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Covid-19の影響を受けて(2.イタリアの経済はどうなるだろうか?)

今日はイタリア人にとって大切な休日、イースター。家族でいっしょに食事をして過ごす、クリスマスと同じように大事なお休みです。自宅待機の状況もあり、親といっしょに暮していない人たちは家族バラバラで過ごしている人も多いことでしょう。例年、イースターはお天気が悪い。特に雨になることが多いのに、外出できない今年に限って、お天気がいいのは悲しいことですね。せめて外の空気を吸いたいとバルコニーに椅子を出して、この投稿を書いています。お天気がいいので、どこのお宅も窓が開いていて、おそらくビデオ電話などで一緒にいられない家族などに挨拶をしている声が聞こえてきます。私が住む州では、今日の日曜日と明日のイースターマンデーもスーパーマーケットなども閉めることを決めました。本当に家にみんないて、家族とイースターを過ごしている日曜日になりました。

自宅待機になって、1か月。食関係、医療関係の会社やスーパーマーケット、薬局以外は大企業、中小企業も含めてすべて自宅待機の状態なので、テレワークができる企業は仕事は続けているものの、旅行関係やイベント関係の仕事などは、特にキャンセルになったことが多く、経済全体を見ても大打撃を受けているのが現状です。

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そういう私も会社経営をしていますが、すべての仕事がキャンセルとなり、困った状況におります。そうなると、たとえば、企業にしてみれば、社員のお給料はどうするのか?オフィスの家賃は?保険は?保障は?などあと1か月続く自宅待機の状況をどう乗り越えるのか非常に難しいところです。

日本では、イタリアは30万円の支給があると言われているようですが、私が知っている範囲では、聞いていません(逆に本当にそうだよということがあるのなら教えていただきたいですね!)

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イタリアでは、企業も個人事業主もP.IVA(パルティータ・イーヴァ)納税番号を取得して仕事をしています。フリーランスとして仕事をしている人などに600ユーロ(日本円で約7万円ほど)の支給があると発表されました。4月1日からINPS(Istituto nazionale della previdenza sociale:労働社会政策省の監督下にあり、イタリアの公的退職制度の主要な存在です。適切な自治的社会保障基金を持たないすべての賃金労働者と自営業者のほとんどは、INPSに加入しなければなりません)のサイトにアクセスして手続きができるということだったので、4月1日になったばかりの夜中の3時にアクセスして手続きを済ませましたが、4月1日の朝からアクセスが殺到して一時期はサーバーがダウン状態だったようです。その後、INPSから手続きを受け付けましたとメールが届きましたが、いったいいつこの支給が得られるのかはわかりません。

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自宅待機になってから、知り合いの銀行の支店長と電話で話す機会がありました。どういう状況になっているのか話を聞いてみると、まず、もし会社で融資を受けている場合には、自宅待機になった月から今年の9月まで一時的に返済を休止する手続きが取れると言っていました。返済がなくなるわけではありませんが、休止時期が過ぎてから、返済をまたスタートして、返済時期が6か月後まで伸びるというのものです。また休止時期中の利子は増えないそうです。また、会社の売り上げが著しく下がり、会社を継続していくのが難しいために融資が必要な場合には、今年の1月から3月までの売上額と同額の融資がかなり良い条件で得られるということです。これらには、国の予算が当てられるそうですが、それでもこの先の状況がわからないので、不安であるのは変わらないかもしれません。

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自宅待機で家にいてもテレワークなどの仕事ができず、現場に行かないと仕事ができないカテゴリーの大企業などは、Cassa integrazione guadagni (臨時解雇収益・レイオフ収益)にしており、雇っている人たちが多いので、その人たちの保証を得るために、解雇基金またはCIGを利用して、(INPSまたはINPGIが提供する経済サービスで構成されるイタリアの法律で規定された機関)労働サービスを実施する義務から一時停止した労働者またはパートタイム労働者に一時的に給料の何%かが支給されるようにしています。ただし、中小企業はそういうこともままなりません。前記の銀行の支店長もここ数年、倒産する中小企業は本当に多かったのに、この自宅待機で、倒産に拍車をかけると言っていました。

イタリア人の中には日雇いで生きている人も多くいます。毎日の生活が大変な人たちが本当にたくさんいます。Protezione Civile(イタリア市民保護局)が協力をしているケースもあります。深刻な状態です。

イタリアのコンテ首相が今日のFacebookの投稿で、こう書いていました。

https://www.facebook.com/GiuseppeConte64/photos/a.385574775257827

コンテ首相の言葉。「すべてのイタリア国民にハッピーイースターと言いたい。今日苦しんでいる人たち、空くであろう椅子を持っている人たち、病院の病棟で過ごす人たちの涙や痛みを取り除くために苦労している人たちに。両親の笑顔、愛情、友人との抱擁、我が国の美しい伝統と、教会や広場、バールでの握手が今は、本当に恋しいです。 私たち一人一人がこの重要なイースターサンデーを放棄することは、本当に重要なことに対して示す本物の愛であり、私たちはすぐに回復できるはずです。今日はいままでのようなイースターではないですが、これがずっと続くわけではありません。私たちが一丸となって、守っていきたいものを信じましょう。一緒になれば、必ず達成できるはずです。」

いろいろな意見があると思いますが、数年前まで私達と同じようにイチ市民であった彼が戦後初めてと言われるこの難しいイタリアの状態の舵取りをすることになるとはきっと本人も思いもしなかったことだろうと想像します。今までいろんな政治家の演説を聞いていて何が言いたいのかさっぱりわからないことが多かった中で、彼の演説や説明はとてもわかりやすい。非常に人間的で人道的な印象があります。

このウィルスからできる限り国民の命を守るための自宅待機。ウィルスから完全に安全となるまでにはまだまだ時間がかかると思える中、経済が破綻しない前に自宅待機を解除する決断をする時期、その後、どのようにイタリアが前に進んで行くのかの舵取りを彼がどう取るのか、注目しています。

人の命を救うこと=医療、そして経済。イタリアが世界のお手本になれることを祈っています。

(あくまでも私見で記事を書いています)



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