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おばあちゃんが与えてくれたもの

おばあちゃんがいなくなってだいぶ経つけど、
最近、おばあちゃんのこと、思い出すとよ。

いまになって、感謝の気持ちがわいてくるけど、
おばあちゃんが元気だったとき、感謝の気持ちば伝えられとったかな。

わたしとおばあちゃん

ここで言うおばあちゃんは、父方の祖母で、
同居していたおばあちゃん。

母方の祖母は、離れて住んでいて、
年に数回会うか会わないかなので、
会うとちょっとかしこまって接していた。

でも、一緒に住んでいたおばあちゃんには、
思いっきり甘えて、わがままし放題だったことを思い出す。

ドラえもんの、のび太とおばあちゃんに
近いかもしれない。


おばあちゃんと過ごした放課後

両親が共働きだったので、
小学校から家に帰ると、迎えてくれるのは、おばあちゃん。

冬の日に、寒い外から帰ってきたら、
ポカポカしているおばあちゃんの部屋にかけこんだ。

友だちと遊ぶ予定がないときは、
おばあちゃんと一緒にテレビで
時代劇や相撲を観たりしていたな。

小食で、食べきらなかった給食のパン。
おばあちゃんの部屋にあるストーブで、
カリッと焼いてもらったときの
香ばしい匂い、素朴なおいしさが懐かしい。

風邪をひいたときは、
リンゴをすりおろしてくれたり、
葛湯を作ってくれた。
ほんのり甘くておいしかったな。

小学生の頃、
3学期の成績がふるわなくて、母に怒られ泣いていた私を、何も言わずに散歩に連れていってくれ、
春の日に一緒につくしんぼを探したこともやさしい思い出。



おばあちゃんの愛情

でもね、中学、高校生と大人になると、
おばあちゃんとの記憶があまりない。

外の世界が広がり、それに夢中になって
おばあちゃんの存在は、しだいに私の心の中で小さくなっていった。

社会人になって東京で働いていた頃、
おばあちゃんは、寝たきりになった。

久しぶりに会いに行った私の顔を見て、
とてもとてもうれしそうに顔をほころばせて、
すぐに名前も言ってくれた。

やさしいおばあちゃんは、
いつでも全肯定の愛情を私にそそいでくれて、私の幸福を祈ってくれた。



おばあちゃん、大好き!
ありがとう。

ずっと心の中で思ってたけど、面と向かっては言えんかったよ。

おばあちゃんとの思い出や受けた愛情は、
今もポカポカあったかいものになって心の中にあり続ける。

おばあちゃんと過ごした日々に感謝して、
おばあちゃんからもらったやさしさを
これからも育み、拡げていきたい。







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