見出し画像

未熟な煙の行方

生ぬるい追い風が馳せる帰り道
ふと思い出し吸い飽きたメビウスを吸ってみた
シンプルなタバコの味
弱々しい元カレの背中
ローソンの陰で初めて吸った20歳の夏
センチメンタルな気も一緒に吐き出せやしないかと深く吐き噎せた夜半

メビウスでは物足りなくマルボロを吸い始めた21歳
気づけば深呼吸がため息に変わっていた
日々の暮らしの嫌気に心が追いつかない
いや、この鬱々はタバコのせいか、

朝帰りを続けていた私がこの1ヶ月まっすぐ家に帰るものだから母は「具合でも悪いの?」と心配をした
「友達と喫茶店に行ってくる」と伝えると
「夜遊び?」と少し嬉しそうな顔をした母
今は母の手料理を食べ、いつもと同じ景色の散歩道を一粒の光をふらふら揺れながら探し歩き
眠れない毛布に包まるので精一杯

私は至って健康です
たまにスキップもしちゃうくらいに

1日の終わり心を落ち着かせるための散歩のはずが
決してまとまることはないのに考えることが多すぎて脳内が雑然と暴れ出す
1日かけて片付けた部屋も半日で元通りにする私
そりゃ心の整理がつく訳がない
なんの整理かは分からないが、

"忘れてたら忘れてた分だけ思い出せるのが好き"
この詞を思い出して
たまには過去に浸り古傷をもそっと握りしめ
明日への希望に添えても良いのかもなと
また考えた


あぁ酸素不足

シャボン玉でも吸っておこう



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?