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絵本はもっと遊びになる

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絵本の魅力に、もっともっと出会いたい! 絵本を選ぶことを楽しんだり、読んだ絵本を生活につなげたり、絵本からおしゃべりが広がったり・・・。絵本を使って、「読む」以外にも、こんなに楽…
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#絵本遊び

【季節のおすすめ絵本】2月:音楽のエネルギー

音楽は1年中楽しめるものなので、季節がある訳ではありませんが、寒い冬、ずっと家の中にいる季節には、音楽の有難さを感じる場面が多々あるように思います。心を安らげてくれたり、楽しませてくれたり、気持ちを強くしてくれたり。 今月は、「音楽」の持つ魅力というか威力というか、そんなエネルギーを感じる絵本を紹介しますね。 ところで、「音楽」というと、楽譜通りに正しく演奏することをイメージするかもしれませんが、それは、少し先の段階です。 小さな子どもたちは、演奏の前に、音楽を構成する

【季節のおすすめ絵本】10月:どんぐり

どんぐりが好きです。 道端でどんぐりを見つけると、宝物を見つけたような気持ちになり、拾いたくなります。拾わなくっても、わくわくします。 どんぐり遊びの記事を書いた時には、沢山の人に読んで頂けて、きっと、みんなも、どんぐりが好きなんですね。 という訳で、今月は「どんぐり」の絵本を紹介します。 さぁ、ここから、どんどん集めますよ。 集めたどんぐりを、何に使いましょうか。 どんぐりをテーマにしたこんな物語も紹介します。 そして、最後に。ぜひぜひ手にとってページを開いても

【季節のおすすめ絵本】8月:なかまは何人?

今月は、8月だから・・・って訳でもありませんが、親子で楽しむクイズみたいな形式でご紹介します。 夏休みだからって、特に親子でどこかに遊びに行かなくちゃいけない、ってこともないと思うんですよ。家でのんびり過ごしたっていいし、何か楽しいことを見つけたっていい。そんな〈プチ楽しいこと〉の1つとして、こんなクイズっぽいものでもいかがでしょうか。 「○人(ひき)の仲間」と言われると、必ず思い出す絵本って、ありませんか? たとえば、〈7匹〉だったら、『おおかみと7匹のこやぎ』・・・とい

【季節のおすすめ絵本】1月:うさぎのおはなし

年末年始になると、にわかに登場する干支の動物たち。 今年1年間の主役のはずですが、1月も半ばを過ぎると話題にのぼらなくなってしまう気もします。(12月の末にバトンタッチ係としてちょっぴり登場しますけどね。) 今年の干支は、絵本にも沢山登場する「うさぎ」。ブルーナのうさこちゃんや、ピーターラビットなど、世界中で愛されるうさぎたちの姿も、すぐに思い浮かびますよね。 沢山ある「うさぎ」絵本の中から、民話や昔話に登場する「うさぎ」の絵本を紹介します。 まずは、日本のお話から。 昔

【季節のおすすめ絵本】8月:手をつなごう

8月は、人々が傷つけ合うことなく、憎しみ合うことなく、苦しむことなく生きるために、どうしたらいいだろうか、と、思いを馳せる季節でもあると思います。 平和、というテーマはあまりにも大きくて、私もどう扱っていいのか分からないです。ただ、平和、ということを思い巡らせていると、子どもたちの姿が浮かんできました。子どもたちが、自分の出会った人たちと丁寧に関係性を築いていく姿には、大切なものが詰まっている、と感じたのです。 子どもは素直だから、出会ったらすぐに、苦労もなく、簡単に「と

【季節のおすすめ絵本】7月:冒険に出かけよう

夏は冒険の季節、という感じがしませんか? 夏休みがあるから、という理由もあると思いますが、暑くて暑くてエネルギーに満ちた「夏」という季節は、なんとなく未知の世界への興味を掻き立ててくれるような気もします。 夏休みにちょっとした冒険(はじめて1人で泊まる、とか、キャンプに行く、とか、はじめて1人で電車に乗る、とか)を控えているならば、その前に冒険の絵本を読んで、勇気をもらうのもいいかもしれませんね。 と言う訳で、7月は〈冒険に出かけよう〉というテーマでご紹介します。 冒険

【季節のおすすめ絵本】10月:感謝して「いただきます」

秋は実りの季節です。食欲の秋でもあります。そんな訳で、秋には、食べ物の絵本、とりわけ、秋に収穫される果物やおいも、寒い時に嬉しいほかほかのスープやパン・・・などの絵本を紹介してきました。 今回は「食べ物」の絵本でもちょっと趣を変え、「誰かが手間暇かけて用意してくれたこと」へと思いを馳せるような絵本を選びました。 「いただきます」という言葉は、食べ物の命を頂くことへの感謝の言葉ですが、同時に、その1つ1つの命を、育てて届けてくださっている方たちに対しての感謝の想いもこもってい

