20200617カレーが大好きな人の日記

富山市在住、もしくは富山大学に通っていた人ならば知らない人はいないであろう、かれえてい。
この店に初めて出会ったのは、10歳の頃の話だ。
その頃には既に名物店になっていたので、お店はもっと前から存在していたのであろう。
子供の頃から良く行くお店なので、おじさん・おばさんとも顔なじみだ。
すごーく暇な時間帯に行くと、こっそりと目玉焼きのトッピングをサービスしてくれたりと、
外見は頑固親父っぽい無口な方なのだが、笑顔がとても可愛い素敵なおじさんなのだ。
もう随分と前になるのだが、店内には俺とおじさんだけだった時があり、
おじさんは突然と話し出し、自分の修業時代の事などを俺に聞かせてくれてた。
だが、他のお客さんが来てからは、いつものように無口なおじさんになってしまい、
肝心な部分を聞けないままになっていた。

時は過ぎ去り、3年程前だっただろうか。
おじさんは「もうそろそろ店を息子に任せようと思う」と言ってきた。
息子さんとはなんだかんだと顔なじみだったので、寂しい気持ちが大きかったが、おじさんもおばさんも、そろそろ悠々自適に過ごしてもいいんじゃなかな?っても思っていた。

そうこうしているうちに、忙しい時間帯にだけおじさんとおばさんが手伝いに来るっていう状態になっていた。
俺は以前おじさんが話してくれた続きが聞きたくてたまらなくなっていたのだが、
人気店であるため、なかなか客が俺一人って状態にはならなかった。
前回の時に、他の客が来てから話をしてくれなくなったことから、
誰にでも聞かせたい話でもないのだろうと俺は思っていたので、
なるべく人の少ないだろと思われる時間帯に行くようにしていた。

だが、結局は話の続きを聞くことは無く、おじさんとおばさんは、完全に引退してしまった。

今から数年前、金沢カレーが一時期ブームになったことがある。
北陸や首都圏にお住いの方ならばご存じだろうが、
その火付け役となったのは、ゴーゴーカレーだ。
金沢カレーの特徴は、濃厚なルーとフォークで食べる点やキャベツが添えられている点だ。
だが、そのブームよりも何十年も前に、金沢カレーの原型は既に存在していたのである。

その名は、インデアンカレーだ。

残念ながら、現在インデアンカレーと言う名で出ている店とは全く以て違うのだ。

ここからは俺の勝手な憶測なので間違っているかもしれない。

俺の記憶にあるインデアンカレーは、かれえていのカレーと同じなのだ。
濃厚なルーで先割れスプーンで食べる、かれえていのカレーと同じなのだ。
金沢カレーと呼ばれるカレーに、どのような定義があるのか知らないが、
カレーのチャンピオンやゴーゴーカレーが台頭してくるよりもはるか昔に、
富山にはインデアンカレーと言う名で存在していたのだ。
勘違いしてほしくないのだが、俺は金沢カレーと呼ばれるカレーも大好物だ。
特に、ゴーゴーカレーは毎日でも良い位好きだ。

話を戻そう。

かれえていのカレーは、とても美味しいのだ。
かれえていは、名前の通りカレーのお店だが、実はカレーよりも人気のメニューがある。
それは、バターライスと呼ばれる、バター風味の付いた焼き飯だ。
これがまた美味いのなんの。

まだおじさんが居た頃に、バターライスにカレーをかけてくださいと注文したことがある。
その時のおじさんは、いつものおじさんと違い、軽く「ふふ」って笑った。
俺に聞こえるか聞こえないかの小さな声でだが、確かに笑った。表情も心なしか緩んでいるように見えた。

出てきたバターライスカレーを食べて、おじさんの笑みが一瞬にして理解出来た。
滅茶苦茶美味いのだ。
きっとおじさんは「やっとこの組み合わせに気付いたか」と思ったのかもしれない。
以降、俺の注文は確定した。
野菜たまご・(ロース)カツ・チキン(カツ)・バター(ライス)・カレーだ。
20代の頃にバターライスとカレーのドッキングを思い立ってから、30年近く、ずっとこの組み合わせだ。

画像1

トッピングやカレーに隠れて見えないが、これが実物である。

今日の晩御飯はかれえていで食べた。
コロナの影響で暫くぶりに行ったのだが、相変わらず美味かった。

おじさん、おばさんは元気だろうか?
息子さんとも他に客がいなければ話すこともあるので、
機会があれば聞いてみよう。そして、おじさんと話をしたいのだけどって言ってみようと思う。

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