14歳の自分に伝えたい「お金の話」読了。

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藤野英人氏の著作『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』。

「お金の話」というとなにやら難しそう…と思われるかもしれませんが、14歳、つまり中学生くらいの読者を想定して書かれた本のため、するするっと読める本です。

「14歳の自分に伝えたい」とあるけれど、この本はきっと大人にも向けて書かれた本だと思います。いったんページを開くと、そこからページをめくる手が止まらなくなるくらい夢中になって読みました。取材の行き帰りの電車の中で読んでいて、うっかり乗り換えの駅で降りるのを忘れてしまいそうになるほどに。

たくさん勇気をもらった箇所はあるけれど、ここでは2つ紹介します。

「働いて稼がなければ経済に参加していない」なんて大間違い

先述のとおり、この本の読者は中学生と想定されています。中学生はまだ働いてお金を稼いでいるわけではないので(Twitterなどを見ていると中学生の起業家さんとかいますが・・・)、経済は程遠いものでは?と思いがちですが、そうではないと藤野氏は断言されています。

中学生どころか、赤ちゃんでもミルクやオムツ、オモチャを(親などが)買うことでそれぞれのものをつくっている会社の売上を支え、産業を成り立たせているので、立派に経済に参加していると言えるのだ、といいます。

確かに、生きている限りは必ずモノやサービスを買うので、そのモノやサービスを提供している会社の売上に貢献していることになりますよね。

だからこそ藤野氏が強調されているのは

「働いて稼がなければ経済に参加していない」なんて大間違いだ

ということ。

専業主婦(夫)などは「自分は働いていないから社会から取り残されている」と思う方が多いかもしれませんが、藤野氏は「パートナーに代わって、その人の分まで家事や育児を担うという生き方なのだから、それだけでも十分に立派な社会参加」だといいます。

また、お年寄りでもニートでも、たとえ寝たきりであったとしても、消費者としては社会参加をしていて、だれかを支えているのだと。

このあたりは専業主婦(夫)をはじめ、何らかの事情で経済的自立ができていない方にとって、勇気づけられる言葉ではないかなと思います。

お金の失敗は修正可能。失敗を恐れて挑戦する勇気を失うことのほうを恐れるべき

もうひとつはこの言葉です。

藤野氏によれば、日本人はお金の使い道が貯金に偏り過ぎているのは「お金を借りるのが怖い」からだといいます。

確かに、返せなくなったときのことを考えると、お金を借りるのって躊躇してしまいますよね。。

しかし、藤野氏いわく、日本には借金を返せなくなったときのために自己破産などの救済制度があると。自己破産とは、かんたんにいうと、借金の返済不能になった人に対して裁判所が「もう返さなくていいよ」と言って借金をチャラにしてくれる制度のこと。

だから、藤野氏はこう断言されています。

命や家族を取られるわけでもなく、また新しいチャレンジを始めることができる。

つまり、僕らは「いつでも再挑戦できる環境」を保証されている

のだと。

このくだりを読んで、昔取材させてもらったとある弁護士さんが「任意整理とかでヘタに負債を残すよりも、いっそのこと自己破産して生活をたてなおしたほうがいい」というようなことをおっしゃっていたことを思い出しました。

藤野氏ご自身も何度もピンチに陥ってきて、周りの活躍されている方も失敗や挫折を乗り越えてきているサバイバーだといいます。私のまわりも、今すごく活躍されている方には、カードで何百万も借金して取り立ての電話が鳴りやまないという経験をした方や、自己破産寸前まで追い詰められたことのある方もいます。そんな生活から起死回生できるのもすごいなと思いますが…。

だからこそ、結びにある一節

お金の失敗は修正可能

失敗を恐れて挑戦する勇気を失うことのほうを恐れるべき

に、とても勇気をもらいました。


その他にもたくさん響く言葉がちりばめられています。

中学生だけでなく、大人の方もぜひ読んでみてくださいね。


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