プロのオーラを身に纏いたい


覚悟が足りねぇ!

プロのモノ書きに!アタイはなる!!

はて、そう豪語したものの実際に何か努力をしたのか。それなりの行動を起こしたのか。自分の胸に問いかけてみたが、残念ながら行動記録にも「昼前までぐっすり寝ていました」と書いてある始末だ。

それでも一応気力がある内に、「プロ ライター 1日」なんて検索をしたりもした。文章で食っていく人は、一体1日をどう過ごしているのかを知っておきたかったからだ。複数のサイトを参照した結果、大体6時には起きて0時に寝ているサイクルだと分かった。

アタイは1時に寝て10時過ぎに起きるサイクルだ。食っていくための最低限の仕事として、小売店舗の接客業をしているが勤務は大体昼過ぎから。つまり朝はゆっくりと寝ていられる。

そりゃあ堂々と「職業?モノ書きだね。それもプロの。」とか、ドヤ顔で公言出来るくらいに言い切ってみたいものである。あくまでも現時点でのライスワークは小売り業なのだ。ライフワークを本業にしたいのは言うまでもない。


決意するとラスボスが現れる法則

とても自慢できるものじゃないが、アタイはこれでも個人事業主だったりする。正式に税務署に開業届を、それも「職業:ライター」として提出している。去年の3月14日に開業届を出した。この日は一粒万倍日という縁起の良い日だったらしい。

その時の思い出を振り返るが、とりあえずビジネスをするのだからと格好をつけて早朝から丸の内の靴屋に向かっていた。ところが靴屋の開店時刻があまりにも遅かったので、早朝から開いている丸善という大型書店で時間を潰すことにしたのだ。

平日の午前中、しかも開店直後の書店に人はほとんどおらず、とりあえずこの書店に来たら上の階の医学書から1階の平積みまで全フロア、全書棚を巡るようにしているのは、いつものことだった。

ただ、いつもと違うのはカメラマンと記者が来ていることだった。店内に客がほとんどいないから、著名人の出版に併せて書店でPR関連の撮影をしている最中だったのだろう。誰なのかは分からなかったが、大物の風格がフロアの一角に君臨していた。

脇からその取材の一部始終を観察していたアタイ。どうやら伊集院静さんだったようで。靴を買った後に税務署で「ライター」として開業届を出しに行く自分としては、いきなり冒頭からラスボスに遭遇した気分になった。

大型書店で平積みとかしてみてぇなぁと今になっても思う。その一冊を手に取り、サインを書き込む著者。撮影のシャッターを切るカメラマン。こんなに気分の良いことがあるだろうか。

出来ることなら、インタビューに割り込んででも「これからライターになる者ですが、その出鼻をくじく辛辣なエールをお願いします!!!」とでも言いたかったが、幾ら変わり者の自分でもそこまでの勇気はなかった。


そして開業をして1年が経った現在。無事に確定申告もこなしたが、情けないことに自分から自分へと借金をしていることを証明したに過ぎない。つまり赤字だ。

今年の3月26日、日曜。ライターと言ったものの、相変わらずやっていることは1記事に2時間以上かけ、4000字近い文章を展開するスタイルのブログの更新だけだった。「このままブログを書くだけじゃ、日記をウェブに公開しているだけじゃないか何か一つ作品を生み出さないと・・・」と悩んでいたところに、気分転換も兼ねて日比谷に出かけてみた。

陰キャが日比谷に何の用があるんだって感じだが、江口寿史先生の個展がミッドタウンで開催されているのだ。『東京彼女』という作品展。


陰キャ、チー牛、非モテ、モテない男の三カ条を見事にホールドしているアタイ。それでも実は「男の娘みたいに可愛くなりたい」という願望があり、その思想の表れなのか『ストップひばりくん』という作品のファンだったりする。

今回の個展の訪問も、ただひばりくんの生原稿が見られるだろうという期待で来てみたものだった。どうせ障害者手帳でタダで入場出来るし、興味がなければさっさと会場を後にしてどこかでコーヒーでも飲んでから帰ろうと考えていた。


しかし会場に到着すると、まさかの江口寿史先生がいらっしゃる!!
グッズを購入し、抽選券で当選した者だけがサインを貰えるようだったが、ひばりくんの生みの親が、目の前でサインをしている!すげぇ!!

80年代の少年ジャンプで活躍していた漫画家、現在もポップなイラストを描いて人々の目を引く絵を描くレジェンド。生で見ちゃったよ!感動!

実は漫画家を生で見るのは初めての体験なのである。80年代からって、アタイが生まれる前から活躍していて、今も怠らずイラストを描き続けるバイタリティ。うーん、見習いたい。。。


とあるアルバムのジャケット。見たことあるでしょ??

体力があるからなのか、どうもプロの作家にしろ、著名人は皆エネルギッシュだと感じる。言うまでもなく魅力的だ。

じゃあ自分に足りないものは何なのか。技量か、体力か、熱量か、オーラか、人望だろうか。そういったものを総括した一言がちょっと思いつかないが、「一個人の発揮するポテンシャル」が近いのだと思う。

多分彼らは何をやらせても、大概のことはアタイよりも格段に上手くこなすに違いない。「僕にも苦手なことはあるよ」とか謙虚に言いつつ、絶対に自分よりも何でも卒なくこなす。そういうポテンシャルというか、自信が遠くからでも伝わってくる。

40歳までに結果が出せなかったら東京を離れようと思っていたが、そんな諦め思考は辞めた。やるからには即効で結果を出したい。いつまでもダラダラ寝ている場合じゃないのである。プロになるからには、不断の努力が欠かせない。自分が寝ている間にも、世界のどこかで誰かが何かを頑張っているのである。馬鹿みたいにスマホをいじっている最中にも、誰かが多くの人の心に刺さるメッセージを発信している。

自分がインスタのキレイな画像に心を惹かれている最中にも、天才達は本を読んだり自身の能力の向上に努めているはずだ。

受動的なままじゃ人生の状況は変わらないのだ。能動的に、極力メッセージを受け取るのではなく、発信する側に立つのだ。それが10回やっても無反応だったとしたら、ひたすら誰かの心に刺さるまで発信を続けるべきだ。

今は誰から見ても「読む価値のない記事」でも、プロ相応の実力が無くても読み手が一人でもいる限り、書き続ける。最低でも、そういう情報生産者でありたい。

じゃ、今回はこの辺で。
前回の予告では、作品の方向性を決めようという話だったが、それはまた今度にしよう。


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