見出し画像

夏が来てしまった

 夏だ。まぎれもなく夏。さすがにもう否定できない。夏至も過ぎたし。
 何度も書いているけれど、私は冬が好きだ。今これから冬に一番遠い時期がやってくるのだと思うと本当に憂鬱。冬はもうあと半年くらいは私のそばにいてくれない。
 夏は本当に嫌だ。じめじめして、アスファルトの照り返しがとても暑くて、満員電車では冷房ガンガンでも汗をかいて、学校に行って、蒸し暑い部室で部活をして、冷房が寒い塾でくしゃみしながら授業を受ける……嫌すぎる。
 きっと夏は閉塞感があるからこんなにも嫌なのだ。じめじめした湿気がこっちにまで侵食してきて、すべてのものを蝕んでいく。ギラギラと照り付ける太陽は私たちとはまるで違う存在であることを示すかのように、ただひたすら熱を打ち付けてくる。暑い、としか言えなくなる。体といっしょに脳まで熱に焼かれてしまう。寒いときはこんなことないのに。
 もちろん冬も寒すぎてぼんやりすることはある。でも夏のように不快ではなく、むしろ寒い風が耳を吹き抜けていくのは気持ちいい。きっと私の体質なんだろう。夏と永遠に分かり合えない体質。冬生まれだからかも。
 夏。夏夏夏夏夏。ついていけない暑さ。雪も降らないし、肌は焼けるし、誕生日もないし、本当に良いことがない!
 でも夏に死にたくないな。死ぬなら冬がいい。夏なんかのために死ねないよ私は。冬に、わかんないけど特段寒いところ、タオル振り回したら凍るくらい寒いところに行って、そこで死にたい。死んだら雪に埋めてほしい。そうして春が来て雪が融けるころには私の死体は分解されて土の中。それがいいよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?