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オランダで心理専門家が考える: 中学生! ストレスに負けない心を作ろう  その3

🍀君は誰?

君は誰って、変な質問だね。でもきちんと答えられるかな。

名前、年齢、学校名、もちろん自分できちんと知ってるね。でも、これは他人が見てもわかる「君」。自分が知っている自分、これは「これが僕、これが私」と言えるもの、これが「他の誰でもない自分」なんだ。英語ではidentity(アイデンティティ)っていうんだ。

君はどんな自分でありたいのかな。つまり理想の自分だ。勉強ができる、スポーツが得意な自分なら自信が持てる。そうだね、そんなのってかっっこいいね。友達がたくさんいる自分もいいな。

でもよく自分に聞いてみると、心が勝手に話しだすに違いない。「だけどよく考えてみると、別に勉強だってスポーツだってサボってるわけじゃない。うまくできていないところはあるけど、自分では頑張っているんだ。なら、きっともっといい学び方や練習の仕方を知らないだけかもしれない。自分だけで自分だけでやろうとするから大変なんだ。誰かに聞いてみたらいいのかもしれない。」

「友達だって、たくさんではなくても信頼できる友達が少しいたら、自分らしくいられるのかな。誰に対してもうまく付き合うなんて、そんなことは大人だって大変に違いない。背伸びしすぎると辛くなるけど、背は大人になりながら少しづつ高くなるもの。だから今の君がそんなに背伸びをしすぎることはないんだ。きっと徐々にうまくやれるようになる。親も先生も、みんなそうやって大人になってきたんだ。」

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🍀今の自分、意外と悪くない

「これが今の自分」と思える自分を認めることも大切なんだ。確かにうまくは行かないこともあるけど、そんな自分が嫌いじゃない。案外悪くない。周りが認めてくれなくても、これが今の自分。この「今の自分」と「いつかこうなりたいと考えている理想の自分」、この両方があってこそ、今の自分らしい自分があるんだ。理想の自分と今の自分を 良いものとして受け入れてあげると、自然と安心する。安心するから、心に余裕ができて自分がすべきことが見えてくるものなんだ。

🍀そのまま認めてあげると心が落ち着く

これはアメリカの精神分析家エリクソンという人が発見した心の成長の考え方なんだ。学生期には学生期の自分らしさがあるし、急がなくても順に階段を上がることが大切なんだと言っているんだよ。そして、この自分は他の何者でもない自分なんだ、とわかることは君たちの成長を促すものなんだ。そして、自分が誰より自分のことを認めてあげること、これがストレスに負けない強い心を作っていくんだ。

もし、自分らしく振舞えていないと、毎日がきっと苦しくなる。自分ではなく他の誰かの理想に合わせていないかな、自分の理想であっても無理をしすぎていないかな、一度よく考えてみよう。心に矛盾をなくすと、ストレスなんて入り込めなくなるんだ。

ストレスに負けない心は 他人を助けることからも育つんだ。「今の自分」を受け入れることができたら、次の記事を読んでみよう。

次回は「友達を助けることは自分を助けること その4」


執筆  淵上美恵 (プロフィール下記参照) mail: info@globalwellbeing.nl

日本とオランダで異文化・キャリアにおけるメンタルヘルスケア・カウンセリングにおいて多くの実績を持つカウンセラー。カウンセラー養成講師の経験も持つ。日本ビジネス心理学会常任理事を経て、現在はオランダにてメンタルヘルス対策サポートを行うグローバルウェルビーイング代表、オランダ心理学会認定心理士、スクールカウンセラー。発達障害児支援士。英国・米国・日本の心理学を学ぶ(英国ハートフォードシャー大学院組織心理学修士号)。

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