「こどものまち」に関する調査・研究・実践報告の総合レビューサイト「『こどものまち』とはなにか(仮称)」の開設趣意文

全国に300とも400とも呼ばれる「こどものまち」が生まれ、様々な主催者さん達がそれぞれの願いをかけて、わが街の「こどものまち」を企画、実行していることに心から敬意を表します。

一方で、多くのこどものまちの主催者さん達が「こどものまち」を他の方々に説明することにとても腐心しておられます。

子ども主体の活動を練り上げていくことは、大人の体力と度胸と情愛と技術が要求される、高度に専門的な営みです。ですが私たちは子育て経験を通じて「誰しもが、手軽に行える事」と見られがちで、活動に込めた願いやこだわりを、ややもすると小さく受け止められがちです。

半面、「キッザニア」に代表されるような、形として完成形に至った子ども向け、家族向けの商業サービスと比べて、私たちの活動はいつも未完成で、いつも発展途上で、いつも成長過程にあります。それは目の前の子ども達と一緒に作るからです。

私たちの多くは、「こどものまち」で子ども達がどのように過ごすのかに興味・関心を持ち、また主催者さん達へフィードバックすることによって、次のより良い「こどものまち」を作ることにできるよう貢献したいと思い、(主催者としての立場を併せ持つ中で)、考察や研究活動をしてきました。

振り返ってみると、わが国の「こどものまち」の草創期から、教育や保育分野のみならず、延藤安弘さんを始めとする、まちづくりや経済学習、建築学習に関わる人たちの関心を高め、それぞれの視点で学術的な価値を模索して、様々な小論文や調査報告を寄せてくださり、またそれを卒業論文や修士号を取得するための研究論文に出した方も実際に多くおられます。

また、当初から、そうした研究者さんや学生さんたちは、よって立つ自らの研究分野に沿った形で「こどものまち」を見つめ、その社会的な価値や子供たちへの意味、意義を推し量ってきたと思います。

歴史はくだり、ミニミュンヘンから40年以上、日本で初めて「こどものまち」が実行されて30年近く、定常型の「こどものまち」であるミニさくらが生まれて20年余り、と言う現在、そうした知見もさまざまに集められ、その多くが現場にフィードバックされていく中、それらを一堂に介することで集大成を生み出し、1つの知の集積として、より外側の人たちに活用されやすい形で公開をするべく、成果を目指そうと決意した次第です。

さて最後に、実際に賛同くださった方々には、次のようにいくつかのレベルにてお関わりいただきたい、と考えております。
①まず、これまでにそれぞれのホームページやSNSをはじめ、インターネット上で発表されて来た報告や研究などをリンク先として紹介いただきたい、と存じます。(旧こまち本で言えば「各記事」に相当する部分です)
②次に、それぞれの研究基盤をお持ちの方には、その専門的見地から、当該ジャンルの報告や調査、研究の成果をキュレーションいただきたい、と考えています。(旧こまち本で言えば「章立て」に相当する部分です)リンクを貼って行くのに様の多数の参加を、どうかよろしくお願いします。
③さらに、これを機に記事や報告、調査・研究をまとめてみたい、とお考えの方には、ぜひ新規投稿いただきたい、と存じます。その際には、キュレーション役を務める方を中心に、相談コミュニティを形成して、情報交換や修正提案を交わしていくことになるよう方向付けていきたい、と考えています。(旧こまち本にはないコミュニティ機能です)
④こうした動きの結果や成果については「こどものまち」のポータルサイトと密接につながるホームページを形成して、ジャンルごとに紹介するなど階層構造を整え、アクセス性良く整理していくことを目指すのですが、その運営に協力いただける方のご志願もお待ちします。(旧こまち本で言えば、編集会議に相当する部分です)
⑤最後に、当該「研究ポータル」ともいえるホームページと同時に、noteを動静周知の基盤として活用して、目次機能を持たせたり、リリース情報やレビューなど動静情報、さらに運営賛同者の皆さんからの(読み応えのある)発表物の掲載、また執筆された方が有償提供を希望する記事をいわば「特別報告(仮称)」として掲載していきたい、と考えてまして、上記「①」「②」「③」「④」の協力をいただける運営賛同者の皆さんには、その投稿にもご協力をお願いしたいな、と存じます。(旧こまち本で言えば、研究会の動静ブログに相当する部分であり、オンラインの手軽さ、身軽さを活かしたニュースリリースのような新しい機能です)

以上、どうぞよろしくご賛同くださいまして、お力を貸していただきたく存じます。

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