かんざし

僕の心に愛歌い 赤い梅が赤い柘榴のように 君の髪を飾った まだ寒い 奈良の長い白壁の 赤い梅の花

   

   かんざし

梅が咲き

梅が笑う

にこやかに

軽やかに

前に立つ君に赤いかんざし

あの日あの時の風が

にこやかに笑う 

あっ、いま僕の頬に口づけたのは 

君だったの? 

春の日の 

あの公園でのように 

風になったお前が 

今笑う


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