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midori-yaのはじまり

midori-yaがオープンしたのは2004年4月18日のことでした。

滋賀県の比良山麓の麓の空家に移住して、1年かけて古民家を改装。母屋の一室をギャラリーショップ(花苗・花器・作家さんの陶芸作品や布小物、ビーズ小物・自然食品・オーガニックグッズなどを販売)、納屋を自然派花のアトリエ(フラワーアレンジメントや寄せ植え、リースなどの花のレッスン)としてopenしました。

「トータルオーガニックスペースmidori-ya」として花とオーガニックを軸に小売り、教室、イベントなどを行っていました。当時は、まだオーガニックもこの辺りでは珍しく市内に一軒も自然食品店がないということでわざわざ自然食品やオーガニックグッズを求めて最寄り駅から車で20分ぐらいの山の上まで自然派のお客様が来られていました。

オープン当初はいろんな方から「そんな山奥でアレンジメント教室とかして大丈夫?」と心配されていましたが、お花好きの地元の方がチラシを見ては訪れてくれて少しずつレッスン生も増えていきました。

2003年に生まれた息子のどかは、オープンの時1才になったばかり。オープン当初を知るお客様たちは、大きくなったのどかを見るたび、「あんなに小さかったのにねー。」「いつもお母さんに抱っこされてたのにねー。」と。レッスンに来られていた方のご主人からは「こんな小さかったのにな。」とくるぶし辺りを差されたらしくて、言われた本人は「それはないわー。小人やん。」と言ってました。

オープンの日は、京都に住んでいた頃勤めていた花屋の友達が手伝いにかけつけてくれました。来られたお客様に私たちが愛飲しているお茶を飲んでいただこうとオープン前から決めていたので、小さなお湯のみにお茶を入れては友達が運んできてくれました。移住して1年足らずでしたが、集落の皆さんが暖かくてたくさんの人が集落のてっぺんにあるmidori-yaに来てくれました。おばあさんたちは、野菜の種を買ってくれたり、お花好きな方は花苗を買ってくれました。自然食品のお茶を「ちょうど切れてたんよ。近くにお店があると助かるわ。」と買ってくれた人もいました。近所のおじさんは、わざわざスーツ姿で開店のお祝いを伝えに来てくれて、何かを買ってあげようと思ってくれていたのだと思うのですが、店の中をぐるぐる見回して困っているようでした。その後、お花好きの奥さんとお嫁さんが来てお花の苗や鉢を買ってくださいました。

新聞に折り込みチラシを入れたり、駅の近くのパン屋さんや道の駅のようなところにチラシを置かせてもらったりしたのですが、それを見て駅の辺りや隣町ぐらいからも山の上までお花好きや自然食品を求めるお客様が来てくださいました。16年前のことですが、すでに不況と言われていましたが現在に比べるとまだまだ購買力があったような気がします。

この日がお店としてのmidori-yaのはじまりでした。その1年後、たまたまテレビ朝日の「人生の楽園」に出ることになり、放映後はたくさんの人が来られました。レッスン生も遠くの方も来てくれるようになりました。そうして2008年までこの場所でmidori-yaは続きます。その頃のことを当時の写真を見ながら綴っていこうと思います。

次回は、どうしてこの場所でmidori-yaを始めようと思ったのかということ。midori-yaのはじまりのはじまり です。またぜひ読んでみてください。

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