見出し画像

2022.09.19 VERANPARADEはエモ王子様だった(仮)



やっぱりこういうのは突然来るものなのである。奇跡と必然と感動を通り越したエモが爆発して胸を刺して勝手に泣けてくるライブを目撃した。

実は当日のテンションとしてはそんな奇跡のライブを観るとは思っていなくて、予習もあまり出来ていない(私自身もともと予習があまり得意ではないし(だから東大行けない))、前日の疲れも少し残る中で、かなりフラットな気持ちでライブハウスに辿り着いた。


そんな状態だったのに、全編通して、この4バンドがあの日あの場所でそれぞれの想いを持ってライブを演った、それを観て貰うものが沢山ありすぎて、刺激的で感動的で生の感情が沢山動いた日になった。


対バンというのは、観たいアーティストがいるから観に行く。となると、お目当て以外のバンドは知らない、ということもよくあることで、でもその分、新しい出会いがあるから対バンは好きなんだよね。そうやってライブハウスで出会って一瞬で恋に落ちたバンドがいくつもあるよ。ユレニワもそうだったよ。


で、そのライブのお目当て以外の対バン相手のバンドを、当日ライブを観るまで知らないままで行くのか、バンドのことを調べて曲を聴いてから行くのか、いつも悩ましい選択で。前述の通りわたしは予習がちょっと苦手で、それは、目の前でバンドの演奏と歌でもって、その曲を聴く初体験の方が何百倍も素敵な体験になることを経験として知ってしまっている、からです。「初めて聴く」体験って1回きりのことで、その初体験をとにかく最高の形で迎えたい。とすると、慌てて予習予習って思って通勤途中にガタゴト電車が唸る音に混じってイヤホンの小さな音で聴く初聴き体験より、ライブで目の前で本人たちが生で演奏する爆音で聴く初聴き体験の方が比べ物にならないくらい素敵だなと思ってしまっているわけです。


対バンは必ず、何かしらの組まれた経緯があって、それはバンドの企画なのか箱の企画なのか、仲良しバンドを呼ぶのか、ゆかりのあるバンドを呼ぶのか、それとも憧れの先輩バンドを呼んでみたり、憧れられてる後輩バンドを呼んだり。遠征ツアーなら地元のバンドをお誘いするのか、はたまた箱側と相談して決めるのか。対バンが組まれる経緯はそれぞれだと思うけど、「バンドの組み合わせ」と「その箱で観る」ことに意義があって、しかもその1回きりしかない、ことが多い。2022年9月19日、新宿Marbleで観たライブは、そんな「バンドの組み合わせ」と「その箱で観る」ことが最高に意義と意味のある、だからこそ、正直なことを言ったら目当てのバンドを観にきた1観客のわたしですら、今日の主役VERANPARADEと縁の深い2組のバンドを観て、感情が爆発しすぎて終演後に「エモい…」しか言えない壊れた機械みたいになったんだ。



VERANPARADEというバンドのニューアルバムリリースツアー東京編、である。宮崎在住、コロナ禍前にライブが飛んじゃったから東京でのライブは2年半ぶり、という「待ちに待った」ライブだった。
お呼ばれバンドは、大先輩バンドpodoと、VERANPARADEが大好きで大好きで高校の弾き語り部員として校舎の中庭で弾き語っている動画を上げて本人にリツイートしてもらって「いつか一緒にやろうな」と言われた少年がやっと憧れのバンドと一緒のステージに立てる!のTHE KING OF ROOKIE。そしてべランパレードファンのユレニワ。


これライブ中に全部知った情報だったけど、こんなライブ、楽しい以上になるに決まってるじゃん…もっとちゃんと調べてから行けば良かったよ!と後から後悔するのもまた、その場でしか味わえない生のライブの醍醐味だったりする。(弁解すると、VERANPARADEのことはちゃんと調べてはいました)


