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絵本はもっと遊びになる

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絵本の魅力に、もっともっと出会いたい! 絵本を選ぶことを楽しんだり、読んだ絵本を生活につなげたり、絵本からおしゃべりが広がったり・・・。絵本を使って、「読む」以外にも、こんなに楽… もっと読む
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#親子あそび

【季節のおすすめ絵本】1月:だるまさん

昨年、かがくいさとしさんのドキュメンタリーを観ました。絵本作家になる前から子どもたちに寄り添い続けてきたことや、子ども1人1人に向ける視線の暖かさが伝わってきました。 かがくいさとしさんにまつわるエピソードの中でも、私は、「だるまちゃんの読み聞かせ動画をお考えのみなさまへ」というブロンズ社さんのブログを、とても好ましく思っています。 ぜひ全文はリンクから読んで頂きたいのですが、趣旨としては、かがくいさん自身の意向を尊重し、ちいさな赤ちゃんのための本は、目の前のその子を大切

【季節のおすすめ絵本】12月:お星がひかる

クリスマスの物語の中で、「星」は大切な役割を担います。救い主の元にたどり着くための道しるべです。 誰にでも、そういう「星」のようなものがあると思うのです。雄弁ではないかもしれないけれど、自分が進もうと思う方向を示す拠りどころのような存在。それは、たとえ小さな光であっても、信じて向かっていけばその先で、何かと巡り合えるのかもしれません。 今月は「星」をテーマにした絵本を紹介していきます。 そして、星の味わい方には、色々あるんだなぁと気づく物語。 そして、「星」をどんな風

【季節のおすすめ絵本】11月:色いろいろ

子どもたちの「描く」姿が、好きです。 子どもたちにとって、自分のはたらきかけによって、目の前の様子がどんどん変化している様は、きっとわくわくするのだろうなぁ、と思うのです。 上手く描くことに意識を向けるのではなく、線の重なりとか、色の混ざり合いとか、偶然できた形の不思議さとか、そういうところを1つ1つ面白がることができたとき、「描く」ことは、本当に魅力的。 もちろん、そういうすてきな遊びは1年中大切にしたいけれど、「芸術の秋」ということで、今月は「色いろいろ」のテーマで絵

【季節のおすすめ絵本】9月:やさい

「食欲の秋」ですね。 今年は、まだまだ夏の続きのような気候が続いていましたが、それでも、新米の季節になり、秋の果物が店先に並ぶようになり、実りの秋が近づいてきています。 食べ物の絵本は、本当に魅力的な絵本が数多くあります。子どもの生活に身近で、そして、人の営みや自然との繋がりを感じられるからだろうなぁ、と思っています。 「食べ物の絵本」というテーマにすると、ご紹介したい絵本が多くなりすぎるので、昨年は、「いただきます」というタイトルで、〈誰かが手間暇かけて用意してくれたこ

【季節のおすすめ絵本】6月:じかん

6月と言えば梅雨の季節。 子どもたちにとって、雨は、すぐ隣にある非日常なのか、良い絵本がたくさんあるんですよ・・・と言って、昨年、雨や傘にまつわる絵本を存分に紹介しました。 さて、今年はどうしようかと考え、6月10日「時の記念日」にちなんで、「時間」にまつわる絵本をご紹介します。 ところで、本を紹介する前に、改めてお伝えしたいことがあります。 それは、絵本を読むときは、子どもに何かを教えよう、身に付けてもらおう、と思うのではなく、純粋に楽しんでもらいたい、ということです。

【季節のおすすめ絵本】5月 葉っぱ

新緑の美しい季節になりました。 お日様の光をうけて、きらきら光る葉っぱは、本当に魅力的です。 葉っぱのお話、というと、『魔女の宅急便』の中で、キキが依頼主さんからのお手紙をなくしてしまい、文章を思い出しながら、大きな葉っぱに書いて届けた話を思い出します。(もとの文章とはだいぶ違っていたので、子ども心に、それでいいのか・・・と気になっていたんですけれどね。) 春から夏、エネルギーにあふれる「葉っぱ」に目を向ける絵本を紹介します。 身近な自然に目を向ける絵本をもう1冊。

【季節のおすすめ絵本】4月:だいじょうぶ!

