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河合塾の試験監督をしてみて、思ったこと。

今年、初めてフルタイムで高校教員をしている。土曜でも、模試監督のため、出勤する。給与に、休日出勤手当は加算されない。外部模試の監督は、業務に含まれないから。業務外なのに、断れない週末出勤。この業界が、ブラックと言われる所以である。

英語が苦手な土地柄、つまり地方に位置し、都会でない。朝一番、英語の試験が始まった。30分経つと、寝る生徒が出始める。あくびをする生徒も複数ある。寝不足なのだろうか、と初め思った。しかし、次の国語の試験では、そのような状態にならなかった。国語は、得意な生徒たちである。

共通テスト模試に、歯が立たない。問題を解くのを諦め、試験時間中に寝てしまう。この生徒たちは、なぜ模試を受験するのだろう。試験中に寝るなど、全く時間とお金の無駄である。外部模試には、受験料も支払っている。受験せずに、手に職でもつければ良いのに。

そう思って、手に職をつけたところで、就職につながらないと気づいた。3流でも4流でも、大学進学しか選択肢がない、現在の日本の教育制度。そして、少子化により大学全入時代となった今、低学力で学習意欲も学習習慣もない生徒でも、どこかの大学に入学できる。

一教員に、学校制度を変えたり、社会制度を変えたりする力は、ない。でも、自分は何が好きで、将来何をして暮らせば幸せになるのか、生徒が考える手助けをしたい。試験中、机に突っ伏して寝る、生徒の後頭部を眺めながら、そう思った。





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