見出し画像

【パッケージの話007:牛乳パック】

今日は紙箱といっても番外編、牛乳パックの話をします。

おなじみの三角屋根の牛乳パックは包装容器としては「ゲーブルトップ」と呼びます。飲料に直接触れるのでバージンパルプのみを使用、容器としてはすごく高級な素材です。

ゲーブル-02

飲料そのものを紙で包む訳なので、かなりの強度が必要。北米や北欧などの針葉樹で作られた紙で作られてます。針葉樹の紙は繊維が長くて丈夫なんですよね。パッケージに使う紙だと、インバーコートが針葉樹の紙として有名です。反対に、広葉樹が多く配合された紙は繊維は短いので柔らかさが出ます。

話を牛乳パックに戻すと、展開図を見てわかるようにほぼ捨てるとこ無いですよね。だから隠れたところに使ってる色が印刷されてます。トムソンで抜く箱だと、トムソンの外側に印刷されてて捨てられる部分。CMYK+どの色が特色で表現されているかがわかります。

画像2


2017年にこの牛乳パックに革命的な事が!トップシェアの「明治おいしい牛乳」がゲーブルトップをやめてキャップ付きになったのです。スーパーやコンビニ、あらゆるところに入っていて、十分売れているこの商品をなぜわざわざ変えるのか?当時は頭をひねりました。
佐藤卓さんデザインなのはあまりにも有名な話。

画像3

最近北欧やEUでキャップ付き牛乳パックが増えてる感じがあったので、その流れなのかな?と思って調べたら、新パッケージはテトラパック社の特許でした。三角屋根のゲーブルトップはもう特許切れでいろんな会社が作っています。この容器にしたことで「明治おいしい牛乳」はテトラパック1社が担うことになったんですね。いやー、すごいです。

画像4

牛乳パックの畳み方も少し違いますね。リニューアル時に話題になりましたが、容量も1Lから900mlになっています。


そんな時、旅先でインパクトある牛乳のパッケージを見つけました。

画像5

中段にあるのがエコリーンのスタンドパウチ、これ牛乳なんです。持ち手が空気入ってて、中身が減ったらフィルムがくっつき空気が入らず新鮮に保てる。捨てるのも超簡単!しかも素材が少量のプラと天然の炭酸カルシウムなので環境負荷も少ない。

このパウチ、パッケージ自体が軽いことも利点。包材自体の重量は何百個とトラック輸送する時に全然変わってきます。ということは環境負荷も違ってくるということ。
パッケージをやってるとこの輸送がネックになることが意外と多く、輸送で折れる、壊れる、傷つく、で形状や素材がNGになるケースもしばしば。中身は全く無事なのに、パッケージにダメージ受けると売れなくなるんですね。

エコリーンはテトラパックと同じスウェーデンの包材メーカー。このスタンドパウチは日本では乳等省令的に不可で、牛乳にはまだ使えないようですが、同じような空気の持ち手のものは凸版印刷から「エアホールドパウチ」として出ています。お酒やトイレタリーのリフィルで見かけた人もいるかも。

この3〜40年で、世の中のいろいろなものが変わっていることを考えると、牛乳パックの変革は遅すぎたのかもしれませんね。それだけ三角屋根の牛乳パックがあらゆる意味で優秀なプロダクトということなのでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?