリーチャーは《歩行バリスタ》《石とぐろの海蛇》等のXマナクリーチャーも多いので、マナフラッドもある程度なら受けられます。
ただ、デッキの構造上サイドボードのカードにはあまり恵まれていないので、エンチャントやアーティファクトを除去するのがめちゃくちゃ苦手です。それと、アドバンテージを稼ぐカードも制限カードである《神秘の炉》くらいしかないので長期戦も苦手です。ただ、《Mishra’s Workshop》のおかげで速度はあるので、序盤に押し切ることは十分に可能です。
また、サイド後はありとあらゆるデッキから親の仇かのようにアーティファクト破壊を投入されるので、とにかく長期戦にせずに序盤に押し切ることが重要なデッキです。
モダン、レガシーの親和が好きな方向けのデッキです。

・ゴロススタックス
これもデッキ内の土地以外のカードがほぼ全てアーティファクトで構成されていますが、先程のMUDとは違ってこちらは速度ではなく妨害に特化しています。《アメジストのとげ》《抵抗の宝球》《三なる宝球》に加えて、《煙突》《無のロッド》《罠の橋》まで採用されており、とにかく相手の速度を落とすことに特化しています。
そうして相手の速度を落としている間に《不屈の巡礼者、ゴロス》から《Karakas》を持ってきて能力を使い回したり、《発明博覧会》を持ってくることで好きなアーティファクトをサーチしたり、《埋没した廃墟》で墓地に落ちたアーティファクトを再利用したりといった動きをします。かなり土地に依存した動きですが、その分《不屈の巡礼者、ゴロス》《世界のるつぼ》を非常に強く使えるため、複数枚採用されています。
先程のMUDとは真逆で、アドバンテージを確保するのが得意ですが、速度はないので自分の速度に付き合ってもらうためにマナ拘束系アーティファクトを使用しているといった感じです。
また、MUDはクリーチャーを横並びに展開するのでプレインズウォーカーに対してある程度耐性がありましたが、こちらはクリーチャーが《不屈の巡礼者、ゴロス》と制限カードである《磁石のゴーレム》くらいしか入っていないので、プレインズウォーカーを《魔術遠眼鏡》で対処しなければならなく少し苦しくなっています。中でも《王冠泥棒、オーコ》は折角置いた《世界のるつぼ》《煙突》等を鹿に変えていくのでプレインズウォーカーの中でもかなり厳しい部類に入ります。
とはいえ、《不屈の巡礼者、ゴロス》は鹿になっても伝説性は失われないので《Karakas》で手札に戻すことが可能ですから《不屈の巡礼者、ゴロス》さえ居ればなんとかなります。
モダンのトロン、レガシーの土地単とかが好きな方向けのデッキです。

『ストーム系のコンボデッキ』

・逆説ストーム

《逆転的な結果/Paradoxical Outcome》3青
インスタント
土地でもトークンでもない自分のパーマネントを好きなだけ対象にし、それらを全て手札に戻して、戻した枚数分ドローする。

《逆説的な結果》で《Mox》等の軽量マナアーティファクトを手札に戻し、大量にカードをドローしつつマナとストームを稼ぐ実にヴィンテージらしいデッキです。逆説ストームというデッキ名でありながら、最近は《苦悶の触手》も《精神の願望》も入っておらず、フィニッシャーは制限カードである《僧院の導師》1枚だけの場合が多いです。
《Mox》全種類を始めとした計15枚近くのアーティファクトが投入されており、《逆説的な結果》で3ドロー以上を狙い、それによりさらなる《逆説的な結果》等のドロー呪文を駆使して圧倒的なアドバンテージ差を付けて戦います。
マナアーティファクトを大量に投入していることにより、《逆説的な結果》でのドロー枚数が増えるだけでなく、速度もかなり速いので2〜3ターン目にはもう圧倒的なアドバンテージ差を付けている場合も多いです。
基本的には青を中心に、《悪魔の教示者》《ヨーグモスの意思》のための黒、《紅蓮破》のための赤、そして《僧院の導師》のために白をタッチしていたりします。たまに《時を解す者、テフェリー》や《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》を採用しているものもあります。
また、このデッキは《修繕》から《ボーラスの城塞》を着地させるとほぼそのターン中に決着が付くので、《ボーラスの城塞》がゴール地点とも言えます。さらに、仮に《ボーラスの城塞》を引いてしまったとしても豊富なマナアーティファクトにより素キャストが可能なのでさほど苦にはなりません。
ただ、アーティファクトとドローにかなり依存している上、除去も《撤廃》くらいしか入っていないので《無のロッド》《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》《溜め込み屋のアウフ》《トレストの使者、レオヴォルド》《覆いを裂く者、ナーセット》等の置物に対しては弱いです。
それでも速度があるので対策カードを置かれる前に《逆説的な結果》で大量にカードをドローして《Force of Will》で対策カードを打ち消すといった強引な戦術も可能です。

