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8年後の私たち 34〜36話

TuấnはDươngを呼び出し2人は話をします。Tuấnは謝るDươngに「別れるなんて僕は同意しない」と言いDươngを抱きしめます。
Dươngの父は元秘書に連絡し、事件についての調査を依頼します。今もDươngの父を慕う元秘書は、独自にTuấnの叔母の素性を調べ上げ、叔母が離婚と結婚を繰り返していたことや夫からの暴力を受けていたことから財産目当ての結婚だったのではないかと疑います。

Dươngの父が止めるのも聞かず、元秘書は直接叔母に会いに行き、Dươngたちの仲に干渉しないよう忠告します。元秘書が示した遺伝子検査の結果によると、叔母の息子とTuấnの父、つまり叔父と甥の関係にあるはずの2人に親子関係があるとされていたのです。
憤慨する叔母。そこに偶然遭遇するTuấnとDương、さらにその向こう側には、これまた偶然居合わせてしまった叔母の息子…

元秘書の行動をDươngの父の差し向けと思った叔母は、Dươngへの怒りをさらに強めます。Dươngとその父の出現により親戚内がめちゃくちゃになったことで、Tuấnは母親からDươngとの関係解消を言い渡たされます。

Bởi vì kỳ vọng, hy bọng cho nên mới thất vọng, đứng không?
期待するからこそ失望する。そうじゃない?

少しずつ関係改善の兆しが見え初めていたDươngと父の関係は、再び無に帰してしまいました。Dươngは父が元秘書を利用して嘘の書類を用意させたのではないかと疑い、辛辣な言葉を投げつけます。
心臓に病を抱える父はそれを隠しつつ、Dươngに分かってもらうことを諦め、Dươngの元を去ろうとするのでした。

若い頃に起こした過ち、生活を守ろうと婚外子を拒否したこと、娘を思う気持ちという理由はあれど、人の秘密を暴いてそれを交渉に利用するような行い。服役して罪を償ってもなお、それらの行いが今の老父にすべて返ってきてしまっているのです。なんだかひたすらに悲しい…

世間の目や倫理観をことさらに気にする日本の社会には窮屈さを感じます。ベトナムのドラマを見ていると、家族や自分の大切な人のためなら、多少モラル面でのグレーさも許容されているように見えるベトナムの社会がときに清々しく見え、好ましく感じていました。
けれども倫理観は、自身の欲求と誰かの利益に矛盾が生じたときに踏み外さないようにしてくれる防波堤にもなっているのだよなと。ふとそんなことを改めて考えた今回でした。

つづく。

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