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高浜原発3号機、トラブル続発で対応区分引き下げ


関電は安全文化の劣化兆候の特定と改善計画を求められた

8月23日、原子力規制委員会(以下規制委員会)は相次ぐトラブルにより関西電力(以下関電)の高浜原発3号機の対応区分を引き下げることを決定して、関電に通知しました。

関西電力(株)に高浜発電所3号機に係る追加検査の対応区分の変更等を通知 2023年8月23日
https://www.da.nra.go.jp/view/NR100100303

8月23日に行われた第27回規制委員会で議題として取り上げられ、重大事故等対処設備(SA設備)の運転上の制限(LCO)からの逸脱件数が累計4件」あったという理由で対応区分を一段階引き下げることが承認されました。

規制委員会は関電に対して「直接原因及び根本的な原因の特定、安全文化要素の 劣化兆候の特定、並びにそれらを踏まえた改善措置活動の計画の報告を求め」ました。

トラブル続発の高浜原発

対応区分が引き下げされたのは、過去4四半期連続で4件、重大事故等対処施設の運転上の制限からの逸脱があったからということなのですが、以下の資料のp.5に具体的にどんなトラブルがあったのか書いてあります。
関西電力高浜発電所3号機における令和5年度第1四半期の安全実績指標 の結果を踏まえた対応区分の変更及び追加検査の実施に係る通知の発出  8月 23 日https://www.nra.go.jp/data/000445573.pdf

特定重大事故等対処設備の計装設備の一 部部品の未装着、原子炉水位計に信号を送る伝送器点検 (フランジ部の水にじみ痕確認)のため水位計の機能停止、衛星通信回線不具合による衛星電話(携帯)の使用不能、蒸気発生器水位計の指示値低下などが起きていたようです。

伝熱管損傷の高浜3、4号

この他、高浜3、4号では定期検査(以下定検)のたびに蒸気発生器の伝熱管に複数の損傷が見つかっています。伝熱管の内側ではなく外側から傷が進展していて、前規制委員長の更田氏も心配していました。従来のような内側からの損傷であれば、栓をして伝熱管の中に高温の蒸気が通らなくなれば、傷の進展を防ぐことができます。しかし外側からの傷は、腐食環境が変わらないので、栓をしても進展を防ぐことができません。ちなみに伝熱管の厚さはわずか1.3mmです。関電は、蒸気発生器を丸ごと交換をすることを計画しています。老朽原発に多額の費用をつぎ込み、あちこち交換して、つぎはぎで60年以上も原発を動かし続ける、本当に危険です。

高浜4号は制御棒が落ちて自動停止

1月30日、高浜4号は制御棒が落ちて、原子炉が停止しました。建設当初からのケーブルの設置に問題があって、上に乗っていたケーブルの重みが原因だと「推定」しました。そして原因を「推定」しただけで、問題の部分を見ることなく再稼働してしまいました。現物を取り出して確認しない理由を聞くと関電は「分解調査することは容易ではないと考えているものの、将来的に当該部分を取外すタイミングで、分解調査ができないか検討しております」と答えたそうです。
「高浜原発4号機:ケーブル接続部の寿命を議論すべき」
まさのあつこ 地味な取材ノート 2023年4月24日

関電は不祥事続きで信頼は地に堕ちている

関電は2019年に発覚した高浜町元助役からの高額金品の不正受領事件から始まり、取締役報酬の闇補填、高浜町議員への不正な賃料支払い、電力カルテル、顧客情報の不正閲覧と次から次へと不祥事が明らかになり、今年の株主総会では株主から「不正のデパート」と言われました。

日本最古の高浜1号が営業運転入り

トラブル続きで規制委員会から「安全文化要素の 劣化兆候の特定」と「改善措置活動の計画の報告」を求められた関電。不祥事続きで経産省から業務改善命令を受けた関電。そんな関電の運転開始48年を超える日本最古の原発、高浜1号が営業運転を8月28日に開始しました。安全文化の劣化兆候どころか、そもそも安全文化が欠けているとかしか思えない関電。まともな会社になるには脱原発!しかありません。

おんぼろ原発で金もうけ!  ええ加減にせい💢💢

*高浜元助役からの金品受領事件などについて詳しいことは関電の原発マネー不正還流を告発する会のホームページをご覧ください。
http://kandenakan.html.xdomain.jp/

*関電が呼びかけた電力カルテルについて、詳しいことは「電力カルテル事件から見えた関西電力の闇の深さ」を読んでみてください
https://note.com/mie629/n/n735d70521569

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