・TPS
青黒で構成されるストームデッキです。これはちゃんと《苦悶の触手》で勝つデッキです。ちなみにデッキ名はThe Perfect Stormの頭文字をとってるらしいです。
逆説ストームと違って、大量にドローするのではなく《悪魔の教示者》《闇の誓願》で必要なカードをサーチするといった構成になっています。
基本的には《暗黒の儀式》《陰謀団の儀式》でマナ加速をし、《悪魔の教示者》《闇の誓願》で《ネクロポーテンス》をサーチしてそれを設置して大量のアドバンテージを確保した後、次のターンに《苦悶の触手》でゲームを決するのが主なパターンです。
このデッキも《修繕》と《ボーラスの城塞》を採用しており、逆説ストーム同様に《ボーラスの城塞》を引いてしまっても《暗黒の儀式》《陰謀団の儀式》から素キャストすることが可能です。
また、この手のコンボデッキにありがちな『一度コンボを止めてしまえば、またコンボパーツを集めるところからスタート』という問題も、コンボが打ち消された次のターンからは《ヨーグモスの意思》1枚でコンボスタートできるようになるので、実質的に《悪魔の教示者》《闇の誓願》《吸血の教示者》等のカードを引くだけで勝てるようになるため、さほど苦にはなりません。《Timetwister》でリセットなんてパターンもあります。
ただ、《苦悶の触手》以外に勝利手段がない(もしかしたら《僧院の導師》も入ってるかも。)ので《夏の帳》にめちゃくちゃ弱いです。逆に一番止めないといけないカードは黒いカードばかりなので《紅蓮破》はさほど効きません
コンボに特化しているのでサブプランとかはありません(一応《修繕》から《荒廃鋼の巨像》を出すっていうのはありますが、《修繕》が通るならそれで勝ってる気がします)が、その分逆説ストームと違って動き出したターン中に相手を殺せるのでさらに速度が上がっています。
ちなみに逆説ストームと違って《Force of Will》は入っておらず、相手の《Force of Will》は《強迫》や《防御の光網》で対策してます。
レガシーのANTとかが好きな方向けのデッキです。

『その他の青いデッキ』

・ジェスカイアルカニスト

《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》1赤
クリーチャー
トランプル
これが攻撃する度に、自分の墓地にある点数で見たマナコストがこれのパワー以下のインスタントかソーサリー1枚を、マナコストを支払わずに唱えてもよい。唱えた場合、それは墓地へは行かず追放される。
1/3

《戦慄衆の秘儀術師》で墓地の《定業》《思案》《渦まく知識》《Ancestral Recall》《稲妻》《紅蓮破》《剣を鋤に》等を再利用してアドバンテージを稼ぐコントロールデッキです。
ありとあらゆるデッキに対して幅広く戦えるようになっていますが、メインボードでドレッジに勝つ手段が先攻で《Black Lutus》+《僧院の導師》+《Mox》《Time Walk》+ドロー呪文複数枚 というかなり厳しい手段以外に皆無なのでドレッジに対しては不利です。その代わり、逆説ストームに対しては《紅蓮破》を始めとしたカウンターや《アゾリウス造反者、ラヴィニア》が効くので有利です。
《不毛の大地》はあまり採用されておらず、代わりに《神秘の聖域》が採用されています。《噴出》+《神秘の聖域》の2枚コンボは非常に強力で、毎ターンアドバンテージを稼ぐことが可能です。
あくまでもコントロールデッキなので、相手を素早く殺すのには向いていません。
それを助長するかのように《戦慄衆の秘儀術師》のパワーも1ですし。
サイドボードに関しては一つだけ問題があり、それは自分も墓地を利用するので《墓掘りの檻》が使いづらいといった点です。
ただ、それを踏まえてでも《墓掘りの檻》を採用するくらいにはドレッジに苦労しているみたいです。
モダンの青白コントロール、レガシーのミラクルとかが好きな方向けのデッキです。

・BUG(墓荒らし)
《死儀礼のシャーマン》を筆頭に、《タルモゴイフ》《トレストの使者、レオヴォルド》等のクリーチャーでビートダウンしつつ、《暗殺者の戦利品》《Force of Will》で妨害もできるミッドレンジに近いコントロールデッキです。
ジェスカイアルカニストと比べるとアドバンテージを稼ぐのはあんまり得意ではありませんが、そちらよりも比較的カードパワーの高いカードで構成されているので、量よりも質で戦うデッキです。
ただ、《紅蓮破》が使えないのでカウンターはあんまり得意ではありません。とはいえ相手の行動を止めるのが苦手なだけで、こちらの行動を通すのは《夏の帳》があるのでさほど苦手ではありません。
また、《暗殺者の戦利品》によって幅広く除去ができるのでクリーチャーでもプレインズウォーカーでもエンチャントでもアーティファクトでも土地でも対処できるのは強みです。基本土地を持って来られるデメリットもヴィンテージでは殆ど気にならないですが、《突然の衰微》と違って普通に打ち消される可能性はあるので、どちらを使用するかは好みです。
《暗殺者の戦利品》《トレストの使者、レオヴォルド》《王冠泥棒、オーコ》等、非常にカードパワーは高いですが、その代償にマナシンボルがめちゃくちゃ濃い上に《不毛の大地》まで採用しているので色事故には注意が必要です。たまーに赤をタッチして《レンと六番》《紅蓮破》まで採用している欲張りデッキも存在します。
《不毛の大地》で相手のマナを縛りながらも、自分は《死儀礼のシャーマン》でマナを出すといった過去のレガシーでよく見られた動きもできるので、当時のBUGが好きだった方向けのデッキです。

