勝手にアニメキャラのセックスを想像してみた

第10回 青山ブルーマウンテン その10

姫川亜弓も負けじと北島マヤをにらみ返し
「私たちは、デビューからずっと「紅天女』を演じることを目標に、お互いに切磋琢磨してきました。最初は北島マヤをライバルと思っていましたけど、今では同じ目標を目指す『同志』だと思っていますわ。彼女の存在がなければ、今の私はありえないと思っていますの」
北島マヤも
「私はデビューしたときから、姫川亜弓を目標にがんばってきました。最初は高い壁だと思っていましたけど、徐々にお互いの距離感が縮まってきたような気がします」
と返答した。そして「今はお互いをどう思っていますか」という質問に、2人は口をそろえて「ライバルである親友である」と応じた。
次の質問は「ベッドシーンを演じるにあたり、何か周囲からいわれなかったか?」という趣旨のものだった。
「役者としてステップアップにつながる役柄だったら、どんどん引き受ければいいというのが周囲の反応でした。ただ……」
と、北島は答えた。だが少し間をおき
「天国の母はどう思っているでしょうね。まあ、生きていたとしても、娘がスクリーンでヌードになっただけでなく、過激なベッドシーンを演じたと知ったら、複雑な表情を抱いたと思いますよ」
と苦笑しながらいった。同じ質問に姫川は
「さすがに母は驚きましたわね。『あなた大丈夫なの? 後悔していない?』とうるさく言われましたわ。反対に父は『そうか、お前にもとうとうそんな話が舞い込むようになったか。もう20代半ばなのだから、お前の決断についてはお父さんは応援するよ」と、背中を押してくれました」と、晴れ晴れとした表情で返答した。
姫川亜弓の父は有名映画監督である姫川貢、母は世間から大女優と称される女優の姫川歌子だ。姫川歌子がドラマや映画でヌードはおろか、ベッドシーンも演じた話は聞かないから、母親が娘を心配するのはもっともだろう。
対照的に姫川貢は、女優を脱がせることに関しては天下一品だといわれる。こと「脱ぐ」とい言う概念では、娘は父の意見を継承しているようだ。
続いての質問は姫川に向けられたもので、今度の役柄はいわゆる「周囲の思惑に翻弄される女」だが、それについて抵抗はなかったのかというものだった。
これに対し彼女は
「みなさんは私のことを『お嬢様育ちの姫川亜弓が、なぜそのような役を』と思っているのでしょうが、私と北島マヤは、以前舞台で共演した際に、役作りのためにお互いの生活環境を交換しましょうと提案したのですよ。そのことをお忘れですか?」
と記者団をにらみつける。その迫力に、その場は一瞬凍り付いた雰囲気になった。
「役作りのためには、法律に違反しないことなら何でもやる。それが役者であり女優だとワタシは思いますけれど、みなさんはそう思わないのですか?」
彼女の問いかけに反応したメディア関係者は、誰もいなかった……情けない人たちだ、と私は嘆息したことを覚えている。
続いて2人によせられた質問は、ベッドシーンについてこれまでどう思っていたのか、実際にやってみてどう感じたのか、という趣旨の質問だった。
これについても、先に口を開いたのは姫川だった。
「まさかここにいるみなさん、私たちが男を知らないとでも思っているわけではないでしょうね?」
……その発言に、再び会場は水を打ったように静まり返った。
「私たち、もう26歳になるのですよ。演技に必要な人生経験も恋愛経験も積んでいます。だいたい女優というのは、恋をしてナンボでしょう? 脱ぐの脱がないのというやりとりは、聞くだけヤボというものですわ」と、いささか憤慨した面持ちを見せた。
北島も
「『過激なベッドシーン』といいますけど、ここにいるみなさんだっていつもやっていることでしょう? 人間ならば誰でも、これは避けて通れません。それは私たち女優も同じです。いつかはこういう役柄が巡ってくると、デビューした時からずっと思っていました。そしてこの作品で、私たちは生まれたままの姿を晒すことになったし、その価値がある作品に出会えた。それだけのことです」
と述べると、姫川も
「脱ぐことで芸術性が高まるのならば、私たちは喜んで脱ぎますわ」と応じた。
それならば、また脱ぐ映画のオファーがあれば応じるのかという質問には
「今まで演じたことがない役柄でしたら、喜んで応じますわ」と姫川が発言すると、北島も
「その価値がある作品でしたら、その覚悟はできています」と発言し、会見を締めくくったのだった。

