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3rdオリジナル曲『クワイエットエコーズ』について

2023年3月9日、身代亜土夢三曲目のオリジナル楽曲『クワイエットエコーズ』をYouTubeにて公開致しました。

制作経緯

制作に着手したのは昨年11月。特にVTuberとして大きなトピックも実績もない現状維持な活動を続けている中で、じゃあ自分がいちばんテンション上げてやれることって何だろうと改めて考えた時にやはり何かを作るということだなと思い立ったのが最初です。何かを作っている時の早く誰かに見せたいというワクワクと、その作ったものが形として残るというその現象自体に俺は快感を覚えるのだろうなと。
その時点で昨年の8月に二曲目『ファクトリーリセット』を公開してから三ヶ月も経っていませんでしたが、他にやることもねーしいいやと思い制作に踏み込んだ形となります。スケジュール的には2月の誕生日か3月の三周年記念に出せれば最高だなとぼんやり考えていましたが、結果的に三周年に間に合ったのでよかったです。


制作陣の皆様

今回の楽曲制作やミキシング/マスタリング等、音周りを一手に引き受けてくださったのはまぢえ様。骨太なオルタナティブ/ハードコアサウンドと独特の世界観に彩られた楽曲を拝聴し、「ああもうこの方だな」と直感に近い形ですぐに依頼させていただきました。

これまでクリエイター様へ何かを依頼させていただく際はコミッションサイトを介して主にテキストメッセージのやり取りで制作を進めていただくことしかなかったのですが、なんと今回恐れ多くもまぢえ様側から「もしよければお話ししませんか?」とお誘いいただき実際に音声通話で数度対話させていただくという機会をいただきました。
実際に話させていただくと恐らくかなり近い世代で聴いてきた音楽も通ずるものが多々あり、音楽談義に花が咲く楽しい時間を過ごさせていただきました。普段音楽の話できる相手がいない反動もあって正直めちゃくちゃ一方的に話し込んでしまった部分もあったと思うのですが、そこも含めて楽曲にフィードバックしていただけたのならまあ良かったのかなと。

イラストはコロン様に制作していただきました。
…はい、VTuber的に言わせていただくならば身代亜土夢の生みの親・いわゆるママにあたる方です。今の俺はこの方無しには存在し得ない、いくら感謝しても足りない大恩人です。

VTuberとそのママとの関係性って普通どんな感じなのか実際あまりよく知らないのですが、少なくとも俺は気安くママとお呼びするのすらもちょっと躊躇われるような、そんな恐れ多さと幾ばくかの罪悪感をずっと持っているのが正直なところで。
本当にこの方のおかげで俺は今こんなにも楽しい活動が出来ていて、いろんな方と知り合えて、実際に人生を変えるきっかけにもなったわけです。なのに三年もこの姿をお借りしながらも未だ大した実績も数字も無く地べたを這いずり回るような現状しかお見せできていないのが本当に申し訳なくて。
そんな自意識を活動開始当初から3年間ずっと持ち続けているので、Twitterでお姿をお見掛けした時も特に積極的に絡みに行くようなこともなく、それでもやっぱりこの方の作品が大好きなのでイラストをこっそりRTさせていただいたりするに留まっていました。
(※タバコ擬人化シリーズめっちゃ好きです、あとオトナな漫画も買って読んでます)
ただ今回三曲目を発表するにあたって思い立ったのが「ビジュアル面はコロンさんにお願いできたら」という、本当にいちばん最初の希望がそこでした。快く引き受けてくださって本当に泣きそうなほど嬉しかったです。この自意識はなかなか変えられないかもしれませんが、せめてこの方には恥ずかしくないようなVTuberでありたいなと改めて思った次第。

動画担当はすーざ様
躍動感のあるリリックビデオに仕上げていただきました。そのお仕事の速さには驚かされるばかりで、おかげさまで三周年当日まで余裕を持って投稿準備を進めることができました。クールな仕事って素敵よダッチ(byバラライカ)

以上、御三方のお力をお借りしてまたしても素晴らしい作品となりました。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。


楽曲解説

三曲目を制作するにあたってまず考えていたのは「明るく開かれたような『歌』にしたい」という漠然としたイメージでした。
身代亜土夢の勝手に掲げているテーマとしてVxKxHxC=バーチャル北関東ハードコアを前提としているわけですが、じゃあ俺の思うハードコアって何だろうとふと考えるタイミングがありまして、それはたぶん制作開始した前後の昨年11月にGAUZEが解散したことも無関係では無いと思います。

