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なまけてもいい

24時間戦えますか、というCMが世に出たのは、平成も初期の頃らしい。もう35年以上の前のキャッチコピーなのに、今でも色々な場面で引き合いに出されるのは、それだけ時代を反映していたんだろうなぁ。

「働けますか」じゃなくて、「戦えますか」というのが巧さなのかなぁ、と勝手に思っている。「24時間働けますか」と言われたら、そりゃ、働けない。でも「戦う」というのは、例えば、休息とか食事とかも、戦い続けるために欠かせない要素で、すなわち「戦いの一部である」と言えてしまう。なんと言うか、自分の生きている時間の全てを、仕事の成果を高めるために費やしている状態が「24時間戦っている」なのかなぁ。

ところで、令和に生きる私たちも、「24時間戦えますか」を、そんなに笑えないと思う。

健康のために身体にいいものを食べよう。仕事のパフォーマンスを高めるためによく休もう。体調を整えるためにジムに行こう。メンタルヘルスのためには愚痴を言うことも大切らしい。好きな音楽を聴くのもいいらしい。あ、ヨガも効果的なんだって。

・・・などと、何をするにも「●●のため」と、理由をつけている。まるで、自分に対して言い訳するかのように。

おいしいから食べる。疲れたから寝る。運動したいからジムに行き、言いたいから愚痴を言う。好きだから好きなことをする。
それでいいはずなのに。

目的がないことをするのが、苦手な人が多いんだと思う。私たちの多くが無意識に抱いている「将来」って、何らかの目標を持って、そこに向けて、カメさんのように休まず、真面目に、真っすぐ歩いていく先にある。
そのイメージにおいて、なまけたり、お休みしたり、寄り道したりすることって、いけないような気がしてしまうのだろう。

でもね、なまけたっていい。

本来、休むことに目的はいらない。時にはウサギでもいい。

4月、新年度。1か月走り抜けてきて、そろそろ疲れたしね。
理由なんていらないよ、あーつかれた、って言って、ぐーたら過ごせばいいんだよ。

しっかり、なまけようね。


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