初っ端THE KING OF ROOKIEは、最初からVERANPARADEと共演できる嬉しさが爆発してものすごい熱いライブを演っていてステージから襲いかかってくるくらいの熱量だったし、MCで高校の弾き語り部の時のエピソードを本人じゃないドラムくんが話し出しちゃったりして、もうエモーショナルな感情が(同じ意味を二重に使う典型例)爆発して不思議な浮かれ泣き笑いテンションになっている。


2番手ユレニワは、よしきギターが特にべランパレードファンということで終始楽しそうに変態ギタープレイをぶちかまして天井から見下ろしたり最後にはステージに仰向けになって転がりながら嬉しさを表現していた。
この日はなんと「知りたい」始まり。なんとなく中盤以降に演奏される印象があるけど、そうだった、この曲の真芯を突く爆発力は、初っ端でも、初っ端だからこそ、より一層シンプルに胸に突き刺さるんだった。知りたいのアウトロの胸をぎゅっと締め付けるギターフレーズと音色が美しすぎて、だんだんと音量を増していくエフェクトとドラムの力強さも相まってそのまま音にサラサラと溶けて消えそうになるほど食らうんだけど、その後の「birthday」でまた生まれ変わる。(birthdayだけにね!)知りたいからのbirthdayの繋ぎ、本当に燃やし尽くしにかかってるなと毎回思う、無事に思惑通り燃やし尽くされるんだけどね!炎から生まれて生き還って、で後半の「炎になって〜」のコーラスのところ以降、アウトロまでは業火に焼かれるので、生きて死ぬまでを体験できる曲、birthday…恐ろしい曲だな!ベースがゴリゴリカッコよかった。アウトロで一段音量がドンっと上がるところ、轟音に身を晒して物理的な振動ごと身体中に音を取り込む瞬間が気持ち良すぎて燃え尽くされる…で次は遺書でまた死ぬじゃん?ライブ中、生きてるし死んでるしなのよ本当に。
特にこの日、何故か爆音具合がかなり爆音で、来て欲しいところでちゃんと轟爆音がドン!バン!ゴ…ッ!(地面ごと揺れるような、重みを増して広がる轟音を表したい効果音)みたいな感じで、よくある漫画の効果音表現みたいな…大きな文字が勢いよく襲ってくるみたいな…衝撃波がビリビリくるくらいの爆音を浴びて、美しい轟音好きとしてはとても楽しかったです。
(お呼ばれしたことに対して)率直に音楽やることが一番の筋だと思ってる、音楽やる姿勢を見てもらいたいって真っ直ぐに言うシロくん。俺なりのラブソング歌ってる、Marbleでより好きになった歌、クアトロのワンマンにも持っていって、もっともっと遠くにみんなを連れていきたいと思ってるし、、と言って始まったバージン輿論がめちゃくちゃ良かった。魂が詰まってるな、魂と愛が。でラスト「阿呆!!!!」くらいの阿呆。愛おしくて楽しくて泣きながら笑っていた(い)よ。愛を込めて歌いましたー!を2回絶叫して、べランパレード、かかってこいよ!!と挑発する姿勢、まじで良かった。ビリビリした。 燃える、エモいの爆発(語彙の喪失)。



3番手のpodoはVERANPARADEの大先輩バンド。べランパレードのアルバム発売をめちゃくちゃ祝って聴き込んで、家にある5000枚のCD全部捨てても良いくらいだと言い切る愛の深さ。2人しかいないのに迫力と軽やかさとウィットに富んだライブで身体が自然に揺れた。


