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土佐沖の島に行ってきました

みなさんは高知県の離島といえばどこが思い浮かぶでしょうか?
と問われても、ほとんどの方はそもそも高知県の離島など聞いたことがないのだと思います。高知県によって今年の5月に策定された「高知県離島振興計画」によると、その対象地域は沖の島と鵜来島の2島のみ。いずれも高知県の南西、宿毛の沖合20kmあまりに位置しています。
私の住む関西から訪れようとすると、かなり時間がかかります。朝から飛行機または新幹線・特急にて高知市に行き、さらにそこから予土線と土佐くろしお鉄道を乗り継いで宿毛へ。宿毛に就いた時点で当日の船便は終わっているので翌日の船便でやっと沖の島に到達…ということで、行って帰るだけで少なくとも二泊三日を要します。なんでそんなところに行くのか?と問われると、「なんとなく」としか答えられないのですが。

一日2便の定期便で沖の島と鵜来島両方を訪れようとすると、二泊三日どころか三泊四日の旅になってしまい、そんなに長い休みは取りづらいので今回は人口の多い沖の島だけとします。沖の島は山がちなのですがそのおかげで景色のよいポイントもいくつかありました。

東岸を走る県道からの眺め。無人島の蒲葵島や四国本土を望みます

朝7時宿毛発の便で沖の島に渡り、午後3時20分の便で宿毛に帰る予定だったのですが、島めぐりの途中で出会った島民の方から「今日は風が強いから帰りの便は欠航するかも」という不吉な情報をいただきました。曰く、

「秋から冬にかけて、沖の島には強い風が吹くのでけっこう欠航するのですよ」

これは、「けっこう」と「欠航」がかかっているのでしょうか。私にとっては帰りの便が止まってしまうと週明けに会社で予定されている会議に出られなくなるのでそこそこ深刻な事態なのですが、意図しないダジャレにより妙な雰囲気です。幸い、午後便は何事もなく運航してくれました。翌日の午後便、翌々日の朝便が欠航し、かつ翌々日の午後便が一部港をスキップしたので、「けっこう欠航」さんの言うことは十分に根拠のある話だったようですが。

離島では、いろいろとよくわからない建造物を見つけることがあります。沖の島で見つけたのはこの石碑。

母島港近くで見つけた石碑

ステテコ姿の村長と出会う島祭

観光地にありがちな歌碑に見せかけて、七五調でも何でもないよくわからない文章。意図がさっぱりわかりません。
あと、もう一つは「孤島の太陽」。

字体がレトロです

どうも、島出身の有名な保健婦の方を題材にした映画の記念館?のようですが、当該の映画ももう60年くらい前のもので、かつこの記念館も閉まっていてよくわかりませんでした。壁はボロボロですが、文字ははっきりしているのでどなたかが定期的にペイントしているのでしょう。

沖の島は主に釣り、マリンスポーツ、登山などの観光が主な産業のようですが、もう一つ特徴的なのは集落内の花崗岩の石垣です。

手積み?の急峻な石垣の上に集落があります
一部はコンクリに置き換わっていますが、容赦なく石垣だらけ

これ、実際に見てみるとものすごい迫力。もうちょっと整備したら、かなり写真映えする景観になりそうなのですが、今はコンクリの建物やポリエチレンの配管、放置された雑草などのおかげで雑然とした感じ。住民の方の生活があるので仕方ないところですが…。

朝便と午後便の間の7時間もあれば、電動レンタサイクルでめぼしいところはまわれてしまう程のちょうどよい大きさの島。全く何もないわけでもなく、また離島には珍しく子供の姿も見られて、いいところでしたよ。やっぱり関西からは余りにも遠いので、もう一回訪問できるかどうかは怪しいところですが。

帰りの便から。さようなら沖の島

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