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詩 ひぐらしが鳴く



そもそもが
自分のものではないものを
はらはらと
目の前を落ちてゆくものを

一瞬の眩しいあかりが力なく揺らいで

差し出しそうになる掌を
思わず押しとどめたものは
霞のように不確かな後悔と
頬に落ちた懺悔

今はまだ聞きたく無かったひぐらしの
羽をこすり鳴く音に
やがて迫る夕日を追い払い
我に帰るためにわたしは

いくばくかの力を込めて

影を踏む 


*先日詠んだ短歌によせて


#詩

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