ステイホームに良さげな音楽紹介①

四ヶ月くらい振りのnoteになってて自分でびっくりしている身代亜土夢です。どうしてこんなことに…。

5月も後数日で終わり6月、梅雨の時期となりますね。加えて先の見えないコロナ禍(この表現もよく使われてる割にはどうかと思うんですが)、外に出て気晴らしなんて事も憚られる。そんな時こそ家で音楽でも聴きながらのんびりしようじゃないかってことで、ジャンルレスにご紹介していこうかなと思います。不定期にシリーズ化していけるといいですね。

基本的に俺が音楽をディグる際のメインプラットフォームにしているBandcampのページを貼ります。ページ上で再生する分には一切無料ですし、NYP(NameYourPrice、つまり支払自由なので金額にゼロを書けば無料!)や元から無償ダウンロードで音源まで手に入ってしまう作品も多いので是非飛んでみてください。


Interchill Records『Future Memories』

90年代から良質なアンビエント/チルアウト作品を発信し続けているレーベルInterchillから2008年に発表されたコンピレーション。ジャケットの抜けるような青空のアートワークに偽りなく、穏やかな気持ちにさせてくれる9曲は、気の滅入る毎日を僅かでも忘れさせてくれること請け合いです。途中で挿入されるボイスエフェクトがそこはかとなくサイケデリックな#2が特におすすめ。

Cyclamen『Amida』

イギリス→タイ在住のHayato Imanishi(Vo/Gt)氏によるソロプロジェクトとしてスタート、現在はメンバーを引き入れバンドとして活動する『Cyclamen』によるフルアルバム。

Djent/カオティックハードコア/プログレッシヴメタルといった様々な要素を取り入れた楽曲に日本語と英語を織り交ぜた繊細な歌詞、慟哭するようなスクリームとエモーショナルなクリーンパートの対比が特徴のバンド。そしてそれらをすべて内包する中心人物であるImanishi氏の儚くも美しい世界観がこのプロジェクトの最大の魅力だと思います。

今作はそんなCyclamenの中でもより叙情的な楽曲群が集まったアルバムで、スクリームパートはほぼ無く女性ゲストボーカルが参加した曲もあり、複雑に構築されつつも限りなくエモーショナルで切ない世界を堪能出来ます。気の晴れない梅雨空の日にはこれを聴きましょう。

Meishi Smile『LUST』

カリフォルニアのトラックメーカー・Meishi Smileの2014年発表作。ノイズ混じりの素朴すぎる電子音が奏でるのはあまりに純粋なメロディー。どこか懐かしく感じられるのは、この作品全体に漂うJ-POP的大衆性と、実家の居間で夢中になって遊んだ古き良きコンピュータゲームのような質感のせいでしょうか。このどうしようもない郷愁感は、インターネットという場所で鳴っているからこそ感じられるものなのかもしれません。


Precipitation『Wakkanai Pilgrimage』

東京在住のアンビエントミュージシャンPrecipitationが北海道をテーマに制作した作品。タイトルを和訳すると『稚内巡礼』。

蘭越、小樽といった地名が曲題につけられていたり現地の環境音をフィールドレコーディングして使用していたりと、北海道の空気感を存分に取り込んだ音響作品となっています。俺はこういった実在の場所が感じられるアンビエント作品が大好きで、部屋にいながら小旅行に出かけた気になれるのがたまりません。北海道は記憶も定かではない幼少期の夏休みに出かけた家族旅行と成人直後に一人で行った小旅行の二回しか訪れた経験はありませんが、この時勢が落ち着いたらもう一度遊びに行ってみたい場所のひとつですね。

SFV Acid『Neighborhood Archives』

ローファイで素朴なベッドルーム・アシッドを身上とするSFV Acidの四曲入りEP。

この人の音楽自体はかなり以前から聴き続けてはいるんですが、実際彼がどういう人なのかというパーソナルな部分はほとんど知りません。でもだからこそいいんじゃないかなというか、このテのインディペンデントな音楽に関していえば、ある程度の匿名性が確保されてるからこその良さっていうのも少なからずあるんじゃないかなっていうのはずっと思っていて、それがBandcampを漁るのをやめられない一因でもあるかもなあと、そんなことをよく考えます。


Club Fantasy『Rainy Night in Hachioji』


ネットレーベルKaiseki Digitalの初期作。片言のナレーションとメロウな雰囲気で彩られる一夜の慕情。どうしようもなく気だるくて、かと言って寝る気にもなれないそんな夜にこれを聴くと、案外こんな時間も悪くないなと思えます。こういう正体不明のどこかの誰かが作った、俺しか知らねえんじゃねえかこれ、みたいな逸品を見つけられるのがこの時代の良さですね。そんな音楽を紹介していきたいなと思っています。


音楽談義配信の時に紹介する分として取っておきたいものもあるので結構悩みますね。近いうちまた書きます。

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