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玩具見本市を見学してきました

玩具見本市に行きました。
玩具協会が主催している、主に商談を目的としたイベントです。各社の新製品をおもちゃ屋さんや量販店さんにご披露して、受注につなげることが主な目的。それに伴って、プランニング会社とかデザイン会社の人も来ていたり、出店しているメーカーの社員が相互に情報を偵察するような場です。

新人の頃は、他社さんがどんな商品を展開しているのか、最新情報を知るべく、各社のカタログを集めて回ったりしました。

玩具メーカーから転職して、しばらくは、ちょっと気恥ずかしくて、足を運ぶことはなかったんですよね。でも、ここ数年は、なるべく行くようにしています。玩具業界の人たちが、子どもたち向けに何を提供しようとしているのかが垣間見えて、いつも発見があります。仕事に直接つながるネタ集め、という目的もあります。

ここ数年、玩具の展示を見ていて感じるのは、「知育」が網羅する領域が広がったな、ということです。以前は「知育」というと、「ひらがなが学べる」「数を数えられる」と言うことを目的としたものが主流だったように思います。あいうえおボードとかです。
でも最近は、幾何学のパズルや、ピタゴラスイッチのようなルートを作るものなど、「自分でリアルなものを動かしながら考える遊び」を楽しむものが増えてきた気がします。将棋やルービックキューブ、論理的な思考が必要なボードゲームなども、「学び」の効果みたいなものを押し出しているように感じます。

お父さんお母さんたちが、遊びを通して多様な学びがあることを理解して、玩具を選ぶようになったのかな、などと考えています。同時に、「知育」領域の広がりと言う意味では、子どもに学んでもらいたいことが増えていたり、遊びを通じた学びへの期待値が高まっているようにも思えます。

私自身の変化で言えば、大手のメーカーさんが「目玉」として展示している最新の商品への興味が薄くなってきました。
玩具メーカーにいた頃は、各社が、このシーズン何で勝負するんだろうかと、最も注目していました。自分が担当している商品の競合となるようなキャラクターと商品ジャンルは、つぶさにチェックしました。

でも、今日、「目玉」の展示を遠目に見ながら、あぁ、これって「流行を作る」商品だな、と、しみじみ思ったのです。ぱっと目を引き、目新しく、説明しなくても遊びの展開が伝わる。分かりやすい商品。
でも私が今回気になったものは、初めて見る新しい素材や、企画の着想が面白いものがほとんどでした。もちろん、立場が変わり、今後のコンテンツ開発に使えそうか、という視点になったことが大きな理由であることは確かです。でも、それだけではなく、私自身が玩具メーカーを離れ、遊び方が決まっていないものを展開させる遊び、というものを大切にするようになったからだなぁ、と思うのです。

いずれにしても、玩具が、子ども文化にとっても、子どもの育ちにとっても、大きな要素を持つことは確かなところでもあり、これからも注目していきたいと思っています。
今日は、なんだか、楽しかったな。やっぱり、机上の空論だけではなく、目の前のおもちゃを観ながらあれこれ考える時間というのは、楽しいものですね。

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