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秋と冬 はざまの大学4年生

22時。大学からの帰り道。吐いた息が白くなっていた。確かにマフラーがなかったら凍えていただろう。夜の自転車に乗りながら受ける風はは思った以上に寒い。
今週末には雪が降るらしい。もう自転車で大学に通えなくなると思うとちょっとだけ気が重たくなる。

気がつけば大学4年生である。もう大学の紅葉を見られるのも最後かもしれないと思って、何枚か写真に撮った。この季節になると地域の人がよく訪れていて、写真を撮っている。外国人観光客も今年は多くいた。見慣れた光景になったが、この紅葉も今年でもう見納めだ。春からは東京のビル群に、満員電車に揺られながら出勤することになるのだろう。

毎朝空の色を見て、風を感じながら、授業開始時間の1分1秒を争いながら自転車を全速力で(周りに十分注意しながら)漕ぐことも最後かもしれない。授業開始5~10分前はさながら自転車レースだった。北から南に向かうと、1年生棟、医歯薬系、工学部…というように徐々に人が減っていくなか、文系棟に向かってノンストップで漕ぎ続ける。

当たり前にあったものの大切さは失ってから気がつくというが、この景色もきっとそうなのだろう。黄色とオレンジのキャンパスを目に焼き付ける。

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