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未練と後悔で買い戻し

今回、また新たにカメラが我が家にやってきました。
中判6x9のカメラ、マミヤ23スタンダードです。


なんでまたマミヤプレス?

以前、マミヤユニバーサルプレスという6x9の中判カメラを保有していましたが、一度手放してしまっておりました。

その後、6x9のカメラは
・Beier Beirax
・NORCA3 
・FUJI GW690
と3つ持っていたんですが、これらのすべてがレンズは固定で105mmとか90mm、レンズの変更が出来ないのと、150mm(換算65mm相当)とかが使えないという制限がありました。

あと、
「いまにして思えばマミヤプレスって良いカメラだったよなー」
というタラタラな未練もありましたが、ヤフオクで見たら今マミヤプレスって高いんですね。

そんな中、「これはイケるんじゃないか」と思える個体がありました。
マミヤユニバーサルプレスの前身となる、マミヤ23。プレスシリーズの中でも一番シンプルな部類かもしれません。
アオリ機構とかはごっそり省かれており、シンプルな機種になってます。

マミヤユニバーサルでもアオリとかは使わなかったし、そもそも大判でもアオリやらチルト、ライズ・フォールはたまに使うくらいでしたので、シンプルな方が良いよね、ということで購入しました。

購入後のいろいろな調整

無事我が家に到着した個体は機能不全なども特になく、レンズも想定外に良い状態でしたので、軽い調整だけで現場復帰できそうでした。

施した調整は
・フィルムホルダーの清掃とモルト更新
・本体全体の清掃
・ファインダー部分の清掃
・二重像の調整
といった具合でしたが、この内二重像の調整が一番手こずるポイントでした。

ファインダーなんかもごくごくシンプルで、ガラス部分の曇りなどもなくレンズクリーナーで軽く拭いて完了。

全体を除菌ウェットシートで拭いてあげると、傷は残るもののちゃんと使える子になってくれます。

フィルムホルダーの調整と、ちょっとした工夫

今回のマミヤ23買い戻しに際して、フィルムホルダーを余分に1つ購入しました。
本体についてたフィルムホルダーには遮光板がついてませんでしたが、これは厚さ0.25mmのトタン板を使って自作してみようと思っています。

赤窓でフィルム位置を確認し、自分で巻き上げ調整するタイプ

余分に購入したフィルムホルダは、ホルダ背面に赤窓があり、6x4.5、6x6、6x9それぞれのフォーマットに対応した位置で巻き上げ調整ができるようになっています。
この窓を閉じるためのシャッターが、なんの抵抗もなく傾けただけで動いてしまう状態でした。

シャッター部分を分解して、↑の写真で薄オレンジ色になっている劣化したスポンジを取り除き、厚手のモルトを貼ってストッパーにしてやります。
これで無事にシャッターの動きは正常になりました。

現状、ホルダー側のフィルムが露出する面は6x9の状態で、このまま使うと問答無用ですべてのコマが6x9サイズになり、6x6や6x4.5のコマ送りをすると容赦なくコマかぶりを起こします。
おそらく、6x6、6x4.5で撮る時にはマスク的なものを取り付けるなりなんなりするんだろうなーと思いましたが、残念ながらそんな便利なものはありません。

なので、作りました。

上が6x6フォーマット用、下が6x4.5用のマスク

いつも通り、採寸→3DCADでデータ作成→3Dプリンタで出力、という流れで後から取り付けられるマスクを作りました。

ホルダーに取り付けるとこんな具合

この状態だと、ただはめ込んだだけで撮影中もぽろっととれてしまいます。
実際使うときはホルダーにマステかなにかで貼り付けるのが安全かなーと考えています。
ここは後々実験してみようかと思います。

二重像の調整

今回、調整で一番手こずったのはこの二重像調整です。
本体と一緒に購入した90mmレンズを使って、無限遠位置での二重像を確認しましたが、縦位置横位置ともに結構ズレておりました。

まず縦位置については、軍艦部ファインダーを除く側からみて左側に目立たない蓋があります。

カニ目で外せるネジになっている蓋。この下に調整ネジ(マイナス)があります

こちらの蓋を取り外すと、中にマイナスのネジがあります。
このネジを回して縦位置を調整することが出来、縦調整はわりと感嘆でした。

問題は横位置の調整です。

なかなか横位置を調整するネジが見当たらないなーと思いつつ動きを観察してみました。
おそらく軍艦部の「Mamiya 23」と印字されているカバーを外せばアクセス出来るのかもですが、それよりも軍艦部カバーを外した方が簡単、という位置に、調整機構がありました。

白い塗料で固着させている4本のネジで、横位置を調整します。

ファインダー窓の向かって右側に、黒いプレートにイモネジが4本はまっている部品があります。
この部品が、レンズのヘリコイド部分と連動するピンとつながっており、

最短焦点距離の時はこんな感じ。黒いプレートが前に出て、プレートの右側が接触します
無限遠のときは引っ込む+左側が接します

こんな具合で、黒いプレートが真鍮製のプレート(二重像の位置を調整するパーツ)を押し込んで、二重像の横位置を変える、という仕組みになっているみたいです

最短焦点距離の二重像を調整売るときには主に向かって左側のネジを、無限遠の二重像を調整する時には右側のネジをまわしてド調整します。
これが微調整がなかなか難しく、外の景色で無限遠確認→微調整→最短を確認→微調整→再度無限遠確認→微調整、という手順を繰り返して、結局30分ちょっとかけてようやく調整が出来ました。

謎だった機構、ファインダー接眼部の目盛り

ファインダーについていた謎の距離目盛り

あと、本体軍艦部のファインダー接眼レンズにあるこの目盛り。
距離であろうことはだいたい解ったんですが、これが何のためにあるのか全然検討もつきませんでした。
ひねっても回らないし、何じゃこれ? と思っていたら、どうやら斜め方向にスライドさせるようです。

右上方向にスライドさせたところ。印が「1」に合っている状態です

どうやらこれは、「近距離にある被写体を撮影するときに起きる視界のズレ=パララックスを補正するための機構」だったみたいです。

なかなか細かいところまで行き届いてるなーと思える機構でした。

改めて、マミヤプレスシリーズの魅力とは

以前、マミヤユニバーサルプレスに関してはを書いていたんですが、

今回購入したマミヤ23と比較すると、基本機能や基本的なオペレーションは変わっていないようでした。

今のところ、まだフィルムを詰めての実写はしていませんが、調整+清掃+動作確認が終わったので、今度フィルムを入れて取ってみようと思います。

マミヤプレスシリーズは、中判フィルムカメラとしては相当に高機能な部類に入ると思います。

レンズ交換可能なレンジファインダーカメラで、さらにフィルムホルダーを交換すれば6x9、6x7、6x6、6x4.5と様々なフォーマットに対応出来る、という、非常に高い柔軟性を誇ります。

レンズのバリエーションも55mm~250mmまで、実質広角24mm~110mmと豊富ですが、ぶっちゃけ標準の90mm(換算40mm)と150mm(換算65mm)があれば、ほぼどんな状況にも対応が出来るのでは、と思えます。

フィルムホルダー側での対応にはなりますが、フォーマット変更にまで対応できる拡張性をもった中判カメラ、というのは他にもあるかも知れませんが、僕が実際使ったことがあるのはマミヤプレスシリーズだけでした。

せっかく構築したカメラ棚が何故かもう満員状態ですが、何とか保管場所を確保して、早い内に使ってやろうと思います(`・(エ)・´)b

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