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最愛の妻への手紙をここに

あーさーへ

最近、僕の転職やコロナの影響などで、大きく環境が変わりました。
沢山のことが変化するなか、色んなタイミングで、あーさーの事が頭をよぎります。

いつも伝えたい事は沢山あるんだけど、面と向かうと、なかなか上手く自分の気持ちを伝える事ができません。だから、初めてだけど、文章で伝えたいと思います。
ほんとに、あーさーに伝えたい事が沢山あるんです。

まずはちょっと昔話をさせてください。

出会った頃の話

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いっちばん最初、どっちからアプローチしたのかは、正直あんまり覚えていません。

付き合う前のことで特に記憶に残っているのは、サバゲーフィールドでゲームが終わった後、フィールドのWEBサイトの修正を手伝っている時、あーさーが僕の隣に来たり離れたりを繰り返していた時のことです。僕はあの時、「別に俺はなんとも思ってないし」って感じで強がりながら、「ずっと隣で見ててくれないかなあ」と思っていました。いや彼女いなかったし。なんとなく。

その後なんやかんやで(マジで経緯覚えてないけど多分店長のせい)メールするようになって、4日目で仕事終わりに居酒屋に行きましたね。今考えると、仕事終わりに神戸から大阪までよく来たなと思います。

僕は下戸なので常にウーロン茶でしたが、アーサーは何回も「ごめんね?おかわり。いい?」と言いながらビールのお代わりをしてましたね。多分生中6杯くらいは飲んだと思います。僕は正直「初対面で俺飲めへんのに、なんぼほど飲むねんこいつは」と思っていました。

最初の頃のアーサーの印象は、「明るくていい子やけど、ちょっとひっこみ思案なんかな?」って感想でした。

付き合い始めの頃の話

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付き合い始めの頃は、僕はそんなぞっこんって感じでもなくて、どっちかと言うと「俺の事好きなら俺のやりたい事に付き合って」ってスタンスだったと思います。

女の子に合わせに行く男って、なんとなくダサいと思っていたんです。
今あのころの自分に会えるなら、ぶっ飛ばしてやりたいです。

大阪―神戸間のお付き合いでしたが、デートでお金を使うわけでもなく、いつも大阪の僕の家まで来てもらっていて、あーさーの家に行ったのは2~3回しかなかったですよね。頻繁に大阪神戸間を移動するのはしんどかったよね、本当にごめんなさい。僕の家、駅から遠かったしね。

あの頃のアーサーは膝が悪かったよね。
その影響もあってか、家でゴロゴロしていることが多かったように思います。わざわざお金使ってデートってあんまりしなかったですよね。

一緒にくっつきながら寝て、起きたらアニメをいっき見して、おなかすいたら近所のたこ焼きを買いに行って食べて。あの頃はそんな時間を沢山過ごしました。

今となってみれば、すごくかけがえのない時間でした。

普通、それなりの年齢になって、そんな過ごし方はしないのかもしれませんが、あーさーはいつもニコニコして僕に付き合ってくれました。そんなあーさーの大切さに、当時はまだはっきりと気づいていなかったように思います。

大切な人になったときの話

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ある程度付き合ってから時間がたったある日、僕は趣味の雪山登山に行きました。西穂高の独標という地点を目指したのですが、それなりの難易度の雪山にいくのは、その時が初めてでした。

今これを聞いたら怒られるかもしれませんが、ピーク手前の数百メートルがかなり厳しく、僕の頭は足を滑らして死ぬ可能性のことでいっぱいでした。普段登山をしているとき、女の子のことなんて考えていない事が多いのですが、死を身近に感じたときに僕が一番感じたのは、早くあーさーの所に戻りたい、という感情でした。その時、僕にとってあーさーは本当に大切な人なんだな、って実感しました。

結婚についての話

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僕は結婚はしたくないってずっと言ってましたよね。僕は両親が離婚したせいで、壮絶な幼少時代をすごしてきました。そのせいなのか、結婚に対してすごく嫌悪感がありました。

アーサーが結婚したいのは、割と早めの段階から聞いていました。なので、結婚したくない気持ちと、アーサーと離れたくない気持ちで、僕は凄く悩んでいました。

ある日アーサーが、「結婚してくれないなら、年齢的にも次の人を探さないといけない」と言っていたので、更に僕の心は悩んでいきます。どうしても、結婚に幸せなイメージを持つ事ができなかったんです。

なんとなく最終決断しようか、みたいな日になり、デートに行って、帰ってきた後、家で僕にプロポーズしてくれた時の発言を覚えていますか?
「あたしはあなたを縛る事は何もしない。いままでどおりのあなたでいい。だから私と籍を入れてください」ってあーさーは言いました。
僕は多分「うん」とか「わかった」みたいなそっけない反応でしたよね。
その後しばらく二人で抱き合って泣いていましたね。
なんか、言いようの無い不思議な涙でした。ここまで言ってくれるアーサーへの感謝とか、結婚に対する恐怖感とか、すごく複雑な感情でした。
あの時一番思っていたのは、あーさーと離れたくない、ってことでした。
その時はもう僕の人生の中に、あーさーがいない事は考えられなかったんです。

