初めてのClassNotebook(国語の授業編)
日本マイクロソフトから機材を貸与していただいた。
たった2週間なのでお祭り的な実践になることは否めない。
しかし、たった2週間でも、子供たちに快適な学習環境を見せてあげることは有益であると考える。
今回の投稿では、ClassNotebookを導入して使えるようになるまでの手順と、苦労したことを報告する。
ClassNotebookって何?という方もいらっしゃると思う。
一言で言うと、授業用のOneNoteだ。
ちなみに、以下の内容は、以下のリンク先に同じものがある。
リンク先に飛ぶ手間をかけてくれる方は、そっちで読んでいただけると、カウント数が上がるので、ちょっと嬉しい。
私の投稿は、画期的でも先進的でもない、地味な実践だし、文字ばっかりなのでカウント数が上がらず、ちょっと寂しいの。
1 成果
ClassNotebookを使って、小学2年生国語の授業を一単元通してやってみた。
特に変わったことや、特殊なことをしたのではなく、いつも通りの授業の中で、ノートを紙からClassNotebookに置き換えただけ。
ただそれだけなのだが、
・子供たちの関心・意欲が格段に高まった
・話し合いがスムーズになった
・理解が遅い児童が他の児童の考えを参考にできた
・指導者が個々の状況を把握しやすかった
・個別の指導や支授をしやすかった
・一斉学習にも個別学習にも使えた
・授業準備が短縮できた
などの成果がみられた。
2 内容
(1)授業準備
教科書会社の指導解説書に付属しているワークシートのPDFをClassNotebookのページに取り込み、児童数分複製して使っている。
はじめはClassNotebookの資料配布機能を使って、児童個々のフォルダ(セクション)に資料を配布してみたのだが、どうもしっくりこなかった。
そこで、共同作業スペースに、授業毎のセクションを作り、そこに児童個々のページを作って授業を行った。キーボードは使用せず、ペンを使って手がきで文字を記入させている。
キーボードでの入力を行わないため、キーボードは取り外しておく。
一人1台ずつ端末を使い、それとは別にプロジェクタに接続した端末を使った。
(2)授業
特別なことを行わず、市の教育委員会から提示されているスタンダードに則って授業を進める。音読したり、めあてを記入したりと、いつも通りに授業を進めた。ワークシートに記入する場面になると、ノートをしまい机を広くしてタブレットモードにしたsurfaceを使用した。
最初の頃は、ガラス面にスタイラスペンを使って文字を書くことに戸惑っている児童がいたが、すぐに慣れていた。
記入後、小グループに分かれて、それぞれのワークシートを自分の端末に表示しながら確認を行ったり、話し合いを行ったりした。
普通のノートでは、話し合いの時のノートの向きが難しい。自分が見えやすいようにノートを持つと、グループのメンバーには見にくくなり、メンバーに向けると自分が見にくくなる。
ClassNotebookを使うと、話す方も聞く方も、見やすい方向でノートを見ることができる。
これは大きなメリットだと感じた。
また、自力解決が難しい児童が、他の児童の記述を参考にするのも簡単にできる。
「わからなかったら友達に聞いてごらん」
と、言われても、なかなかできることではない。
指導者が子供たちの記述内容を確認したり、アドバイスしたりするのも簡単だった。
子供たちの画面を、手元の端末で共有できるので、子供たちの作業の様子がほぼリアルタイムでわかる。
課題に対するアドバイスはもちろん、低学年にありがちな「お」と「を」の間違いなどの表記上の指導も、通常のノートよりも確実にできる。何よりも、子供たちの作業を止めることなく確認・指導ができるのが良い。
(3)授業後
記入されたワークシートは、教室のプリンタで印刷し、ノートに貼付させる。
恒久的にClassNotebookを使って授業ができるのであれば、この作業は不要なのだが、2週間で返却しなければならないため、学習の跡を残すためには必須の作業。
3 課題
(1)同期のラグ
ClassNotebookは、もともと個別学習のために作られていて、一斉指導向けに作られているわけではないらしい。個別学習であれば、同期の即時性はそれほど重要ではないが、一斉指導の場合は同期の遅れが気になることがある。
例えば、子供たちのワークシートに、私が丸をつけたりサインをしたりするのだが、それがなかなか反映されない場合がある。全員が等しく反映に時間がかかるのであれば良いが、端末によって差がある。高学年であればそれほど気にしないことであるが、低学年であればかなり気にすることである。
(2)スタイラスペンの電池切れ
完全に私の確認不足なのだが、授業中にスタイラスペンの電池切れが発生することが多発した。
電池を交換しようとしたが、単6電池という、日本にはない規格の電池だったので、校内備蓄の電池では対応できなかった。
(3)機器操作
「何もしていないのにおかしくなりました」
という訴えは、ICT機器活用の永遠の課題である。実際は何かしているのであるが、低学年の場合は本当に自覚なく何かをしている。
今回の実践で一番多かったのが、何もしていない(はずな)のに、Wi-Fi接続が切れることであった。
最初は時間がかかったが、簡単なトラブルの対応は私がやってしまわず子供たちにやらせた。
自力対応できる子供が増え、授業のリズムが崩れなくなった。
4 最後に
surfaceをタブレットモードにしてClassNotebookを使うと、いわゆる普通の授業がスマートになる。いくつかの課題があるが、回数を重ねていくことで、全て解決できると考える。しかし、最大の課題は機器のレンタル期間が2週間しかないこと。指導者も子供たちもすっかり慣れて、ClassNotebookの良さに浸りきっている頃に返却しなければならない。返却後の、surfaceロス、ClassNotebookロスが心配である
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