2019年の「多文化こどもまつり」の取り組み

16万7000人が住む栃木県小山市において、外国籍を持つ、もしくは外国にルーツを持つ住民が6000人余りいることがわかっています。それぞれの出身の国としては統計上はっきり人数が出ていて、ペルー、ブラジルようにと同じ山根を含む8カ国が上位にノミネートしています。
そうした人たちは、果たして小山市民と全く関わりのない人たちかと言えばもちろん違い、納税者でもあり、また同じコミュニティーを形成する大切なパートナーであったりします。しかし、道行く異文化を身に纏った人たちとすれ違うとき、誰しも身構えてしまう事はあり、安心した暮らしづくりのためには、いかに互いとその違いを知る機会を持つかが問われています。

私たちは市民活動支援を行う中で、様々なコミュニティが出会い、話し合い、融合したり、ときには反発しあったりすることを間近で見てきました。その際に手がかりになるのがリーダーの存在であり、どのコミュニティにおいても統率を司るリーダーが少なからず存在することが経験則上わかっています。
そこで、同じ考え方を外国人コミュニティの人たちにも適応し、それぞれの人々にアプローチする方法を話し合いました。予備会合においては、国際交流協会ルート、境界ルート、市民活動支援ルート、またレストラン・喫茶店ルートと言う形で、さまざまに接点があることが予見できました。

一方で、では声かけをした後、出会った彼らが一体どのように「仲良く」なるのかについても検討し、話し合ううちに子ども同士の遊びに着目し、それを互いにお披露目し合うことができないか、との話題に至りました。遊びの種目を出し合ううちに一緒になって遊ぶことができる遊びがそれぞれの国ごとにあることに思い至り、各国ごとに子ども達が子ども達に遊びを紹介し、実演し、それぞれ一緒に遊ぶ、と言う流れを考案しました。

方向性が定まり、開催まで3ヶ月を切った平成30年7月、実際の声かけを始めるにあたっては、予備会合で話し合った様々なネットワークを駆使して、出会いの場づくりをいかに構築するかを具現化しました。各ルートを通じてやコミュニティの結び目と考えた食料品店やレストランなど生活づくり拠点を探り、上位8カ国のそれぞれの人たちにアプローチする方法試行錯誤し確立する事が出来、それぞれのコミュニティの人達にも趣旨を理解いただきました。
ただ実際に当日に都合が合う児童・生徒の人数は思いの外少なくて、外国籍を持つ児童・生徒達も部活や学校生活に忙しく過ごしている現実もまた知ることとなりました。

遊びを共有する、という方向性が出ましたので、地元で人気のキャラクター「おやまくま」の作者である、なおさんに相談して、8カ国の国旗の意匠を纏ったおやまくま君をデザインしていただき、同じ遊びを共有した子ども達が、バッジをもらえる仕組みを考案し、実行しました。また同時に象徴的なデザインとして大バッジ「多文化おやまくまーず」を制作していただき、それぞれの国別のバッジと共に販売して、バッジデザインと制作の原資を稼ぎました。

終わってみて、終日、いろんな国の文化に触れる1日となり、従来から食の出店をいただいて来た文脈と相まって、多文化交流の場としての「まつり」を開催することができました。

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