もったいないお化け
チョコレートは甘く少し苦い。時には少し溶けて心を揺さぶってくれる存在にもなる。
そんな不思議な存在をやりとりするのが本日バレンタインデーだ。毎年恒例のイベントだが30年ほど生きてきて身内以外の異性からもらったのはほんのわずかしかない。
ところで自分は幼少からどうにもチョコレートに限っては強烈なもったない病を発症する。
一般的な話としてバレンタインデーにもらったチョコレートをこの日のうちにすべて食べきるというのはなかなかしないものだ。そしもらった嬉しさから少しは食べるものの残りは冷蔵庫にしまい、数日中のうちに消費するというのが常であろうと思う。
この一般的には数日と思われる食べきるまでの時間であるが、自分はとにかく長い。どのぐらいかというと一週間、二週間、さらに何年か前にはホワイトデーが過ぎたにもかかわらずまだ自分のチョコレートが冷蔵庫に残っていたなんていうこともあった。
年のために補足しておくとチョコレートが嫌いというわけではない。なんというか食べるタイミングを失ってしまうのだ。
おやつとして食べるにも少しもったいない気がしてなんとなく残っていくチョコレート。家族から「まだ残っているの?」というツッコミが入るのも恒例行事だ。
普段は普通のチョコレートでもこの日にもらったものに関してはずっと宝物のように残り続ける。
少しもったいない気がして。今年も何日残るのだろう。
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