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日本初出国!司法浪人、シンガポール一人旅の始まり

司法試験に合格できずにいた僕が、勉強に煮詰まり、初めての海外旅行へ行った時のお話をしています。

今回は第2話であり、成田空港を出発してチャンギ国際空港に到着。夜中にホテルにたどり着くまでを書いています。

日暮里から成田空港へ

司法浪人だった僕は実家暮らし。試験に3回も落ちており家の中の雰囲気も悪く、勉強もしないで海外旅行に行くなんて話もできずにいた。

家族には「大学時代の友達の家に1週間ほど泊まりに行ってくる」とだけ言ってあった。

家を出たのは午後になってから、家族が忙しそうにしているときに隙を見てコッソリと家を出た。

旅の予算は2万5000円だけ。今回は深夜特急に憧れて貧乏旅行をしたかったのだけど、実際のところ、この頃の僕の資金力では貧乏旅行しかできなかったのだ。

成田空港への行き方は、「成田エクスプレス」「京成スカイライナー」「リムジンバス」という方法があったのだけど、少しでも費用を抑えたかった僕は、日暮里経由の在来線で向かうことにした。

時間は少しかかったけど、成田空港に到着したのは夕方だったと思う。

いざ、シンガポールへ出発

フライトまでは時間があったので、本屋で立ち読みなどして時間をつぶして、搭乗時間になると、少し緊張しながらシンガポール行きの飛行機に乗り込んだ。座席は当然エコノミー。

しばらくして離陸する。シンガポールまでのフライト時間は7時間ほどなのであり、チャンギ国際空港に到着するのは夜中となる。空港からホテルまでは無事行けるかな?と不安も頭によぎった。でも、「まあ何とかなるさ」。

CAの女性が何だか猛スピードで話しかけてきたけど、何を言っているのか解らない。聞き取れないで困りモタモタしていると、隣の座席のビジネスマン風のおじさんが教えてくれた。

「飲み物は何にしますか」って、聞いているんだよ。

「オレンジジュース」を頼み、CAにもおじさんにもお礼を言う。自分の英語力のなさを痛感した。

機内での時間は思いのほか長かった。機内ではシンガポールのことを調べたり、英語の勉強をしようと思っていたのだけど、持ってきた本を読む気になれず、機内に流れている映画を見て過ごす。

僕にとって有り難かったことが、機内食が出ることだった。「機内食のおかげで食費を節約できる!」と思い、一人で満足していた。

映画を見て、寝て、食べての繰り返しでシンガポールまでの7時間を過ごす。

7時間のフライトは長かったが、寝むっている間に「もうすぐ到着する」とのアナウンスが流れる。

窓越しに夜景を見ると、海上に多くの船が浮かんでいる様子が見えた。

予定通り、夜中にチャンギ国際空港に到着した。


チャンギ国際空港に到着⇒タクシーに乗る


チャンギ国際空港に到着した後、飛行機を降りて、どこに行けばいいのか不安だった。でも、飛行機を降りる人の流れに乗っかって歩いていくうちに空港の外に出ることができた。

空港の外には、たくさんのタクシーが停車している。僕もそのうちの一台に乗り込む。

僕は運転手に向かって、地球の歩き方を差し出し、泊まる予定のホテルを指差して、「プリーズ、ここに行きたい」と言うと、運転手は「OK、OK」と言い、慣れた素振りで車を走らせる。

最初に1泊目のホテルだけは、旅行券を買うときに事前予約していたのだ。その宿は地球の歩き方にも掲載されていた。

一泊5000円ほどの高い宿だったが、事前予約できる宿の中では安い方だった。貧乏旅行をする僕とって、5000円は非常に高い出費だったのだが、やはり初めての海外旅行である。

英語しか通じない異国の地で、しかも夜中に泊まる場所を探す自信がなかったのだ。やはりホテルを予約しておいて良かったと感じる。

でも、

「このタクシーは一体どこに向かっているのだろう?」

ホテルが所在するエリアまでタクシー料金は事前に調べていたので、2000円程だろうと理解していたけれど、その他について、情報をまるっきりリサーチしていなかったので、少々不安になる。

「大丈夫かな?本当に連れて行ってくれるかな」
「到着まで時間はどれ位だろう?」

不安に思い、運転手を警戒しながらも、後部座席でジッとしていた。

空港から街までの道のりは直線道路一本の様子。

タクシーからの夜景を見ながら、海外に来たなあと感慨にふけってはみるものの、なかなか街にたどり着かない。タクシーのメーターも着々と数字を刻んでいる。

タクシーに乗ってから30分ほど走ると、ようやくホテルの前でタクシーが止まった。
タクシー代は3000円ほど請求された。後から解ったことだが、どうやら深夜料金が加算されたらしい。

「海外旅行では交通費が馬鹿にならないな」と今更ながら、旅の軍資金が少ないことを悔やむ。

シンガーポール一泊目の宿

到着したホテルは小さい建物であり、入り口はマンション風も解りづらかったこともあり、運転手さんは親切にエレベーターまで案内してくれた。

小さいエレベーターに乗り込み5階か6階で降りると、そこにはホテルの小さな受付があった。ベルを鳴らすと受付のおじさんが出てきた。

そのホテルは日本によくあるビジネスホテルのような雰囲気だが、日本語は通じない。

でも、予め旅行会社からもらっていたチケットを渡すと、スムーズに部屋に案内される。

部屋に至るまで、他の宿泊客と出会うことはなかった。夜遅いから、宿泊客は皆、既に寝ているのだろう。

案内された部屋には鍵がついていた。部屋の中は、アパホテルよりも若干広いくらいのスペースで、でも少し小汚い感じだ。

ツインベットの部屋に一人で泊まる夜は寂しかった。

この記事を書いた人
湯川 七八貴
https://7korobi-8oki.com/rising/

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