新年度ですね。 入園や入学、進級など、新しい環境での生活がスタートする子どもたちも、多いことでしょう。 新しい生活は、ドキドキします。 子どもたちもドキドキしていると思いますが、実は、お父さん/お母さんも、やっぱりドキドキしていると思うのです。 そこで今日は、子どもたち、というよりも、むしろ、お父さん/お母さんに向けて、「だいじょうぶ!」というメッセージをお伝えできる絵本をご紹介します。 親だって、完璧じゃなくていいんだよ、と思える絵本を2冊。2冊とも登場人物は「おか

【季節のおすすめ絵本】3月:花がさいたよ

春の訪れを感じる3月。まだ寒い日もあって、正直言えばコートも手離せないけれど、でも、季節の移ろいを感じると、なんだか心がはずみます。 今月は、春が近づいていることを実感する「花がさいた」の絵本をご紹介しますね。 まずは、春の訪れを願う想いが、そのまま題名になった絵本から。 季節がめぐっていくことの美しさを感じる絵本をもう1冊。 春の訪れを象徴する花と言えば、やはり「桜」かもしれません。冬を越えた木々から、一斉に花が咲く劇的な変化は、確かに「枯れ木に花が咲いた」ように見え

【季節のおすすめ絵本】2月:ゆきの日は とくべつな日

「ゆきの日は特別」なんて言うと、「冬になれば、雪が日常だよ」という地域の人たちからは、そんなことないよ、って思われるかもしれないけれど、でも、やっぱり「ゆきの日」は、特別だなぁ、って思います。 見慣れた景色が、全く違って見える。全く違う世界が広がっている。 そんな、「ゆきの日」の驚きと喜びを感じる絵本を紹介します。 同じく小さな人に向けた絵本でも、もう少し物語性のあるのは、こちら。 ゆきと出会った子どもの姿を描いた本をもう1冊。 同じ題名の絵本ですが、全く違う切り口も

【季節のおすすめ絵本】8月:手をつなごう

8月は、人々が傷つけ合うことなく、憎しみ合うことなく、苦しむことなく生きるために、どうしたらいいだろうか、と、思いを馳せる季節でもあると思います。 平和、というテーマはあまりにも大きくて、私もどう扱っていいのか分からないです。ただ、平和、ということを思い巡らせていると、子どもたちの姿が浮かんできました。子どもたちが、自分の出会った人たちと丁寧に関係性を築いていく姿には、大切なものが詰まっている、と感じたのです。 子どもは素直だから、出会ったらすぐに、苦労もなく、簡単に「と

【季節のおすすめ絵本】9月:おつきさま

8月が終わると、昼間はまだ暑いのに、朝夕はふっと涼しい風が吹いてきますよね。そして、ふと気づくと日が暮れるのが早くなっていて、夜の時間が長くなっているなぁと感じます。 こんな季節は、やはり、夜空を見上げたい。昔の人もきっとそう思ったのに違いありません。9月はお月見の季節ですね。 絵本も、おつきさまをテーマにしたものを選んでみましょう。 小さい人に向けた絵本をもう1冊。 この絵本は、息子が8か月くらいの頃、一緒に読んでいたら「ふわっ」のところで、声をたてて笑った、という、私

【絵本から広がるあそび】12さつ目『コッコさんとあめふり』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『コッコさんとあめふり』(片山健:作 福音館書店) どんな絵本?雨が降り続くある日、コッコさんは「てるてる坊主」を作ります。 「てるてる坊主」に願いをこめても、なかなか雨はやみません。 そこでコッコさんがやったことは・・・。 あそび てるてる坊主をつくろう!てるてる坊主、作ったことがある人は多いと思います。 そのてるてる坊主、ティッシュとか、チラシの裏紙とかで作りませんでしたか?雨がやんで、

【絵本から広がるあそび】11さつ目『おせんべ やけたかな』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『おせんべ やけたかな』(こがようこ:構成/文 降矢なな:絵 童心社) どんな絵本?「お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な」でページをめくると、おせんべいが1枚焼けて、にっこり!わらべうたの手遊びを、絵本ならではの楽しみ方で味わえる本です。 あそび① わらべうたあそび子どもの頃、「お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な」という、わらべうたで遊んだでしょうか。遊び方は簡単。 手のひらをおせんべいに見

【季節のおすすめ絵本】5月:今日は なにを 着ようかな

「服」は1年中着ていますが、春先は、ちょっぴり特別な気がします。冬の間いつも同じコートを着ていたのに、春になって、コートを脱ぎ、青空の下で、毎日違う、色とりどりの服が着られる季節。なんだか、脱皮して、美しい羽根を披露するちょうちょみたいじゃないですか? そこで、5月は〈今日は なにを 着ようかな〉というテーマの絵本をご紹介します。 最初は、毎日のお着換えの時に役立つ1冊から。 最初は、大人の手を借りていた子どもが、だんだん、自分でもお着換えができるようになります。最初は、