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クリップ→お気に入り という名称に変更したら利用UUが+29%向上した話

こんにちは、サエキです。現在は音声配信プラットフォーム「Radiotalk」のPdMとして働いています。

先日、Radiotalk内の機能の名称を変更したのですが、利用UUが施策実施前と比べて+29%という良い結果を得たので書き記しておきます。

背景

元々、Radiotalkには「クリップ」という機能がありました。
気に入ったトークや番組をクリップすることで、いわば「お気に入りリスト」に入れて聴き返すことができます。

しかしこのように、まず「クリップ」がどういう機能なのかを説明する必要があるくらい、この名称はユーザーにとって「直感的」なワードではありませんでした。

しかも途中から、「番組」をクリップすると、「更新通知」が届くようになるという仕様になりました。それによって、同じ「クリップ」という名称にも関わらず、トークと番組で仕様が異なるというねじれまで生じてしまいました。

▼番組をクリップ、という導線がありながら、右上のクリップマークは「トークのクリップ」という状態に。これじゃユーザーはわからないですよね...

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満を辞して名称&アイコン変更

そうした分かりづらさやねじれがあったのにも関わらず、デザインの調整やユーザーへの影響の考慮などを理由に、なかなかこの名称を変更することができませんでした。

しかし先日、再生画面のUI変更を機に、こちらの名称をえいやっと以下に変更しました。

①番組のクリップ→フォロー
②トークのクリップ→お気に入り(アイコンは⭐︎に)
③クリップ一覧(①と②がまとめて入ってる場所) → ライブラリ

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上記の名称にした背景としては、

・番組をクリップする、という名称が一般的でなく、それをすると何が起こるのかがイメージしづらいため、直感的に行動しにくい
・トークのクリップが何のためにあるのか、また、UI的にもそもそもどうしたらクリップできるのか、ユーザーが理解しにくい

の2点を仮説として、

・その行動により「更新通知が届く」というイメージができる一般的な名称
保存してストックする、というニュアンスがイメージできる一般的な名称&アイコンの差別化ができる名称

を意識して名称決めを行いました。

ちなみに他の候補としては、
■番組
・定期購読 ←有料っぽいのでボツ
・ファン登録 ←通知が届く感が薄いのでボツ
・通知を受け取る ←長すぎてデザイナー泣かせなのでボツ

■トーク
・あとで聴く ←アイコンと用途のイメージが直結しにくい&用途を指定しすぎてるのでボツ
・ブックマーク ←ちょっとしっくりこなかったのでボツ

などがありました。

結果

お気に入りUU平均/d → +29%UP!
番組フォローUU平均/d → +14%UP!

やったことは「名称とアイコンの変更」のみですが、重要KPIに直結する重要な数値が大きく向上しました。

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まとめ

各機能の名称については、サービスの世界観や開発者のこだわりよりも「どれだけユーザーにとって直感的に意味がわかるか」ということを優先するべきであるということを実感しました。
(TwitterとInstagramとFacebookしか使ったことがないユーザーが特に問題なく使えるUIを意識しよう、というのをどこかで見た気がしますが、まさにそれだなと...)

また、コア機能の名称変更によってユーザーが混乱しないか、というところを心配していましたが、実際はそのような影響は全くなく、むしろ「わかりやすくなった!」という声もいただきました。

「サービスの世界観」を形成することも重要ですが、機能や仕組みなどにも侵食し過ぎてしまうと、ユーザーにとって逆にわかりにくくなるというデメリットもあります。
世界観の形成と標準化、両方のバランスをうまくとることを意識していきたいですね。

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