20200807続きではないけど夢日記を書く人の日記

結構前にみた夢で、内容が恐ろしかった為、はっきりと覚えています。
何気にホラーっぽいので読む方はお気を付けてください^^;

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ある日、唐突に温泉に行きたくなった。
何か番組を見たとかそういうことでもなく、正に、「唐突に」なのだ。

雑誌をぺらぺらめくっていると「秘湯」の文字が目に留まった。
見付けてしまったのだから、行かざるを得ないってことで、その温泉まで独りで向かった。

雑誌に付いていた地図を頼りに漸く目的地へと着く。
もう日も傾き始める時間帯だった。

受付に行くと歳の頃は4~50位の綺麗な女将さんに話しかけられた。
『当温泉では幾種類もの温泉を楽しんでいただけます。が、ルールがありますのでご説明致します。』
女将さんはさも当たり前の様に温泉のルールを説明してくれる。まるで俺が初めての客だと判っているかのように。
『当温泉は一度のご来店で全種類の温泉をお楽しみいただける方は極少数です。何度も通い、漸く全ての種類を楽しむことが出来ます。』
俺はフムフムと聞きながらも、別に1回でも全種類位回れるだろうに、と思っていた。
『当温泉を利用していただくために、まずはサイコロを振っていただきます。その出た目だけ進み、その温泉を楽しんでいただくルールとなっております。』
はい?サイコロ?出た目?と戸惑っていると・・・
『簡単に言えば双六ですね。子供の頃に遊んだことがあるでしょう?』
そう言われ、ああ成程と理解出来た。つまり、双六のマスが温泉になっているのだと。つまりはそういう事だろう。

女将さんはテキパキと説明を続ける。
要約すると「双六と同じで出た目のマスに移動し、その指示通りにする」と言う事だ。
成程、確かに双六ならば、1回で全種類を楽しめる人はまず居ないだろう。女将さんの一言に漸く納得した。

『当温泉は混浴になる場合もございますが、構いませんか?』
男性で混浴を断る人はまず居ないだろうに、と思いながらも「構いませんよ」と答えた。
『本当に宜しいですか?本当に大丈夫ですか?』
と、先程までのにこやかな微笑みが消え去った真面目な・・・いや、寧ろ怖さを覚えるような表情で尋ねてくる。
「大丈夫ですよ。混浴になったからと言って、いかがわしいことなどしませんよ」
と、笑いを取ろうと答えたのだが、大いにスベったらしく、
『そのような意味ではございません!』
と、若干ではあるが語気を強めて窘められた。
「申し訳ない。変な事を口走って・・・でも、大丈夫ですよ。」
『畏まりました。ではこちらへ・・・』
と、スタート位置に案内されていた。

「女将さん、俺、まだ服を着たままなのですれど・・・脱衣所は?」
『当温泉に脱衣所はありません。全ては賽の目次第でございます。』
「え?ということは、最悪着たまま入浴もある・・・と?」
『左様でございます。とは申しましても最初の方のマスは脱衣を促す指示が多ございますので、服を着たまま入浴となることは稀でございます。』
「参ったな。財布や携帯を預かっていただきたいが、出来ますかね?」
『当温泉ではお客様の持ち物の如何なる物であってもお預かりは致しておりません。』
「入浴する段階で服やズボンが濡れても構わないけど財布と携帯はマズいな。まあ、風呂に入る前に横にでも置けば良いだろう」と、安直な考えが頭に浮かぶ。
『宜しいでしょうか?今ならばまだ取り消しできますが?』
「大丈夫ですよっと。ハイハイ。で、サイコロは何処に?」
『どうぞ。』
と、手渡しされたサイコロは、一辺が1cmほどの大きさだろうか。結構小さいサイコロ使うんだな、と思い、サイコロを振ろうとした瞬間、手が止まる。