【絵本から広がるあそび】10さつ目『もりのピザやさん』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『もりのピザやさん』(舟崎靖子:作 奈良坂智子:絵 偕成社) どんな絵本?『もりのピザやさん』という題名は聞き覚えがなくても、「もりはおもしろランド」というシリーズの絵本のどれかは、目にしたことがあるかもしれません。(リンク:偕成社のウェブマガジンで紹介されていました。) 自分の姿そっくりの「あなたの形のケーキ」を作ってくれる いたちのおかしやさん。もりの仲間たちの体に合わせて自転車をカスタ

【絵本から広がるあそび】4さつ目『わたしのワンピース』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『わたしのワンピース』(にしまきかやこ:作 こぐま社) どんな絵本?空からふわふわふってきた布で作ったワンピース。それは、花畑を通ればお花模様に、雨が降ってくれば雨粒もようになる、すてきなすてきなワンピースなのでした。 シンプルな繰り返しが嬉しい、うきうきするお話です。 あそび① 布でワンピースごっこ読んでいるうちに、色々な模様のお洋服がとても魅力的に感じられる絵本。実際の布を使って、真似っ

【絵本から広がるあそび】1さつ目『きゅっ きゅっ きゅっ』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『きゅっ きゅっ きゅっ』(林明子:作 福音館書店) どんな絵本?小さな子どもと、ぬいるぐるみたちが、一緒にスープを飲みます。ぬいぐるみたちがスープをこぼすたびに、子どもが「ふいてあげるね きゅっ きゅっ きゅっ」と言いながら、手や、足や、おなかをふいてあげる・・・という繰り返しを楽しむ絵本です。 「ふいてあげるね きゅっ きゅっ きゅっ」という言葉の繰り返しがリズミカルで、とても印象的。題名

【絵本から広がるあそび】イントロ:絵本はあそびのカタログ

新しいテーマで、あそびを紹介していこうと思います。 絵本から広がるあそびです。 私と息子の絵本ものがたり個人的な体験からお話します。 息子が通っていた保育園は、3階建ての建物の1階と2階で、3階には、区立図書館がありました。毎日、保育園を出ると、建物の逆側の階段を駆け上がり、図書館に行くのが、〈いつものコース〉でした。 図書館は、入ってすぐのところが児童書と絵本のエリアになっていて、目に留まった本を何冊も抱えて、借りて帰りました。読み終わった本は、登園の時に、時間外ポスト

【季節のおすすめ絵本】4月:あの子も この子も みんなともだち

新しい生活が始まる4月。入園や入学、進級やクラス替えと、新しい友達との出会いに、ドキドキする時期でもあります。 そこで、4月は〈あの子も この子も みんな ともだち〉というテーマで絵本をご紹介します。と言っても、今回ご紹介する〈あの子〉や〈この子〉は、かなり多彩な顔触れですよっ! まず、4月のテーマを〈あの子も この子も みんな ともだち〉にしようと思った1冊から。 誰かのことを、つい先入観で見てしまうことがあります。「きつねだから」「たぬきだから」「どこの出身だから」「

【おすすめ絵本】2歳、世界が広がるからこそ愛されている実感がうれしい

2歳くらいになると、こども自身の「今こうしたい」「そっちじゃない、これがいいんだ」「自分でやりたい」という気持ちが、どんどん膨らんできますよね。こどもたちの、「自分はこれがしたいんだー!」という想いは、時に大人の都合とは折り合いがつかなくて、困ることもあるけれど、でも、どんどん成長している証でもあります。 知っている言葉も概念も増え、理解できる絵本もぐっと広がる時期です。また「絵を読む」チカラにも長けているので、絵もじっくり味わえる本を読むと、大人が気づかなかった楽しみ方を

【おすすめ絵本】1歳の子どもにとって 「身近なもの」は 楽しい

おすすめ絵本を紹介する時に年齢で分けるのは、意味があるようでもあり、ないようでもあります。子どもに絵本を選ぶ時の1つの目安として、助けになりますが、同時に、あまり対象年齢に縛られなくてもいいよ、とも思います。 いい絵本は、何度も何度も味わいつくすことのできる深さを持っているので、年齢を追うごとに違う楽しみ方ができます。だから、今回紹介する絵本は、1歳くらいの人が楽しんでくれるかな、と思って選んでいますが、もちろん、もっと年齢が上がれば違う魅力を感じると思います。 なので、4