大層ビビッていた結婚ですが、してみるとなんてことはなかったです。
嫌なことなんて何もなくて、ただ今までと同じ日常がそこにありました。

結婚にまつわるエピソードで一番心に残っているのは、東京のGORUCKが終わった後、打ち上げでのみんなとのやりとりです。忘れもしない12/10の付き合った記念日です。僕としてはそんなにたいしたことじゃないと思っていたので、なんとなく隣にいたジェイソンに「実はこの後大阪に戻って籍入れるんだよ」と伝えた所、「は?お前それジェス(コミュニティーリーダー的な人)にも言った???」と言われ、「言ってない」と言うと、すぐその情報はジェスに伝わりました。ジェスが、「みんなの前でちゃんと言えって!」と言ってきたので、その通りにすると、耳が痛くなるくらいの歓声でみんなからお祝いされました。色んな人が代わる代わる僕のところに来て、「おめでとう!おめでとう!」と抱きしめてくれましたよね。

僕はみんなの反応を見て、その時初めて、結婚ってこんなにおめでたい事なんだと思いました。今思えばあれから、結婚に対する嫌なイメージは無くなってきたように思います。

今後悔している話

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結婚当初を振り返って、今凄く後悔している事があります。

二人とも「お金がもったいないから」といって、結婚式はしないでおこうという話になりましたよね。ただその時アーサーは、「でも写真は撮りたい、お母さんに見せたい」と言っていました。僕はなんだか改まって写真を撮るのが恥ずかしくて、なんとなくはぐらかしたまま、現在に至ります。

再び、あのときの自分をぶっ飛ばしてやりたいです。

あれから時間が経って、今は結婚当初を振り返る触媒の役目として、その写真が欲しいと思うようになりました。いまさらですけど、結婚写真、撮りたいです。猫と一緒に撮りたいです。

当時「若いうちに写真が撮りたい」と言うアーサーの気持ちを真正面から受け入れられなかったこと、本当に後悔しています。

寂しい思いをしている話

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結婚して少し時間も経って、僕たちの関係も落ち着いてきましたね。一緒の布団で寝ることもなくなり、休日一緒に過ごす機会も減りました。手をつなぐ事も、抱きしめる事も、キスをする事も、減りました。

あーさーがそういう事に対して拒否感を覚え始めている事も、ちゃんと気づいています。付き合ってから5年も6年も経つと、その方が普通なのかもしれないですよね。いつまでもあーさーに触れていたいという僕の方が異常なのかも、しれません。

でも、僕の中でのあーさーはいつまでも、家で抱き合いながらゴロゴロしてたこ焼きを食べていた頃のままのイメージで、ずっと触れていたいと思ってしまうんです。

あーさーから何かに誘われる事や、好きって言われる事は、ほとんど無くなってしまいました。逆にこっちからいくと、嫌な顔をされたり、拒否されたり。。。中学生みたいな感想ですが、僕は今愛されている感覚が希薄です。同じ気持ちを味わって欲しくないので、僕はあーさーに愛情が少しでも伝わればいいなと、口や態度で示してるつもりなのですが、伝わっていますか?

映画やアニメ・マンガなどで、幸せな夫婦、特に高齢の夫婦の様子を見るたび、僕たちもああいう風に歳をとりたいなと思うようになりました。あーさーの想像する定年後の僕らって、どんな感じですか?ちゃんと寄り添って生きてそうな感じですか?

今後のふたりの話

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あーさーが僕に使ってくれる時間が短くなって、凄く寂しくなって、もう僕の事を好きではないのかな?と思うようになって。探せば、もっと僕の事を好きといってくれて、僕に寂しいと思わせない人が見つかるんじゃないかと思って。あーさーと別れたほうがいいのかな、と考えたことも、あります。

でも色々考えた後、最後に僕の頭に残るのは、あーさーがニコニコしながら僕の方を見てくれている時の風景です。今まで何度その笑顔に安らぎを貰ったか、救われたかわかりません。何か辛い事があった時、いつもあーさーの笑顔を思い出します。今までは「僕と別れたほうが幸せなら、それでもいいよ」と考えていたこともありましたが、今は違います。僕が幸せにするから、僕と一緒にいてほしいです。

僕があーさーに「どんな時に幸せを感じる?」と聞くと、いつもあなたは「あたしの幸せより自分の幸せの事を考えて」と言います。僕は何をしている時よりも、あーさーと一緒に過ごす時間が幸せです。おとなしく僕と一緒にいてください。

一般的に、付き合ってから時間が経つほど気持ちが薄れるとか、飽きがくるとか言いますよね。でも僕はまったくそんな事なくて。付き合いたての頃より、結婚当初より、今が一番あーさーのことが好きです。多分、1年後にはもっとすごいし、二人がおじいちゃんおばあちゃんになった時の状態なんて、凄いことになっていそうです。

僕が今、仲のよさそうな高齢夫婦を見て羨んでいるように、周囲から羨ましがられるような、おじいちゃんおばあちゃんになっていきたいと、そう願っています。あーさーも、同じ気持ちでいてくれてると嬉しいんだけど。

いつも洗濯してくれてありがとう。笑ってくれてありがとう。一緒にいてくれてありがとう。僕を選んでくれてありがとう。毎日感謝の気持ちでいっぱいです。

まだまだ僕らの人生も先は(多分)長いです。つらい事も苦しいことも、乗り越えるべき壁も沢山あると思います。でもふたりで支えあって、乗り越えていきたい。あーさーの自慢の夫になれるように、1日1日努力するから、これからも末永く一緒にいてください。

あなたの夫より

※ 本エントリは全部フィクションです。安心してください。

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