20200805夢の続きが見れた人の日記

暗闇の中を、ただただ漂っている。
手足をばたつかせ、なんとかならない物かと思案に暮れたが、
どう足掻いてもゆっくりとした流れに抗う事は出来なかった。
大声で叫んではみるものの、当たり前なのだが誰からの返答も無い。

「黒っぽい何か」に吸い込まれてからどのくらい時間が経過したのか。
自分の中では途方もない程の時間が経っているように感じられた。
もうジタバタするのも声を出すのも、「とうの昔に諦めていた」、と感じるほどの時間は経過していたはずだ。

多少落ち着きを取り戻して自分に今何が起きているのかを考える。
いつもの通りに車を駐車しようとして、その時に見かけた「黒っぽい何か」に吸い込まれ、何も無い暗闇を漂い、現在に至る。
うん。見事なほどに単純明快だ。たった2行で言い終えてしまえる。

暗闇を今更ながらに見渡してみる。
見事なまでに真っ暗な何も見えない空間だ。空間・・・という表現が正しいのかは判らないが。
どんなに目を凝らしてみようとも、何も見え・・・誰かいる!!
「誰か」なのか「何か」なのかは判別出来ないが、さっきまではただの真っ暗闇だったはずなのに、
今は薄暗い空間へと変貌していた。その変化は突然だった。

もっとよく観察しようと目を凝らせるだけ凝らして周りを見てみる。

・・・!!

大勢の人が、同じように流されている!!
皆、同じ方向へと流されている!!
先程までの俺の様に手足をバタつかせている人も居れば、
ただただ流されているだけの人も居る。
だが、誰の声も聞こえなかった。
耳鳴りだけが激しく、脳に「音」を伝えていた。

周りの人たちから俺は認識できているのだろうか?
試しに一番近いと思われる人へ向け、指で自分や相手を指差し、サインを送ってみる。
こちらを見ているのか、目が開いているのか、そんな事、何も判らないが、兎に角、サインを送ってみる。
だが、反応は何も返ってはこない。動き続ける俺の腕と指が、虚しく空を切るだけである。

どのくらいの間、無駄なサインを送っていたのだろうか。
俺は伝わらないサインを諦め、ただ流れに身を任せていた。

気が付くと空間は更に明るさを得て、そうだな・・・夜明け前の薄暗さまでに明るくなっていた。
改めて周りを見渡すが、ざっと見積もって30人程度だろうか。皆、同じ方向へと漂い流されている。
もはや誰も足掻いているものは居ない。
そもそも、他の人たちは自分以外に人が居る事を認識できているのだろうか?
それを確かめるべく、無駄にサインを送っていたが、同じような動きをしている人は居ない。
つまり、俺以外の人たちは他にも人が居る事を認識できていない、と俺の脳は判断した。
そして、俺も何をすることも無く、小川に落ちた木の葉の様に、逆らうことなく流れに身を任せていた。

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と、ここでアラームで叩き起こされた。
先日の夢は確かにあの場面で終り、その続きを見た。
なんともまあ不思議な夢だ・・・

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