それからおよそ二ヶ月後。
「理性と欲望」が封切られると、ネット上の映画感想を書くサイトには、映画を観た観衆の感想が殺到した。
「北島マヤ、『おこちゃま体型」だと思っていたけどとんでもねー! あんなスゴいカラダの持ち主だなんて!!」
「北島マヤが、あんな豊乳の持ち主だなんて!」
「北島マヤのおっぱいが震えるのをバッチリ見られるなんて!」
「北島マヤの本気の喘ぎ顔が見られる! 軌跡だ!!」
という書き込みが殺到した……オイお前ら、ちったぁ演技のことを書けや。
もちろん姫川亜弓についても
「亜弓お嬢様のカラダサイコー!!」
「亜弓様おっぱいプルルン」
「亜弓お嬢様、リアルでも騎乗位で腰を振っているのでしょうか?相手は誰でしょうか?」
「一度でいい!たった一度でいいから、亜弓お嬢様のおっぱいを揉みしだきたい」
……手前ら、わいせつ罪でネット警察に報告するぞ。
何より、2人がこれらの書き込みを読んだら、どう思うのだろうか?
有名税と割り切ってくればいいのだがと思いつつ、私はよっしーと連れ立って、件の映画を観るために映画館に足を運んだ。
すでに映画館では、2人の生まれたままの姿見たさに、長蛇の列となっていた。
だがそれ以上に驚いたのが、2人の演技と脱ぎっぷりだった。
姫川はともかく、テレビに出てくる北島は、長い黒髪がきれいだなというイメージ以外、なんの取り柄のない女優だと思っていた。
ファッションセンスも平凡で、色気もオーラも乏しいというのが、世間の評価だった。
体型についても前評判は極めて低く、映画祭でインタビューに出てくる姿についても、口さがないネット民は「ブラ補正」「脱いだらがっかりおっぱい」と好き勝手なことをいっていた。
ところが、この作品が公開されると、それまでの前評判はいい意味で裏切られた。
ストーリー展開と脚本も高く評価されたが、それ以上に評判がよかったのが、距離感を自在に使い分けたカメラワークと、監督の持つ色彩感の素晴らしさだった。
もちろん、主演2人の演技も高く評価された。
自分の野望を果たすためには、どんな手段を厭わない女性を演じた北島マヤは、映画公開前は「がっかり体型」と囁かれていた。
ところが観衆が映画館で目にした彼女の裸体は、肌はなめらかで透明感に溢れ、乳房も形がよく質量感を感じさせるものであった。
周囲に翻弄されながらも、自分の夢を叶えるために悪戦苦闘する女性を演じた姫川亜弓の肌は、まるで陶磁器のように白く澄み渡った雰囲気を醸し出すとともに、彼女の肌の柔らかさはスクリーンでも十分に堪能することができた。
彼女の裸体は、独特のす雰囲気も手伝って迫力に満ちており、その乳房はファンが思っていたよりもずしりと重量感に満ちあふれ、それがベッドの上で震えるたびにファンは狂喜乱舞した。
そして喧伝されていたベッドシーンは、映画ファンの想像以上に過激なものだった。
なんと2人ともベッドの上でヘアを晒し、喘ぎ、悶え、苦悶と快楽の入り交じった表情を浮かべ、全身汗まみれになりながら腰を振り、あられもない声を上げ続けたのである。
これらの演技は、2人が持っているイメージを大きく覆すもので、評論家はこぞってこの映画は近年希に見る傑作であり、彼女達は女優としての演技を広げたと、高く評価された。この映画はカンヌ映画祭にも出品されて特別賞を受賞するなど、海外でも評判になった。
もちろん、国内の映画タイトルを総なめしたにしたのはいうまでもない。
「私、将来あんな作品書けるのだろうか……自信ないな」私がぽつりとつぶやくと
「本気になった役者の演技って、本当にすげーな」
よっしーが唖然とした表情を浮かべながら、映画館でつぶやいたのを私はずっと忘れないだろう。

ダラダラとテレビを見ながら、ソファでイチャイチャしていたら眠くなってきた。
時計を見ると、深夜2時をまわっている。
「よっしー、もうそろそろ寝ようか」と私が言うと
「そうだな。僕も眠くなってきた」と、よっしーも応じる。
ベッドで横になり、お互いの手を握ると、あっという間に睡魔がやってきた。
そしてそのまま、私たちは深い眠りの世界に入っていったのだった。

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