パッと見たときには気付かなかったのだが、普通のサイコロとは違うようだ。
振る前にしっかりとサイコロを見てギョッとした・・・

1の次は10、11、12、13、14、の目なのだ。
双六盤を見た感じ、最初の温泉は10の位置だ。明らかに服を着たままの入浴になる確率の方が高い!
「女将さん、これじゃ普通に服を着たままになるんですけど・・・本当にこのサイコロを使うのですか?」
『左様でございます。上手く1を出し続ければ良いだけでございますでしょう?』
と、まるで女子高校生の様にケラケラと笑いながら言ってくる。
「いやいや、おかしいでしょう。これなら入らなくても良いです。帰らせて下さい。」
と、結構怒りながらまくしたてたのだが・・・
『先程、取り消し出来ますと申した時にお客様は取り消しをなさらなかった。ですので、当温泉のルールに従い、続けていただきます。さあ!サイコロを振って下さい!!』
フザケンナ!とは思ったのだが、まあ濡れて帰るのもまた一興かとサイコロを振った。財布や携帯は脇に置いておけば濡れる事もないだろうと安易な考えもあったのは事実だ。

結局、出た目は【1】であった。ホッとした表情でマスを1つ進む。
そこに書いてあった指示は・・・【次のサイコロの目が1の場合混浴コースに進む。それ以外はこのまま出た目を進む】と書いてあった。
え?脱衣の指示ではないのか・・・と落胆しながらもサイコロを振る。
【1】であった。

『お客様。混浴コースにお進みください。そこでは別の者が案内を致しますので、私とはココでお別れとなります。それでは、本日も当温泉をご利用いただき、誠にありがとうございました。またのご利用が出来ました折には宜しくお願い致します。』
と、女将さんが言い終わるやいなや、周りの景色を認識できない程の薄暗い場所へと移動した。
いやいや、混浴だぜ?また来るに決まってるだろ、と思いながら居ると、なんとも陰気臭い婆さんが近寄ってきた。
〈若いの。ココで衣服は全部脱いで下され。そして、ほれ、これがサイコロじゃて。〉
そう言ってサイコロを俺に渡すと・・・
〈クックックッ・・・〉
と薄気味悪い笑い声を残して、何処かへと消えていった。
「変な婆さんだ。まあ、ココで全部脱げと言われたからには濡れネズミで帰る事は無さそうで安心だな。」
と思いながらサイコロを見る。

・・・!!
なんだこれ?全部【1】じゃねーか。振る意味あんのかねぇ・・・とは思ったがまあ双六だし振るか、とサイコロを振った。
案の定【1】が出る。
1つ進み、指示を読む。
〈川向こうの温泉に6時間浸かる〉
は?6時間?有り得ないだろ!!とマスを戻ろうとするが、何かのチカラに遮られ、戻ることは出来ない。
何をどう足掻いても戻ることが出来ない。暫く抗っていたら先程の婆さんがやってきた。
〈何をしとるんじゃ!!後ろがつかえてるんだ!!さっさとしなっ!!〉
と、怒鳴り散らしてくる。確かに俺の後ろにはいつの間にやら大勢の列が出来ていた。
諦めて川向こうの温泉へと向かう。
湯気がもうもうと立ち込める中、かなり広い温泉で人数も結構入っている。
若い女性も居れば年老いた男性も居る。確かに混浴だ。
ニヤケ顔を整え、さりげなく若い女性の隣に入る・・・

あ・・・あっ・・・熱っ!!!!!
なんだこの温度は!熱湯風呂か?CMなんて何も用意してねーぞ!!とか訳の分からない事を考えながら飛び出した。
その瞬間、脇にいつのまにか居た、小汚い小男に押し戻される。
飛び出る、押し戻される、飛び出る、押し戻される・・・
何回繰り返したのだろうか。皮膚はただれ、熱さと言うよりも痛みに変わっていた。
その痛みの所為で気絶する事も許されず、しまいには小男に上から押さえつけられで浸かりっぱなしとなる。
そんな状態でも周りを観察する事が何故だか知らないが出来たのだ・・・
みんな、小汚い小男に押さえつけられている。声にならない声を出し、みんな諦めた表情でそこに居る。
俺は6時間も我慢できないと思いながらも、次はどんな温泉が待っているのかと次のマスを目を凝らして見てみた・・・

その看板には、こう書かれていたように見えた。

「血の池地獄」

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この夢を見たときは、自分の叫び声(寝言)で起きました^^;
その時、心底思いましたね。

夢で良かった・・・

と。

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