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年末だから出版したことを振り返ってみる
人生の目標の一つ
退職してから回顧録を自費出版なんて絶対嫌だった。
現職中に本を出したいと、ずっと言い続けてきた。
自費出版という選択肢もあったのだが、できれば商業出版と言い続けてきた。
2021年10月にその夢が叶った
![](https://assets.st-note.com/img/1640684586068-mpDc4n9eZ2.jpg?width=1200)
始まり
1月26日に
【原稿ご依頼】新規単行本のご執筆ご依頼
なるタイトルのメールが届く。
一気に血液が沸騰する。
雑誌への寄稿かと何度も確認したが、新規単行本とある。
添付されている企画書には
前多昌顕 編著
と書かれていた。
ここで一気に血液の温度が下がる。
まあ、そうだろう。
特になんの実績もない私に単著の話がくるはずがない。
それでも、執筆依頼をいただくのは嬉しいことだから、上司の承認を得てお受けすることにした。
返信してすぐに折り返しのメール
「先ほどのメールに編著とありましたが間違いです。単著です」
再び血液の温度が隔離されかねないレベルまで上がる。
何度も読み返したが、間違いないらしい。
オンラインでの打ち合わせ
編集者さんとzoomで打ち合わせを行う。
これまで何度か教育雑誌に記事を書かせてもらった時は、送られてきた企画書を読み、それに合わせて書いて送付するだけだった。
やっぱり単行本は違う。
企画意図を説明されて、章立ての案を見せていただいた。
ページは150枚ほど。
何もかも初めてのことだったので、何がわからないのかもわからない状態。
とりあえず、全てOKの返事だった。
締め切りは5月の連休明けとのことで3ヶ月ちょっと。
それが余裕なのかきついのかもわからず、とにかく執筆活動を開始することにした。
ノマド生活の開始
複式校の5・6年担任だったし、閉校直前だったしで、2月はほとんど原稿に手をつけられなかった。とりあえずマインドマップをかいて、書きたいものを出し尽くし、アウトライナーで整理することだけはやった。
3月になり、さらに忙しくなったが、流石に不安になってきたのでぼちぼちキーボードを叩き始める。しかし進まない。
この頃から、音声入力での執筆を開始。運転中の独り言音声入力と、風呂に防水Bluetoothスピーカーを設置しての音声入力。
帰宅後は運動しなきゃ死んじゃうし、動画も作りたいしで、なかなか執筆作業に取り組めない。
土日に作業をしようとしても、家にいると色々な家事をこなさなければならない。家族は「気にせず執筆して」と言ってくるけど、それを言葉通りに受け取るのは危険すぎる。
ということで、土日の早朝ノマド生活を開始した。
田舎に住んでいるので、徒歩圏内に早朝から営業している店なんてない。
車で30分ほどかかるマクドナルドが朝7:00営業開始。
食事は米派の私が、朝からパンを食べる生活になった。
朝マックだけで数時間粘るのは気がひけるので、途中でドリンクを追加しながら作業。
それでもマックにおっさんが居続けられるのは3時間が限界なので、10時からは場所を変えて、ノマド2次会。
2次会の場所はマックの近くのショッピングモール内にあるStarbucks。
スタバで2時間ほど作業して、昼食を挟んで図書館で3次会。
こんな生活を繰り返した。
大変だったけど、良いこともあった。
受験生の息子が一緒にノマド勉強するようになったこと。
私と同じで、自宅ではダラダラする性格なので、自分から場所を変えて勉強するようになったのだ。
大変だったこと
たくさんあるが、最も大変だったことは使える画像の枚数が限られていたこと。
これまでWebや小冊子でアプリの操作説明をしていたときは、とにかく画像をたくさん使っていた。その方がわかりやすいから。
画像が使えないとなると、必然的に文章で説明しなければならない。これが大変だった。
細かく書くとすぐに文字数オーバーになるし、簡単に書くと伝わらない。
動画だったら簡単に伝わるのになあ
と思いながら、粛々と作業をしていた。
もう一つ大変だったことは、執筆中にアプリやサービスの仕様が変わること。特にFlipgridはしょっちゅう細かい変更があるので大変だった。
機能の追加だったらわかるのだが、ボタンやリンクの位置が微妙に変わったり、表記が変わったりだったので、本当に困る。スクリーンショットを撮り直さなければならなくなのだ。
Amazon予約開始
9月になり予約が開始された。
優しい知り合いが予約してくれたおかげで
Amazonの学校教育一般関連書籍という大きなカテゴリ内のランキングで
ほんの一瞬だが1位をとることができた。
![](https://assets.st-note.com/img/1640834896033-dcNQeYq0Yt.jpg?width=1200)
この画像は家宝として、墓まで持って行く予定。
発売
10月になり、見本が5冊届く。
PDFでデザイン案を見ていたが、実際に本になると嬉しい。
数冊書いたし、お世話になった人たちに献本。
書店での発売開始を待つ。
発売日になっても地元の書店に私の本は並んでいなかった。
まあ、青森だから遅れるんだよね、ジャンプだって発売日より遅いし
と、その日は諦めた。
しかし、次の日も、そのまた次の日も、私の本が書店に並ぶことはなかった。
Facebookでは知り合いが
届きました!
と写真を載せてくれていた。
でも、書店で見かけたという連絡は皆無。
やっぱり書店で自分の本を見たい。
そんな思いでパトロールを続けていたある日、
棚挿しになっている私の本を見つけた
すぐに店員に声をかけ、事情を説明し、写真を撮らせてもらう
![](https://assets.st-note.com/img/1640835408816-EJvYi7kCG3.jpg?width=1200)
たった1冊だが、そこには私の本があった。
撮影を終えて棚に戻そうとすると、優しい店員さんが、そのまま平積みにしてくれた。
翌日、また書店を訪ねてみると、私の本がなくなっていた。
棚を見ても見当たらなかったので、どうも売れたらしい。
陳腐な表現だが、嬉しかった。
その後、全国の知り合いから、書店で撮影した書影が届くようになった。
![](https://assets.st-note.com/img/1640835575811-ejdCnBm60J.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1640835676344-5QvEWmxo1U.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1640835722232-oieqvAy8Wa.jpg?width=1200)
これから
本を出すことで、何か変化があるのではないかと期待していたが、基本的に何も変わらなかった。
相変わらず自己肯定感は低いままだし、地元での評価が変わることもなかった。
それでも、自分の目標というか夢を叶えた経験は大きい。
子供たちにも堂々と
諦めなければ夢は叶うこともある
と言える。絶対叶うとは言えないけどね。
先日、子供たちに、
次の夢は?
と聞かれたので。
売れる本を書くこと
めっちゃ売れたら早期退職して舞浜に住む
と言ったら、
え〜、やめないで
と言われた。
かわいいので、売れてもやめないことにする。
というか、この仕事、大変だけどめっちゃ面白いので辞めるわけない。
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