見出し画像

結局オーガニックコットンの何が良いのか

初めまして、このnoteは「原価の見える服屋さん」のことをより多くの方に知っていただくために書いています。

原価の見える服屋さんは、エシカルを追求するブランドです。こだわりは、素材の選定から、生産方法、配送だけでなく、ラインナップも王道のデザインのみを、無地かつ、色染めなしのきなり色一色で展開しています。エシカルでも質の高い製品をお届けするため、原価は60%に設定して販売しております。

もし、ご興味を持っていただけたら、ちょっとだけお話を聞いてください。

オーガニックコットンとは

オーガニックコットンはエシカル文脈で使われることが多くあるのですが、何が環境に良いのかをご存知の方は意外と少ないと思います。

この記事では、詳しくというよりは、簡潔にご理解いただくことを目的として、環境と労働の観点に分けてご説明します。

※オーガニックコットンと言っても、定義が曖昧なことがあります。今回は認証ラベルの中でも最も有名なものの一つであるGOTS認証の定義を引用します。

環境への影響

農薬の未使用

私たちが手に取る服には、健康に影響与えるほどの農薬は残っていないと言われています。

しかし、コットンを量産しようとすると、農薬を散布することになり、農家や地元の住民の健康に影響を与えます。

また、生態系にも大きな影響を与えるだけでなく、農薬の効かない新種が産まれることで、現地の農家が不作に苦しむことにも繋がります。

適切な水の使用

アパレル産業の環境破壊問題として、たびたび指摘されるのが水の大量使用です。

オーガニックコットンは従来のコットンの1/10以下の水の使用に抑えられると言われています。

農薬を使用しないことや、適切な土壌管理のもとに生産していることが理由です。

適切な土壌管理

量産を目的とした生産は、土地を休ませることなく使用するため、必要な水の量もどんどん増えていき、最終的には実質永久的に生産ができない土地に変わってしまうのです。

適切なサイクルで生産を行い、サスティナブルな土地利用を行っていることも認証プロセスに含まれます。

重機の未使用

手摘みはオーガニックコットンの大きな特徴の一つです。

二酸化炭素排出量が問題視される中で、言うまでもなく環境への影響が大きい分野です。

労働への影響

フェアトレード

オーガニックコットンの認証を受けている生地は、各地域で定められた価格より高くコットンを買い取っているかも確認されます。

そのため、必然的にトレーサビリティも求められることになり、誰がどこで生産したコットンをどこで生地にして、どこで製品化したのかがきちんとトラッキングされている必要があります。

服を買う際には、オーガニックコットンの認証が、生地までなのか、製品までなのか、確認してみても面白いかも知れません。

強制・児童労働の禁止

強制労働や児童労働は長年の問題となっています。労働力不足のため、自分のこどもを早くから労働に参加させる親もいらっしゃいますが、教育機会を逃すことになり、貧困から逃れることができなくなります。

こどもには教育機会を与えて、将来的に農業の効率化や、適切な管理を行うことで長期的に貢献してもらえるよう促すことが重要です。

差別の禁止

特に男女の差別はまだまだ残っている地域が多くありますが、認証を受けるためには、そうした差別の是正も求められます。

オーガニックコットンの課題

ここまで、理想論のようなことばかりを話してきましたが、農家にとってはオーガニックコットンへの移行は目先の利益を諦めることになります。

農薬や水を大量に使うことで、量産して生活費を稼いでいた農家が、オーガニックコットンの生産に移行することは、生産効率の減少=収入の減少を指します。

さらには、オーガニックコットンの買い手がつかなければ、苦労して作っても安値で売ることしかできません。

このような理由から、オーガニックコットン農家への移行は、生活費がギリギリな農家にとっては、支援なしではほぼ不可能に近いのです。

近年では、オーガニックコットン商品が注目を集めていますが、これによってオーガニックコットン農家への発注が進み、従来のコットン農家の生活はさらに困窮していく可能性もあります。最も理想なのは、既存のアパレルブランドが、利益の一部を還元し、従来のコットン農家をオーガニックコットン生産へ転換する手助けをすることだと思っています。

まとめ

偉そうに話してきましたが、私もブランドオーナーとして、すでにエシカルなものを使うだけでなく、エシカルへの転換をお手伝いできるような取り組みを増やしていきたいと思います。

今後の取り組みにもご興味を持っていただけましたら、noteとSNSのフォローを頂けますと大変うれしいです!

Instagram

Twitter

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?