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【ピアノと朗読】堀井美香さんの「春の始まりに海外作品を読む朗読会」の感想~絵本で感じる生と死の物語~
高島屋二子玉川の1階の吹き抜けの老若男女が行きかうオープンな空間。2024年2月17日に開催された堀井美香さんの『春の始まりに海外作品を読む朗読会』に行ってきました。
【朗読された本】
①葉っぱのフレディ
②幸福な王子
③ゼペット
3作品に共通することは『生きること、そして死』だったように思います。2月の高島屋の雛飾りが飾ってある明るい空間で聞くことができたのはとてもよい経験でした。ジャズピアニストの柳準一さんのピアノもあり、とても素敵でした。朗読の際のピアノは即興とのことで、堀井さんとのセッションのようでした。
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「葉っぱのフレディ」
1作目は『葉っぱのフレディ』です。
絵本は読んだことはありますが、詳細な内容は正直覚えていませんでした。一葉の葉っぱの人生のお話だったかな?くらいです。
朗読が始まり、まずは四季の美しさ、キラキラと光るいのちの物語でした。ピアノの音でそのキラキラがさらにでている感覚がしました。
【心に残った言葉】
「まだ、経験したことがないことは、こわいと思うものだ。でも、考えてごらん。世界は変化しつづけているんだ。変化しないものは、ひとつもないんだよ。」
そして、『死というのも変化の一つ』という話で私も涙しました。高島屋で泣かされるとは正直思いませんでした。
「幸福な王子」
2作目は『幸福な王子』。
この作品は、堀井さんが自ら編集された文章での朗読でした。
つばめの視点から見た街の中の様々な人たちの様子が分かる内容でこれが当時の様子だったのかなぁと思いを巡らせながら聞きました。
つばめと王子の声色と抑揚・テンポが葉っぱのフレディともまったく違って引き込まれました。
ピアノもこちらは途中で音が止まって、堀井さんの声のみの部分でさらに引き込まれました。今の時代とは違った情勢についても短い言葉でも伝わってきました。
「ゼペット」
3作目は『ゼペット』
有名なピノキオのゼペット爺さんのお話をレベッカ・ブラウンという作家が全く別の切り口で語り直しいる作品とのことで、堀井さんの説明に力が入っていました。
堀井さんの朗読は温かく切なく、ピアノの音は朗読に寄り添うような感じで私もゼペットさんの命と木彫りの人形をそっと見守る気持ちで聞きました。
ゼペットの本は高島屋の紀伊國屋の二子玉川店では入荷していましたが、売り切れていたので、私はtwililightさんから取り寄せて再度読みました。
読んでみて改めて思ったことは、『看取り』を扱いながらも温かい気持ちになれる作品だなと思いました。
作者のレベッカ・ブラウンはエイズ患者の看取りのボランティアをしていたそうでなぜこんなものが書けたのかということにも納得しました。
堀井さんのおっしゃる通り、カナイフユキさんのイラストも素敵で購入してよかったなと思いました。
最後に
堀井さんがこのような作品を選んだことにあたって、『私の両親も高齢になり、(死について)このようなことを考えることもあります』とおっしゃっていました。
物語の言葉は、そんな考えが浮かんだ時に響きます。
冬が終わると春が来て 雪はとけ水になり 枯れ葉のフレディは その水にまじり 土に溶け込んで 木を育てる力になるのです。
いのちは土や根や木の中の 目には見えないところで 新しい葉っぱを生み出そうと 準備をしています。大自然の設計図は 寸分の狂いもなくいのちを変化させつづけているのです。
この物語の言葉をなんども声に出して読んで、自分の中に染み込こませることが朗読を通してできることなのかなと思いました。
前回、昨年の秋田で行われた「母」の朗読会にも行ったのですが、生きることの悲しさや苦しさ、人間の欲を扱ったお話で「生きる」って何なのか考えさせられました。そして、周りを見ても今回も涙、涙の朗読会でした。
今回は朗読で聞き、さらに物語を目で追って読んでみるということをしてみました。さらに自分の中に落ちてくる感じがして新たな発見になりました。
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