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葡萄

実家の近所に住む
数少ない親戚から
立派な葡萄が届いた。
早速
食べたら甘くて美味しい
高知の果実は
日照量のおかげか?
どれも甘くて美味だ。

早速
お礼の電話して
土佐弁トークに話が
弾む…….
彼女は
私の祖母の弟の娘だが
祖母は祖父に嫁いだ
9番目の嫁さんだった。
私の両親は共に
3才で実母を亡くして
各々に後妻の母に
育てられ
特に父は母親が次々に
入れ替わり大変だった
ようだ。
実母の両親が孫の不憫な
様子を気づかい
私たちが祖母と思って
慕っていた女性を
祖父に嫁がせていたとか
随分
複雑な大人の事情を
知ったのは私自身も
高校生の頃だった。
祖母は
若くて綺麗な人だった
血の繋がった本当の祖母
だと
当然のように思っていたので
思春期に事実を知った時は
子どもの頃から
少しずつ心の中にあった
疑問符が一挙に解決して
かえって落ち着いた感が
していた。
もともと大好きな人だったので
一層身近に感じて
     嬉しかった。

うちに嫁ぐ前の婚家先では
"石女"と謗られて実家に
戻っていたとか
そんな事を知ったのは
まだまだ先の話しだった。

随分
過酷な運命を生きた人
だったのだと一層
大好きな人になった。

林業に携わる商家で
人の出入りも多く
使用人を束ねて
よく働く女性だった。

祖父が病に倒れて
亡くなる迄の献身的な
有り様をみていたので…

私自身が病に倒れた夫の
介護をする事になって
祖母の気持ちを知った
そんな風に思えた。

係累の少ない
実家の中にたった一人
残った貴重な親戚だ。
血の繋がらない祖母から
続く縁に
有難いなぁと…..
甘くて美味しい葡萄を
食べながら
日本人の持つ美徳を
体現していた
麗しい祖母の在りし日を
しみじみ思う1日だった。

   ラブ&ピース

*田舎に住むと
親切(お節介)な
おばさんが
子どもの私に
親の留守を狙った
かのように
色んな事を教えた
くれた。
故郷を遠く離れて
暮らす一因に
なっている*




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