大トリの主役VERANPARADE。あびさんの歌の話をする前に、まず、ゆりえちゃん可愛すぎないか。。えっ、ゆりえちゃん、欲しい…可愛すぎる。でもイカしたバンドマンの潔さというか体の中にビリビリ電気を飼ってるようなロック魂を感じた。かわいいしかっこよすぎる。。
あびさんの、というかVERANPARADEの歌は、汗臭くて情けなくて泥臭くて人間の裏も表もひっくるめて全部表に出しちゃったような潔さ、でもどうしようもなく、どうしようもない奴な感じで、めちゃくちゃパンクでロックでカッコよかった。懐かしい匂いがした。
コロナ前に立てていた企画が流れてしまって以降、本当に久しぶりの東京、その間Marble鈴木店長ともずっと電話していて、やっと来れたMarble、ということで、既に最初からあびさんが泣きそうになっていて、いや泣いていて、声を震わせながら目の周りを真っ赤にしながら絞り出すように1音1音言葉を選びながら涙声で話をしていて、その生き様を目の当たりにしてもらい泣きしてしまう。ライブを観るまで知らなかったバンドなのに。
開演前に「この曲のここが好き、あの曲のここも好き」とCDを聴き込んだ感想を語ってくれたファンに嬉しくて泣いてしまったり、THE KING OF ROOKIEボーカルくんとの出会いを面白くも真摯に語ったり、感情に刺さる事ばかり言って、それでも「今ここにいる奴らの中でCD買った人がどのくらいの割合いるか大体わかってんだ、CD通販だからな、住所も名前も顔も全部全部覚えてるからな!家まで行くからな!!」と変態MCをしていたり、とにかく今日東京で、東京の新宿Marbleで、この4組でライブが出来たことが爆発的に嬉しくて、奇跡じゃない、それは必然だって言い放って、めちゃくちゃカッコいい歌を歌ってその日の私の感情全てを奪っていった、のでした。


高校の校舎の外で弾き語りを歌っていたまさにあの曲「おにぎりラブソング」を弾き始め、大好きなべランパレードを飛び跳ねながら観ていたTHE KING OF ROOKIEボーカルくんに呼びかける「お前も歌いたいんだろ?」「なぁここで歌いたいんだろ?」「上がってこいよ」、顔を上気させながら恐る恐るステージに上がる元少年!超恐縮して中腰で、あびさんを直視できない、一緒に歌うなんて無理っす〜前が見れない!の崇拝姿勢で歌う元少年…それを愛おしそうに見つめながら一緒に歌うあびさん…まさに感動的シーン!と思ってうるっとしていたら、1コーラス終わったところで強制的にフロアに戻されてた。笑い泣き。何このフワッフワに楽しくて心地よくて胸がいっぱいになるこの感情。ラウズハウスの奇跡の光景、こんな日があるから、こんな良い瞬間を体感させてもらえるから、だからライブハウスにライブを観に行くことが本当に好きなんだ。。


どんなバンドにもどんなライブにも、その後ろ側には壮絶で膨大な語り尽くしても尽くしきれないストーリーがあって、ライブハウスは、単なる1観客のわたしをそのストーリーの目撃者にさせてくれる。そのストーリーの一部でいさせてくれる。そして、その物語の先の先を、もっともっと見てみたい、だからもっと知りたい、このライブを観た日を絶対に忘れない、言葉に出来ないそんな素敵な気持ちをもらえる場所、ライブハウス。うん、エモエモのエモである。エモってなんて日本語で表現すればいいの?あ、感情か。感情の高まりね!エモーショナルな感情の高まり!(同じ意味を二重に使う典型例)


というか、実はライブの翌日になっても耳鳴りがまだ続いてたんだけど、この日の新宿Marbleどんだけ爆裂爆音だったんよ。最高…。。


ちなみに良いと思ったライブを観たら物販でCDを買いたくなるんだけど、エモい感情が抑えきれなくて身体中をよく分からない愛しさと切なさと心強さが台風のように駆け巡っていて何を伝えたら良いかイメトレが出来ずに、勇気が出なくて物販でCD買えなかった話も、ここに添えておく。CD欲しかった…。良いライブの後に聴く音源って堪らなく愛おしいんだよね。だからさ、これはさ、危険を冒して通販するしかないってことですよね。。お手柔らかによろしくお願いします。。





2022.09.19
ユレニワ
1.知りたい
2.birthday
3.遺書
4.バージン輿論
5.阿呆



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?