(GAUZE解散に関してはこちらの配信でも言及しています)

身代亜土夢としての楽曲を作るにあたっては、VTuberにありがちなただかっこいい・可愛い・楽しいだけのエンタメ的なノベルティーソングにはしたくないということは再三言っていてそれを実践しているつもりですが、その考えのせいもあってどうしても作詞の段階で考えすぎて自分でこしらえた迷路に自分から迷い込みに行っているみたいな状態になりがちです。その成果が一曲目・二曲目で、どちらも怒りややるせなさと言った俺の脳みそのどす黒いもやもやした部分が如実に表れたとても暗い歌になっています。

この二曲を踏まえた上で今回考えたのが「ハードコアでありながらポジティブで未来へ視線を向けるような歌を作ることはできないだろうか?」というお題でした。具体的には三周年で出すのだから前二曲で歌ったこと・ひいては三年間曲がりなりにもVTuberとして生きてきたこれまでに対するアンサーソングみたいな楽曲を目指したい、ということを作曲者のまぢえさんにもお願いしました。その甲斐あって最初にいただいたデモ音源であの印象的なメロとバッキングを聴いた時「これなら俺のやりたいことができる」と確信しました。
そこから歌詞もタイトルも一気に書き上げることができ、体感では一週間どころか数日で出来上がったように思います。こんなに迷いなく筆が進んだのは初めての経験で、自分でも驚くほど短時間で完成したのでとても素直な身代亜土夢をお届け出来ていると思います。ハードコアは勢いも大事ですからね。

そんなめんどくさい想いがたくさん詰まった楽曲に添えるのにどうしても必要なものがコロンさんのイラストでした。自分の作る歌について考えたり悩んだりというこんなに幸せな経験が出来るのもすべてこの方のおかげで、そう考えたらもう他の方にお願いする選択肢は全くありませんでした。
提示させていただいたのが「青空」「地元の某駅」というロケーション。この駅は二曲目『ファクトリーリセット』のイラストで描かれている無人駅から乗れるローカル線の終点で、地元から外へ向かう際必ず使用する駅となっています。なぜそこを背景として選んだのかもいろいろ想像していただければ。あと俺はたぶんモチーフとしての「駅」という場所が好きなんだろうなと思いました。そんな気付きもあるのが創作の楽しい所ですね。

いろいろ書きましたが、本作も素晴らしい作品に仕上げることが出来ました。ひとえにお力添えくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございました。


(余談ですが作曲依頼の際イメージとして提示したうちの一つ・militarysniperpinfallというバンドも今年2月に解散してしまいました。お疲れ様でした)


『クワイエットエコーズ』


実存 現存 此処に居る事
残像 虚像 その足跡だけが
行程 肯定 微かな証明
悔恨 遺言 それだけだとしても

野暮な話でもしようか
実にありがちそうな話
でもどうか最後まで聞いて
何なら片手間でもいいから
茶化したり邪魔したりするなよ
いい?じゃあ話すよ・・・

もし俺が消えた時
笑ってくれるかな
それとも怒らせちゃうかな

言えない何時かの思い出も
道連れにして

この声は
響かない あなたに

準急 快速 乗り過ごした会話
携えられた定期入れも無く
誤魔化し切れる事には長けた
異論 推論

虹彩 映すものは無い
祇園祭の後君は居ない

「報せたくもない事」

駅のロータリーは今日も
幾ばくの慈しみを抱え
たような顔して俺を迎える
もう見飽きたぜこの裏目

便りの季節は真夜中で
零した弱音は真ん中へ
コンビニの灯りも無い街で
繋がって

野暮な話でも聞いて
うんざりさせた?
でもどうか最後まで聞いて
すぐ忘れちまってもいいから
騙したり化かしたりじゃないよ
いい?じゃあ話すよ・・・

もし俺が消える時
泣いててくれるかな
やっぱり怒らせちゃうかな

「ありがとう」も「ごめんね」も
連れて逝くから

あなたに胸を張って逢えたらいいよな

途切れて 千切れて
流されて それでも
一切れ それだけ
飛んで行く 飛んでけよ

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