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赤い観覧車


言いようのない切なさと

言い尽くせない悲しみを

記憶というキャンバスに

ありったけの絵具で

塗り潰してやったのに


ふとしたきっかけで

乾いた絵の具が

剥がれ落ちるように

思い出が

ポロリ

こぼれ落ちた


あの時の私は

たぶん

楽しかったはずなのに

記憶を宙に浮かせ

あの

赤い観覧車へと

想いを乗せた


ぐるりと一周

私的回顧展

オレンジの空に

ゆっくり廻り巡る



少しだけ 時を止めて……




深呼吸




私の中の秒針が


カチリと動き出す




















実冬の文章や朗読がいいなって思っていただけたら嬉しいです。 お気持ちは、自分へのご褒美に使わせていただきます😊