・オース

《ドルイドの誓い/Oath of Druids》1緑
エンチャント
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは自分の対戦相手であるとともに、自分よりも多くのクリーチャーをコントロールしているプレイヤーを対象として選ぶ。前者のプレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを、クリーチャー・カードが公開されるまで公開してもよい。前者のプレイヤーがそうしたなら、そのプレイヤーはそのカードを戦場に出し、これにより公開された他のすべてのカードを自分の墓地に置く。

《ドルイドの誓い》からフィニッシャーを叩きつけるコンボデッキです。相手がクリーチャーを使用しないデッキであれば《禁忌の果樹園》でトークンを押しつけて無理矢理条件を満たします
コンボデッキでありながら、コンボパーツが非常に少ない(《ドルイドの誓い》4枚、《禁忌の果樹園》4枚、フィニッシャー2枚程度)ため、逆説ストームに混ぜたり、別のコンボも搭載したり、コントロールに寄せたり等のカスタマイズが可能です。
中でも今主流となっているのは《王冠泥棒、オーコ》を採用してコントロールに寄せたタイプのティムールカラーのデッキです。ちなみにこの型は冬宮が考えて、冬宮が流行らせました
構造上、余計なクリーチャーを採用できないのでクロックが用意できず、除去も《紅蓮破》くらいしかないので青くないプレインズウォーカーを落とすのが苦手です。
ただ、カウンターもある上に《王冠泥棒、オーコ》が《Mox》を鹿にして殴りかかってくるので完全に無力というわけではないです。
特に《王冠泥棒、オーコ》は《ドルイドの誓い》と非常に相性が良く、《ドルイドの誓い》を対策する《墓掘りの檻》《封じ込める僧侶》の2枚を両方とも対処できるので、対策の対策としても優秀です。
ただ、前述の通り安定したクロックを簡単に用意できないので、自分よりも早い上にクリーチャーを全く使わないコンボデッキであるストーム系のデッキ全般が苦手です。また、《ドルイドの誓い》を除去できる《暗殺者の戦利品》を有するBUGも苦手です。
しかし、MUD等のクリーチャー主体のデッキ全般には有利で、メインボード最強と言われるドレッジに対してもそこそこの確率でメイン戦をとることができます。
緑のデッキなので一見《活性の力》を採用できるかのように思えますが、緑のカード自体は実は少ないので《活性の力》は入れても中々撃てません。
ドレッジ対策である《墓掘りの檻》《封じ込める僧侶》でついでのように対策されますが、ヴィンテージの世界には意外とエンチャントに触るカードが採用されないので、《活性の力》を唱えられるデッキくらいからしかエンチャント破壊は飛んできません。
フィニッシャーはわりと自由で、今は《グリセルブランド》と《パルン、ニヴ=ミゼット》が主流ですが、実は《甲鱗のワーム》でも本気を出したら戦えます。
レガシーで《実物提示教育》を使ってる方向けのデッキです。


以上が、ヴィンテージの主流なデッキ達です。他にもまだ色んなデッキがありますが、とりあえずこれらさえ知っておけばヴィンテージの環境に対して8割くらい理解できてます。他の細かいデッキに対しては習うより慣れろなので、是非紙やMOでヴィンテージを始めてみてください。
ちなみにMOだと、ヴィンテージのデッキの値段の大部分を占めるのは以下のカード達くらいなので、既にMOでレガシーをやっておられる方は簡単に始められると思います。
ちなみにtixというのはMO内の通貨のような物で、価値は1tix=1$です。
(どれも1枚あたりの値段かつ、これを書いてる時点での値段なのであくまでも参考程度でお願いします。)

《Force of Will》18tixくらい
《Force of Negation》65tixくらい
《活性の力》18tixくらい
《レンと六番》90tixくらい
《時を解す者、テフェリー》55tixくらい
《王冠泥棒、オーコ》17tixくらい
各種フェッチランド 平均10tixくらい
デュアルランド 6〜10tixくらい

おまけ
《Black Lotus》6tixくらい
それ以外のパワー9 2tix以下
《Bazaar of Baghdad》1tix以下
《Mishra’s Workshop》1tix以下

MOの始め方が分かんないって方はこれを参照してください。
最後になりますが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それと、是非冬宮のチャンネル登録をお願いします。
毎日ヴィンテージ(かパイオニア)の動画を投稿しているので、よろしければご覧ください。
それでは皆さん、おやすみなさい。
冬宮みはるでした。


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