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Into the Breachをやるのだ

2019/12/11追記
日本語版が2020年春にニンテンドースイッチで出る。やれ。
2020/04/22追記
PC版も日本語化された。やれ。
2020/09/17追記
春予定から遅れたがニンテンドースイッチで日本語版が出た。やれ。

君はFTLというゲームを知っているか?知らない?ならばFTLをやるのだ。最悪やらなくてもいい。いや、やっぱりやれ。
FTLはここで売っている。今ならおそらく1000円くらいだろう。

FTLをやったな?やらなかったかもしれないが、やったという前提で話を進める。知っての通り、FTLはクールなゲームだ。では、そんなゲームを作ったスタジオの最新作が出たと聞いたらどうする?そう、やるしかない。

それがInto the Breachだ。(面倒くさいので以後ItBと略す)

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上の画像をクリックするとストアに行けるので、いますぐ買うのだ。

君は今ストアページをみて「日本語に対応してない」「英語とかこわい」「いちいち辞書片手にやるのとかだるい」……などといった甘ったれたことを思ったかもしれない。僕も思った。
しかし安心していただきたい。ItBはすでに有志による日本語(ひらがな)化プロジェクトが進行しており、現状でも固有名詞やセリフ以外——ゲームを進めるうえで分からないと困るものはほぼすべてだ——は翻訳されているので、アルファベットと格闘する必要はないと思っていい。
翻訳プロジェクトのページはここだ。

「固有名詞はともかくセリフは分からないと困るんじゃ」とかいうあほが出てくる前にItBの説明をしよう。
ItBの目的は簡単だ。未来からタイムスリップして過去へもどり、人類を滅ぼそうとしている虫ども——Vekと呼称されるがあんなの虫で十分だ——から街を守るだけ。

具体的には4つの島の中から1つえらび、その中でさらに分割されたエリアをえらぶと戦闘開始だ。
8×8のマップに3体のメックを投下して、数ターン——たいてい6、7ターン程度——の間、虫の攻撃から都市を守りきるという具合だ。
戦闘システムはタクティクスオウガとかファイーエブレムとか、まあよくある正方形タイプのストラテジーだ。マップサイズ的にはFEHあたりが一番近い感覚でプレイできるかもしれない。闇堕ちセリカはめっちゃ興奮した。
基本的には戦闘してエリアの防衛を繰り返して島を移ってまた戦い、最終的に決戦の地で虫どもを全滅させればクリアとなる。

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ItBの戦闘はFTLと違い、忙しくなく確実だ。
今作はリアルタイムではなくターンベースのため、考える時間は無限にあるし、戦闘中に確率の神様に祈る要素は敵が都市に攻撃をしかける際に一定の確率で被害を受けないことがあるというところくらいだ。FTLでは予期せぬトラブルに対応する力を求められたが、ItBは戦場を支配する力が必要となる。
敵の行動も、移動は完全には予測不能ではあるものの攻撃内容や順番はプレイヤーのターン開始時には決まっていて、こちらの攻撃で敵をどかして狙いをはずすだけにとどまらず、同士討ちを狙ったり、行動順から計算して敵に別の敵を撃破させることで都市への攻撃を防いだりなど、非常に戦略性が高くなっている。

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また、虫どもは毎ターン数体出現し、自軍のメックの単純な火力だけでは対処できなくなってしまう。そこで、先ほども少し触れた「敵をどかす」という要素を最大限利用するのだ。
メックがパンチをすれば敵は1マス後ろに下がる、榴弾砲で砲撃した周囲のマスにいる敵は外側にずれるなどという現象を利用して、水場に落として溺死させたり、突進する敵が奈落に落ちるよう誘導したり、落雷がくるマスにどかして殺したり……さまざまな地形やギミックを活用して虫どもを殲滅するのが肝となる。
ちなみにそういった即死要素以外でも、どかそうとした先に別のユニットがいると、両方のユニットに追加ダメージをあたえることができるので、単純な火力増強要素としても使うことができる。あらゆる手段を使って虫を殺すのだ。

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なお、都市が攻撃されると減るパワーグリッドが0になったらゲームオーバーだ。パワーグリッドはステージごとに自動で回復するなどということはない。ここはヴェトナムのジャングルのようなものだ。ジャングルを切り拓くには多大なコストがかかるのだ。

では、失ったパワーグリッドは戻ることはないのか?それもまたノーだ。各ステージには大目標たるパワーグリッドの維持とは別に小目標がいくつか設定されていることがある。その中で「パワープラントを守れ」といったものは達成するとステージクリア時にパワーグリッドを回復する効果がある場合がある。
また、各島の最終バトルクリア時にはその島で達成した小目標に応じたポイントで武器の購入やパワーグリッドの回復をすることができる。

武器の購入。そう、武器も増えるのだ。
単に武器といっても、最初から持っているような直接攻撃タイプのものから、ジャンプして着地地点の周囲のユニットを押し出すものや、全メックのHPを増やすパッシブスキルのようなものまで様々だ。
個人的にはジャンプして移動するついでに通過したマスに煙幕——この中からは攻撃できなくなるゴキゲンな効果がある——を展開するやつが直接攻撃系の虫に対してかなり強くて好きだ。

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新しい武器を手に入れたらすぐ装備して無双しようと思うだろう。だが強大な武器を扱うには相応の力が必要だ。かのアーサー王が聖剣を岩から抜けたのはスラムでカンフー・ジョージらと一緒に鍛えていたためというのはあまりに有名な話だろう。知らなかったならキング・アーサーを見るんだ。
話が逸れた。強い武器を使うにはパワーがいる、それはItBでも変わらない。具体的にはパワーグリッドなどと同様に戦闘の小目標達成や未来からの支援ポッドからの入手、島のクリア時に購入することで手に入るリアクター・コアを使うことになる。メックに装備したコアの容量内で武器の出力などを調整するしくみで、ようはFTLの電源管理を簡略化したかんじのシステムだ。

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未来のメックといえどこちらはたった3体。数で押してくる虫どもに負けてしまうことはあるだろう。しかし、すべてが無駄になるわけではない。
たとえ敗北したとしても生き残ったパイロットがいれば、そのうち1人を次回以降にレベルやスキルをそのまま持ち越せるし、各種実績を解除することで手に入るコインで新たなメックを開放することができるため、戦えば戦うほどこちらの戦力を増強させることができる。何度も何度も立ち上がり、いつの日か虫どもを地球から駆逐するのだ。
なお、ItBはFTLの「イージーとはいったい」という高難易度イージーモードと違い、ちゃんとやさしいイージーモードがあるのでターンベースストラテジーが苦手という方でもちゃんとクリアできるレベルだと思う。

ItBは扱う全ての数字が小さい——よほどのことがない限り1桁でおさまる——ゆえに、1つの行動が与える影響が非常に大きいため、自ユニットの行動順や位置をしっかり考えて攻撃をしないと、相手の位置コントロールを誤って大きな被害が出てしまうこともある。しかし、逆に大量の敵の攻撃を無効化したり、同士討ちなどを活用して殲滅したときの爽快感は格別だ。
よほど長考しない限りは1ゲームも1時間から2時間ほどで終わるので、寝る前に1ゲームだけというプレイスタイルにもかなりおすすめできる。

Into the Breachをやるのだ。

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