くるりとユーミン

両者とも何に心惹かれるって、心地よい情景想起に他ならない。ユーミンが、「カーテンを開いて~」と歌うだけで、眼前にとてつもない拡がりが生まれる。くるりのハイウェイならば、夜中に目的もないけど車で走りはじめて、頭がスッキリしないまま朝焼けを見て、途中空いてるPAとかでコーヒー飲んで、昼くらいまでそんなんしてたら達観してくるみたいな。ロードムービー感。リフが最高。

前から感じていたのだけど、いわゆる歌唱で聴かせるアーティストは、技巧に曲が引っ張られてしまい、歌詞は入ってきても情景は浮かびにくい気がする。(あくまで個人的には)
その点、くるりもユーミンも曲が最優先の音楽家だと思う。もちろん歌声も大好きなのだけど。

そんな、くるりとユーミンの「シャツを洗えば」は、強い相乗効果を生み出すかと思いきや、また違った様相を呈した。目的地は同じだけど「ちょっとご飯食べてから向かうわ」とか「じゃあ私は階段使って行ってみるわ」みたいに、お互いのペースを崩すことなく最上の情景を作り出している。私の中で、そこがこの曲の一番の魅力だったりする。

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