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インターネットと社会

 インターネット、やめたとか三月くらいに言っておいて全然やっている。
 最近はもはや諦めている。自分はどれだけ頑張ってもネット依存症、電子機器の奴隷なのだ。むしろインターネットをやめると辛いときに吐き出す場所がなくなってどうしようもなくなってしまうとわかった。結局、私のような人間にはインターネットをやめても幸せなことはなにもなかった。私が見たサイトにはインターネットやめたら幸せになれるって書いてあったのに!
 インターネットは麻薬だ。われわれ人間は所詮群れて社会を形成してその中で生きるしかない生き物だけれど、それら現実の成分を限りなく薄めてくれるのがインターネット。インターネットの中で起こっている事象も人間社会ではあるが、手元の薄っぺらいスクリーン越しに見ているだけだから気楽でいられる。表示されるくだらないことに適当に笑ったりムカついたりできる。だって本気(マジ)じゃないから。リアルは本気(マジ)すぎて息が詰まってしまうのだ。
 で、現実の話。私は部活の最高学年になって現実の様態が掴めるようになってきたのを感じる。社会って思ったよりテキトーだ。先輩たちがやっていたことをどうやるんだろう、なんかすごいことをするんじゃないかと今までは勝手に想像していたのだけれど、別にただやるだけだ。先輩たちがその労力をこちらには一切見せずにやっていたからまるで魔法のように見えていただけで。
 この前は印刷会社に行った。文化祭のプログラムを刷ってもらうためだ。これもどこか特別なことのような気がしていたのだけれど、普通にアポ取って挨拶するだけだった。いたって普通。あと表紙の色も選んだけれど、他は本当に何もしていない。ただそれだけ。社会ってこういう感じのものの積み重ねでできていたのだな、というのがつかめてくる。
 社会を構成しているのは、とにかく「役割分担」と「金」。「役割分担」は分かりやすいだろう。職業とか会社ってそもそもそのためにある概念だ。例えば私のプログラムだったら、こちらからいついつまでにデータを渡して、印刷会社の人がいついつまでに刷って、それを学校に届けてもらう。顧問が受け取って、部員みんなで折って形にして、文化祭当日に観客の手に渡る。という流れ。だから私たちが印刷することもなければ、顧問がプログラムの中身を編集することもない。効率性重視の完全なる分業。
 そうなると、他人の仕事の中身が一切分からない。もちろん概要は分かるけれど、細かい部分は分からないしそれにかかる労力もわからない。それが問題点だね。部の中の例でいうと、同輩がどれだけの量の仕事を溜め込んでいるのか分からないからある程度気にする必要がある。これはきっと会社でも同じでしょうね。
 次に「金」。これも分かりやすい。日本は資本主義社会なのだから、大体のことは金で動いている。現にこのnoteにだって金儲けシステムはたくさんある。なぜならそれがないと運営・管理がキツイから。特にnoteは広告とかないし、一つくらいそういうのがないと難しいでしょう。
 別にそれはどこのサイトでもそうだし、どこの社会でもそうだ。金は数字として目に見えるから具体的で分かりやすいのだ。資本主義経済というのは「みんなが金を稼ぎたいと思っている」ことを前提に成り立っているものなのだから、むしろそうあるべきです。
 だから露骨に金儲けを目指す態度にとやかく言うべきでないという人も礼儀として最低限そのような態度は隠すべきだという人もいるでしょうが、私はそこの論争に何か言う気はない。まあ宗派の違いでしょう。

 インターネットも基本的には同じだ。違うのは人間の感情が露骨にバカ強いことだけ。そのせいでインターネットでは常に殴り合いが起きている。ただそのような口喧嘩をしているやつはバカが多い。
 ウソです。そもそも「インターネットで過激なこと言っている人」の人口が多すぎるし、そいつらの口が悪すぎてこちらも何か言い返したくなってしまうだけだ。そして「何か言い返したくなって」しまったらそこで終了なのだ。お前もインターネットウェブの巨大な網にかかってしまっている。気づいたら「過激派」側に行ってしまっている。
 そういうものだ。人間って下手に理性を身に着けて社会システムを構成してしまったけれど、本来争うのがめちゃくちゃ好きなのだろうな。とインターネットを見ていると思う。だから私はインターネット嫌いじゃないよ。金と分業しかない現実よりも「感情」に重きが置かれるだけ良い。私は金も仕事もそんなに好きじゃないし、何より感情に振り回されすぎて感情の存在を無視できないタイプだからインターネットがないと社会に適合できなくて死にます。

 という私の今思う社会とインターネット論を、将来社会人になった私にどう思うか聞いてみたいな。いろいろ偉そうなことを言いましたが、結局私は社会に出たこともないただのJKだ。一度社会に入ったらいろいろ違うでしょう。今は予想もつかないことがきっとたくさんある。そのときまで文章書いてたらいいなあ。


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