見出し画像

新型コロナウィルスってどのようなもの?

1.コロナウィルスとは

みなさんは、人に感染するコロナウィルスが何種類存在しているか、知っていますか?
答えは、7種類です。そのうち4種類は、風邪が原因のもので軽症です。ちなみに、2002年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年に流行したMERS(中東呼吸器症候群)もコロナウィルスの一種です。そして、残りの一つが、現在流行している新型コロナウィルスです。

2.新型コロナウィルスとは

新型コロナウィルスとは、2019年12月に、中国湖北省武漢市の市場に流入したウィルスのことです。市場内に流入した経路はわかっていませんが、発熱から始まり、空咳、息切れと続き、重篤な場合はその後、肺炎や腎不全を引き起こします。

note用テンプレート

新型コロナウィルスの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。飛沫感染とは、感染者のくしゃみ、咳や唾と一緒に放出されたウィルスが、他者の口や鼻に吸い込まれて感染することです。

note用テンプレート

また、接触感染は、くしゃみや咳を手で押さえた感染者が、その手で周りの物に触れ、未感染者がその部分に接触することで起こります。

note用テンプレート

3.新型コロナウィルスの検査法

新型コロナウィルスへの感染を調べるには、現在ではPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)がよく使われています。PCR法は、まず、増やしたい遺伝子のDNA配列に短いDNA(プライマー)をくっつけます。次に、温度を上げ下げし、酵素の働きを変化させます。最後に、遺伝子を染色し、遺伝子の変化量を視覚的に確認します。もし、検体中に増やしたい遺伝子があれば増殖し、その反応によって陽性と判断されます。

4.SARSとはどのようなものだったのか?

SARSは、2002年11月に中国で発生し、発熱、悪寒、筋肉痛、咳、下痢などの症状が出て、重症化すると呼吸困難に陥ります。感染者の80%は快方に向かいますが、20%は重症化すると言われていました。しかし、感染源動物はいまだに解明されていません。SARSの感染が拡大した原因は、香港、北京の感染者が世界に移動したことで、北半球のインド以東のアジアとカナダを中心に、32の地域や国々に広まりました。ですが、院内感染が多かったことから、成人の症例が大半で、小児の症例は、少数でした。また、日本人の感染者も確認されず、SARSは2003年7月にWHOにより終息宣言が出されました。

note用テンプレート

5.MERSとはどのようなものだったのか?

MERSは、2012年9月にサウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東で発生し、発熱、咳、下痢、息切れなどの症状が出ます。感染者の35%は重症化すると言われており、感染源動物はヒトコブラクダでした。MERSの感染が他地域に拡大した理由は、中東へ旅行に行った人が感染し、帰国後、発症したためと考えられています。MERSは、2015年12月にWHOにより終息宣言が出されていますが、こちらもSARS同様、日本人の感染者は確認されませんでした。

note用テンプレート

6.なぜ、ダイヤモンド・プリンセス号の船内で感染が拡大したのか?

ダイヤモンド・プリンセス号は、2020年1月20日に横浜港を出港しました。乗客は、中国、ベトナム、台湾への旅に行く予定でしたが、香港で下船した乗客の中に、新型コロナウィルス感染者がいたことが判明しました。そして、その後、クルーズ船内では感染が拡大しました。そこで、乗客が、帰宅後に他者に感染を広げることの無いように、船内隔離をすることにしました。しかし、船内隔離には、大きな落とし穴がありました。それは、感染者と未感染者が明確に区別されていなかったことです。乗客だけでなく、高熱を出している乗務員と、健康な従業員も、船室を共有していました。以上のことから、船内で感染が広がったと考えられます。

7.まとめ

コロナウィルス自体は、SARS、MERSや新型コロナウィルスのように定期的に流行しています。しかし、SARS、MERSの時は日本人の感染者は出ていませんでしたが、新型コロナウィルスは多数の感染者を出しています。そのため、他人事ではなく、日本も対策を練らなければなりません。政府が対策を練るのはもちろんのことです。でも、まずは一人一人が“手洗い”“うがい”などの基本的なことを実践するよう心がけましょう!

参考資料

(1)NIID国立感染症研究所 重症性呼吸器症候群(SARS)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html
最終閲覧日2020/03/09
(2)厚生労働省 中東呼吸器症候群(MERS)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html   
最終閲覧日2020/03/09
(3)厚生労働省 新型コロナウィルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html  
最終閲覧日2020/03/09
(4)微生物検査のPCR法とは 日本微生物研究所
http://www.biseibutu.co.jp/tabid/148/Default.aspx   
最終閲覧日2020/03/09



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?