恥ずかしい本を読んだ(読めなかった)

己の内面をだらだらと
読む人のことを考えずに書いたんじゃないかって思うような
そんな本を読んだ
正確には最後まで読めなかった
どんなにそれまでがつまらなくても最後まで読まなくては
最後の最後の一行に今までの時間を全て掻っ攫うような
一文があるかもしれない
だから最後まで読む、をモットーにしていたけど
今回は難しかった
それだけ意地がなくなって諦めてしまうようなオトナになったのか
わからないけど
もうこれ以上は言葉が頭に入ってこなかった
というより1ページ前の文章すらも思い出せないくらい
ただ字をつらつらと眺めているだけになっていた

ってこんな感じの文章がつらつら書いてある本だったわけ
で、今私が書いているこの文章も私の内面をつらつら書いているだけなので
つまるところ、
自分の文章もこんな風に人に読まれているのかな、とも思って
ちょっとゲンナリしたけど
でもここは無料だから。許してもらおう。

それと反対にタイトルそれだけが素晴らしくてまだ読めていない本がある
反対に、でもないか。
「そうか、もう君はいないのか」城山三郎著
私はこのタイトルを見た時、大袈裟でもなく鳥肌がたった。
日本語を初めて美しいと思った
どんなに上手く翻訳してもこの情緒は日本語でしか伝えられない。
この美しいラブレターを超えるタイトルに私はまだ出会えていないし、
こんなに美しい愛情を私は知らない。
タイトルを見ているだけで涙が出そうになって
心が満たされてしまうから
いつまで経ってもページを捲ることができずに
この本は未読のままなのです。

ああ
私が本当に感動した日本語をこんなところで使ってしまうなんて。
私は卑しい。
けれど本当にこの素晴らしい13文字のラブレターは
どこを探しても見つからなくって
今の私が思う最高峰のラブレターです。


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